博多の夜

 友人2人と博多へ行った。6月は日差しが強いが風は涼しい。昼間は街をぶらついた。夜になれば天神へと向かい飲み食いをした。博多在住の友人の友人が来てくれたが、人見知りの私は緊張して飲みすぎてしまった。そんな私にも関わらず、その方はたくさん笑ってくれた。いい人だった。

 友人達と私は宿が違ったため、途中で別れた。宿までは程よい距離だったため歩いて帰ってみた。酔いが残っていたらしい。

 昼間に歩いた道は人が多くて車もたくさん走っていたが、遅い時間では人の気配が少なく静かだった。広い道路が余計に静かさを際立たせる。
 途中、大きな橋を渡る。遠くに目を向けると少し離れて中洲の街が明るく見える。あっちの方はまだ人が多いみたいだ。中洲の少し上には月がこれまた丁度良いところに留まっていた。川に街と月の光が波に揺られてぼやぼやと反射している。少し立ち止まって空気を吸うと夜の匂いがした。

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