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大学院3年目に突入~ゆっくり戦略のすすめ~言い訳していいわけ?

こんにちは、国立台湾大学GMBA、3年目が確定したJinです。

今回は人生遠回りも悪くないよ的なシリーズ第一弾です。

大学院3年目の経緯と中国語で金融資格受験のこと

留年というわけではく、働きながら学生をしているのでゆっくり単位を取得しながら卒業する戦略に切り替えました。入学前は「最短2年で卒業するぞ!」と思っていましたが、一学期目の第3週あたりで「こりゃきつい。無理して早く卒業しても内容を吸収しきれずに終わる」と感じ、その時点で2.5年~3年で卒業できればいいやと切り替えました。今は2.5年の選択肢は既に消え、3年の一択となっています。

入学の年の3月に子供が生まれ夜泣きが激しく、9月入学して2週目にアキレス腱断裂して1週間の手術入院、翌年2020年頭に皆さんよくご存じのアレのおかげででオンライン授業が一時期続き、その年終わり頃にはめでたく台湾永住権が取得出来たことにより「ある義務」ともいえるものが出来ました。

その義務は現在働いている「とある金融業界」の「とある資格」を取りなさいと会社からの命令です。どういうことかというと、この業界の資格は台湾において基本的に外国人は受験資格がないので、今までは免除されていたものの、永住権を取得することによって受験資格を満たしてしまったのです。なので現役MBA生でもありながら一旦MBAはスローダウンして資格試験に集中することとなりましたが、その金融資格試験の言語は全て中国語であるとういうことが地獄の始まりなのでした。

嫁との馴れ初めと中国語はお腹いっぱいである経緯

最近は日本人でも複数言語出来る人が驚くほど増えていますが、僕が海外に出た10数年前当時はほとんど出会ったことありませんでした。複数言語操るのが当たり前な韓国人や香港人やシンガポール人達に影響を受けて中国語出来たら面白いだろうなって思ったのがきっかけで7年前に台湾に来ました。

台湾に来たばかりの1年目は中国語の語学学校に通っていたので、(やる気を出せば)中国語で一般のコミュニケーションで困ることはほぼありません。なのですが、現在のボクは中国語を学ぶモチベーションは皆無に近いです。まず、嫁が中国語、台湾語、英語、日本語の4か国語全て準ネイティブレベル以上であることが大きいです。

嫁に出会ったのは日台交流会というソーシャルイベントで、在台湾の台湾人とお友達になりたい日本人と日本人とお友達になりたい台湾人のイベントです。そこでボクは現在の嫁に中国語で話しかけたら、返ってきた第一声が「日本語でいいよ」でした。唖然としました。なんて傲慢な女だと思いましたね、その時は。台湾に住んでいて中国語を学んでおり、その当時既に中国語だけで女の子口説けるレベルがあった僕に対してその態度です。なんのためにお金と時間かけて中国語勉強したと思ってんの?って感じでアホらしくなりました。今思えばどれだけ小さなプライドやねんって感じです。人間小っちゃ!(苦笑

でも、よくよく話を聞くと4か国語流暢で語学力ではボクの数十倍上であること、極度に正義感が強く、台湾を純粋に愛し、政治に熱心で、ワンちゃんのようにかまってちゃんで、そしてなにより全てにおいて全力でサポートしてくれた。そしてよくよく考えたらボクは傲慢で頭の良い女が好みでした。そんなこんなでいろいろ端折っていつのまにやら結婚まで持ち込まれたわけです。

ところがこの嫁、3才から英語習い始めたとかイギリスの大学卒業して専攻が言語学だったとかで、発音へのこだわりが半端ないんですよ。ボクの英語の発音にも中国語の発音にも毎回やり直しを強要してきます。例えば「エデュケーションは日本語でしょ。エジュケーションだよ(カタカナの表現の限界ご容赦)」とか、もう完全に発音ポリスです(苦笑) ボクの中国語の発音に関してはもう嵐のような発音の指摘があり、且つボクの中国語は小学生が話しているようだとさえ言ってくるので、今となっては嫁との会話で中国語使うことはゼロとなりました。喧嘩になるんでね。

もう中国語はお腹いっぱいのトドメ炸裂

最後のとどめはどこかのおっさんでした。台湾に来て3年目か4年目のとき、会社の福利厚生で語学に費用をかけてよいことになったので、嫁に内緒で昼間会社に女性の若手中国語教師を呼んで昼休み中などレッスンを再開しそれなりに楽しんでいました。

久々の中国語の授業を受けているその期間中、会社の車で帰社し、駐車場に止めようとしたら会社指定の駐車場に見知らぬ車が停車していて、困ったぞって感じのシチュエーションがありました。フロントに電話番号の書置きがあったから電話かけて中国語で「あんたの車がうちの会社の駐車場に止めてあるから帰れない。早く車をどかしてほしい」と伝えました。オフィスビルから不機嫌そうな(なんでアンタが不機嫌やねん)おっさんが下りてきて、「ああ、アンタ日本人だったのか!中国語ヘタクソだから香港人かとおもってたわ!」とか言い放ちました。もうね、これがトドメの一撃で、こんな失礼なやつとコミュニケーションとるために金はともかく時間と労力かけるのアホらしくなりましたね。今すぐ香港人に謝ってきてください。

もちろん一概には言えない部分もありますが、英語話す台湾人はある程度勉強している台湾人なので、比較的常識やモラルがしっかりしている人が多い印象ですが、英語が苦手な台湾人はピンキリです。常識がない台湾人とのコミュニケーションにフィルターをかける意味でも見ず知らずの一般の台湾人には英語で押し切ったほうが精神衛生上もよいし効率的という結論となりました。もちろん場合によりますが。

資格試験の話に戻る

まぁ、そんな経緯でガラスのハートを持つボクの中国語にかけるモチベーションは上がったり下がったりの繰り返しなんですが、台湾歴7年目にして金融の資格試験を中国語でやらないといけないと、現実逃避もしたくなります。

「とりあえずこれやればパスできるから」と渡された過去問3000問。解説なし。この単語どういう意味?と嫁に聞いても「専門用語が聞いたこともないからさっぱりわからない」とバッサリ切られることばかり。

試験にパスした台湾人の同僚に忙しい合間を縫って聞いてもめんどくさそうに「俺も意味は分からない単語ばかりだったけどとりあず意味は考えなくていいから過去問全部暗記すれば大丈夫だよ」との返答。。。そもそも読めない単語ばかりなんだけど読めないものは暗記のしようがなくないですか? しかもこの中国語の単語を覚えたところで常用外なので業界の外では使いようがない、専門用語ばかりです。

ボクの感覚ではこの試験は日本でいうところの「引っ掛け問題のないストレートな宅建士試験」くらいの内容なので中国語が母語である台湾人達には難易度は高くありません。毎月数千人の台湾人達が試験を受けています。

仕事とMBAを英語でやりながら家に帰ったら娘の夜泣きが待っている状態のなか、過去問を1問1問地道に翻訳して、問題の意味を理解して、半分ぐらい終わった時点で練習がてら今年4月に第一回目の受験。テストは3科目、3時間。3科目同時にパスしなくてはならない。予想通り結果は撃沈だったが1科目合格点に達していました。とりあえずあと2回くらい受験すれば3科目パス出来そうな感覚です。

ところが、試験はほぼ毎月あるのですが、ご存じの通り5月から台湾も急な外出規制となり、試験会場のぎゅうぎゅう詰め状態を考慮し試験自体がしばらくキャンセルとなってしまいました。

金融っていってもイロイロあるんです

金融業って狭義の意味での代表は銀行ですが、広義の意味での金融だと結構色々あるんです。銀行もビジネスが多岐にわたるので、商業銀行でもリテール、為替、コーポレートファイナンスとかあるし、信託銀行、投資銀行なんかもありますね。保険業界も生命保険会社、損害保険会社、保険代理店、保険ブローカーとそれぞれ営業ライセンスが異なります。証券会社は株式の取り扱いが多いのかなと思いますが、台湾では日本の証券会社の債券部門が独立したような形態で票券公司なんかもあったりします。リースは機器や車だけでなく、最近は自ら再生可能エネルギー分野に投資してたりするし、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ等の投資会社もモロに金融です。消費者金融、クレジットカード、与信調査会社、債権回収業者とかもあります。会計監査法人も金融庁の管轄だし広義の意味では金融なんでしょうね。なんなら町の宝くじ屋さんも金融です。

この狭い台湾に日本人が約20,000人いますが、ボクはこの広義の意味での金融業のどれかで、その業界で競合のいない言わばブルーオーシャンで泳いでいます。競合がいないってどれだけニッチなんだって感じですが、結構悪くないもんです。一応大企業グループの看板を背負いながら社内ベンチャー的なことを自由にしています。

外国人は永住権を持っていないと取得できないという第一のハードルがあって、中国語という第二のハードルも低くなく、台湾におけるこの業界の専門知識を得られるので、この資格を取ればこの業界で外国人として唯一無二の存在となれると信じて今はコツコツやっています。

「学校の卒業は急がない」に切替てよかったこと

本来であれば早く卒業出来るのであればそれに越したことはないと思います。ですが、ボクの環境でいうと無理に卒業を早めようとするとその他が犠牲となってしまうことが明らかでした。特に仕事のパフォーマンス落ちてクビになると嫁も専業主婦なので家族が路頭に迷ってしまうというのが最悪なシナリオなわけで。

現役の台湾大学MBA生のステータスをキープすることによるメリットもあります。例えば大手一流日系企業の方々から話を聞きたいと声が度々かかったり。個人的に入学を検討したいからインタビューさせてほしいとか、経営企画の方が社員の研修制度の一環でとか、台湾大学と企業とのコラボの可能性だとか。そういう話がこの界隈で強力なネットワークを構築するのに役立つとは嬉しい誤算でした。

MBAネットワークも一学年60人程度なので2年在籍すれば自分の学年+ひとつ上の学年とひとつ下の学年、理論上計180人と繋がれますが、3年いれば単純に240人です。学生気分も満喫出来る期間が長くなったほうがいいに決まってます。今年の新入生は豊作の年で、そのメンバーと課外活動的なものが増えたことも嬉しい誤算だったりします。

人生は計画以外のものが急に降ってくることばかり。急がば回れ。ゆっくり楽しみましょう。



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