台湾大学MBA現役生が「クラスメイトってどんな感じ?」にお答えします

謹賀新年。どうもGMBA現役生のJinです。

最近何回かGMBAのクラスメイトってどんな人たちがいるの?という質問を頂きました。

前回、なにを勉強するかより誰と勉強するかだと申し上げたと思いますが、個人を特定出来ない程度にどんな学生がいるかレポートしてみたいと思います。

今僕は2年目で、自分の学年と一つ上の学年、一つ下の学年、計3学年(少数ながら卒業生や4年生以上もいますが)約200名と関わりましたが、どの学年も国籍、職歴、年齢等、多様性があるのは間違いないのだけど、入学年度ごとの学生ポートフォリオは似通っていると思います。採用担当者は国籍ごとの採用枠は作っていないとは言っていたものの、意図的にバランスを考慮しているように思います。ご参考までのレポートですが、学生の個人差はかなり大きいのであしからず。

業界でみると

銀行、4大会計監査法人、保険など金融業界や投資機関

エレクトロニクス、半導体、自動車、化学品、製薬会社などのメーカー

IT系、Eコマース、広告、人材、商社

非営利団体、政府系

コンサル、教育

上記はどの学年にもいる感じです。上記に当てはまらなければ採用されないのかってことではなく、その他もあります。(本人に言ったら怒られそうですが) 意外とイロモノも来ていて、去年・今年はテレビ局のアナウンサーがひとりづつ。昨年は有名Youtuberもいます。他思いつくのは化粧品、建設、食品、航空、軍隊など。

個別銘柄はここGMBAホームページ 台湾大手、欧米系外資大手もゴロゴロいれば、聞いたことないって思っててもよくよく調べてみると各国を代表するようなコングロマリットだったり。小規模の会社でも勢いのあるベンチャーの経営者だったり。

個人的に入ってみてから意外だなと思ったのは、NPO/NGOなどの非営利団体でした。非営利だからこそ利益を求めるビジネスサイドと競合するところがあり、また逆にビジネスサイドと協業する必要があり、ビジネスを学ばないと生き残れないとのことで、目から鱗でした。

これも意外に思いましたが、元軍人は、軍で一定期間任務すると授業料払って貰えるとのこと。

母国企業から台湾に派遣されている駐在員も数人働きながら通学していますし、GMBAだけに集中しているフルタイムの学生と現職継続しながらのパートタイムの学生はちょうど半々くらいです。

年齢層でみると

平均は30歳ということになっていますが、実際幅広いです。最低2年の実務経験なので理論上はストレート大卒、応募時に2年だったとして半年後の入学には25歳が最年少です。台湾人学生は27~34くらいがボリュームゾーンで少数の40代な感じです。

外国人枠はもっと広く、特に新興国から来ている学生が若い傾向があり、先進国と呼ばれるところからきている学生は二極化していて20代後半から50代くらい。

GMBAの外国人枠にシニアが珍しくないのは、台湾で英語で提供しているExecutive MBAが存在しないから外資系企業役員はGMBAが唯一の選択肢となるからです。

出身地・国籍でみると

出身地別はGMBAホームページアジアで学ぶにも記載ありますが、1学年合計60名、台湾人30名、外国人30名の採用枠があって、ここ数年は倍率は3倍強くらい。外国人枠は僕の学年を基準にいうとアジアからはタイ人6人でたまたま多い代でしたが、インドと韓国3人つづ、日本・シンガポール・マレーシア・フィリピン・ベトナムが2人ずつ、中国1人。ヨーロッパ・中東からはフランス・スペイン・フィンランド・トルコ・ヨルダン。アメリカ大陸からはアメリカ3人・カナダ1人、ニカラグア1人でした。ですが、二重国籍多いのがトリッキーなところです。

例えばカナダ生まれ育ちの台湾系学生は台湾国籍を持っているならローカル枠で申請しなさいと採用担当から勧められるそうです。僕の学年はカナダ育ちの台湾人が3人いるのでカナダ勢が目立ちます。

両親が台湾人でもアメリカ生まれアメリカ育ちでアメリカ国籍しかない場合は外国人枠となります。

台湾が絡んでいる場合はGMBAオフィスも把握していると思いますが、多重国籍が第三国である場合、把握しきれていないと思います。例えばスペイン国籍として入学したけど生まれも育ちもパラグアイとか。意外とこのパターンも多いのです。他、台湾人枠でニュージーランド、オーストラリア国籍ある人達います。

肌の色で分ける時代でもないですが、そこをあえていうと僕の学年は白人系少なめ、黒人系はいないですが、上の学年と下の学年は白人系多め、黒人系もいます。アジア以外の国からは学年によって若干ばらつきがあるように思います。

出身校・学歴でいうと

全体の公式発表がないのであくまでも僕が把握している範囲です。学歴高いところからいうと、既に他校でMBA含む修士取っている人が複数います。個別銘柄でいうとスタンフォードなど既にMBA取ってるのに、台湾でのプロフェッショナルネットワーク構築が目的で入学している学生もいます。(GMBAと別の博士号同時取得しようとしている学生もいますが、一旦おいといて。) ちなみにGMBA同窓会会長はMBAマニアでアメリカと台湾と中国でそれぞれ経営学修士取ってます。

台湾人の出身大学は国内では有名国立大学出身が多く、政治大学出身が一番目立ちます。台湾大学の学部出身も毎年1,2人はいるようです。あとは交通大学、清華大学、中興大学、成功大学、師範大学、私立でいうと淡江大学と輔仁大学もいました。海外はバラバラですが、カナダのブリティッシュコロンビア大学は複数人、トロント大学、ビクトリア大学、アメリカはボストン大学、アリゾナ州立大学、ニューヨーク州立大学、シンガポールのシンガポール国立大学とナンヤン工科大学、韓国のソウル大学、ニュージーランドのオークランド大学、タイは国内トップのチュラロンコン大学、マヒドン大学、タマサート大学が多いです。

有名どころを並べましたが、他にもどこそこ?ってところからも結構きています。そういう人たちは職歴がしっかりしていて実績を残している人たちだと思います。

英語とその他言語でみると

授業は完全に英語で行うので英語はみんな話せるのが前提ではあるものの、7割くらいは英語ネイティブか同等。そもそも台湾人枠として入学している学生の8割くらいは所謂ABCで、欧米など海外育ちが多く、台湾人枠の学生は実質台湾人でないことが多い。白人系の欧米人でも台湾に来るくらいなので中国語バックグラウンドがしっかりしている学生が多く、6年以上台湾にいる僕よりも中国語の能力が高い欧米人学生が多いという。。アジアからは中華系xx人が多く、特に中華系タイ人、中華系マレーシア人、中華系フィリピン人もゴロゴロいて中国語や閩南語、潮州語の家系出身者多い。第二言語として日本語、フランス語やスペイン語話せる人は結構いる。4,5言語くらい余裕でいけるって学生は珍しくなく、母国語と英語の2言語のみは少数派。完全英語のクラスであるにもかかわらず英語のみしか話せないモノリンガルがいるってことは聞いたことがないですね。

その中で僕の英語は間違いなく一番下なので、議論についていくのは大変ですがなんとかギリギリやってます。ですが、その程度だと入学してからが地獄となることを覚悟したほうがいいですし、議論が出来るレベルになってから応募することを強くお勧めします。 

たまに「英語は読み書き出来れば話せなくてもいけますか?」と聞かれますが、もちろんネイティブ英語スピーカーである必要はないですが、最低限口頭で議論が出来るレベルはないときついと思います。英語が微妙でもカバーできる場合は、例えば、既に管理職として経験が豊富である場合は今まで現場で得た感覚を改めて学問の場で再定義することになりますし、日本で経営学部卒の場合であれば可能でしょうが、英語で議論の場に立てないのであれば「単なる高額な英会話の授業になりかねない」ということを念頭においたほうがよいでしょう。

授業はネイティブ英語スピーカーでも苦労する内容と量です。英語がネイティブか同等クラスであるだけでなく、情報処理能力の高い学生が多いです。スピードリーディング、フォトリーディングが出来て、且つマルチタスクこなせるハイパフォーマーもゴロゴロいます。他のトップMBAと比べて願書申し込みの最低条件は比較的緩いですが、英語力は最低限議論できるレベルないときついです。

入学者全体で「英語力」というだけであれば間違いなく世界トップMBAと遜色ないと思います。アメリカやイギリスのビジネスクールも留学生が多くて地元の英語ネイティブはそんなに多くないこともあると聞くので。

語学から脱線すると、世界トップ20位以上のMBA入学者ポートフォリオとの差はビジネスバックグラウンドの質とロジカル思考の完成度くらいなのではないかなと勝手な想像してます。

人柄・家柄でみると

もちろん、個人によることですが、全体的に人柄は温和でフレンドリーな人が多いです。見た目からして「あからさまに負けん気の強い人」もいますが、大多数の「隠れ負けん気強い人」と水面下で対立したりするせいなのか(笑)、結果的に数か月もすれば文化適合することにならざる得ないかもしれません。エリートが多いのでみんなプライドは高いですが、プライドのかけ方はそれぞれです。一般的に日本と比べて海外や台湾は「はっきり意見を言う」というのは大枠では合ってますが、政治家やビジネスのトップは「はっきり言わない」「お茶を濁す言い方」を使い分けてきます。ここGMBAでもストレートだけではやっていけないことがあったりします。

家柄は明らかに育ちのよい家庭出身者が多いです。貴族、資産家、坊ちゃん、お嬢様等のキーワードが当てはまる人達が多いです。親がどこかの有名企業の創業者だったり、実業家はゴロゴロいますが、その他も医者の家系だったり、両親とも大学教授だったり、ファミリービジネス経営してる率は高いです。

なので平民・庶民・貧困とうカテゴリーにあたる僕は本来であれば場違いかもしれませんが、それでありながら肩身が狭いなどとは一切感じない、仲良くなれば受け入れて貰えるありがたい環境です。

個別でみると(ベトナム人Tさんの場合)

アメリカの高校と大学出ているので英語はネイティブと遜色なし。ベトナム語ネイティブで中国語も高度に操る。スピードリーディングが出来て、ロジカル思考が出来て、空気も読む、話し好きでスピーチも上手。新卒の時には香港の金融コングロマリットに入社したが、性格的にお金儲けに興味がわかず、その後NPOの世界に入る。好き嫌いがはっきりしている。MBA受験をしたときはロンドンと上海からも奨学金付きのオファーを貰ったが、メインストリームよりも自分が面白いと思う選択肢を取る性格がここでもでて台湾大学GMBAに入学。

個別でみると(フィリピン人Mさんの場合)

フィリピン最大手銀行のバックオフィス出身の中華系フィリピン人。5か国語以上話す。経験は浅いので意外なところで凡ミスもあるが、頭脳は高速回転、超早口、フォトリーディング出来て、同時に複数のことを考えられるマルチタスク。情報処理能力は他者を圧倒している。裕福な家庭出身なのか逆にお金に興味がなく好きなことをやりたいタイプ。

個別でみると(カナダ人Pさんの場合)

台湾系カナダ人。中文も話すが(漢字は苦手)がファミリービジネスの関係で幼少期からカナダなので、もちろん英語はネイティブ、むしろ台湾系といえど台湾の政治に関しては熱心でもないし、むしろ疎い。(台湾歴も僕の方が長い) 典型的な台湾人像とはまるっきり異なり、中身はカナダ人。IT系バックグラウンド。常に笑顔でフレンドリーで周りからの人望も厚い。

個別でみると(台湾人Rさんの場合)

台湾の上位国立大学出身で2年フランス留学していたので英語だけでなくフランス語も流暢。(日本語も読める。。。) 大手米系製造業エンジニア職を継続しながらMBA、在学中に転職もし、さらには入学前年に出産したばかりで子育ても奮闘中の超優秀なスーパーママ。柔らかな話し方ではあるが細部に結構こだわりがあるタイプ。

個別でみると(インド人Yさんの場合)

インド出身、直近はシンガポールでエンジニア職として6年働いていた。GMBAフルタイムの学生。問題解決を得意としていてロジカルであり、理屈っぽくあり、それでいて冷静と情熱を兼ねている紳士な感じでかなり信頼できる優秀な学生。インドにおいて少数派のムスリムなこともあり、インドでは肩身が狭いという事情もあるのか卒業後もインド以外の海外で働くつもりのよう。

個別でみると(トルコ人Kさんの場合)

医者の家系でトルコの医学部に入ったが、途中でビジネス路線に変更し、アメリカのMBA取得。卒業後は成長性のあるアジアにフォーカスし日本と台湾で就業。台湾ではベンチャーIT企業にて唯一の外国人として30代前半で戦略を軸としながら役員まで上り詰める。台湾大学はMBA二校目かつ現職を継続しながらなので卒業は急がず、ネットワーク構築が主な目的。性格はかなりアグレッシブ。日本語は話さないが、日本での就業経験から日本にかなり思い入れがあるよう。

個別でみると(フランス人Rさんの場合)

フランス系エレベーター会社のGMとして台湾駐在7年目にてGMBA入学。20年以上にわたり海外で複数か国駐在経験有り。元々は高級管理職向けのEMBAを検討していたが、全て英語で出来るMBAとしてGMBAに入学。(台湾のEMBAは基本的に中文、一部のみ英語可) とは言っても流暢な中国語も話せる。若いGMBAとシニアのEMBAを繋げるパイプ役を買ってで、ロータリークラブなども積極的に参加。入学後まもなく独立しコンサル会社立ち上げた。経歴は伊達でなく、頭の回転が速くユニークなアイディアや最適な解決策、さらにはユーモアあるジョークをポンポコ出してくる。


どうでしょう。なんとなくクラスメイトとなる人たちのイメージつきましたか? 

日本語の記事なので、あえて日本人のケースは除外しました (日本人だと個人が特定されてしまうので)。 毎年1、2人くらい日本人が入学しています。日本人比率が高いと別の問題が出てくると思いますが(なんのための海外MBAなんだ等)、それくらいの人数だと少数派でしかありません。あまり授業で被らないので、たまに一緒のクラスになったときは協力し合っている感じです。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?