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読書記録|深井有『地球はもう温暖化していない』

読了日:2021年8月28日

 物理学者で中央大学名誉教授の深井有氏の著書。
 2015年初版の本で、今もなお定評のある1冊。一読の価値あり。

 日本はいつも同じパターンに嵌められるし、国民もいつも同じように煽動され、いつも必要な声はかき消されるし、いつもいつも同じことの繰り返し。今この瞬間もまさにそう。
 アメリカ主導の国連によって世界(主に欧米諸国と日本)が動き、利権が渦巻き、環境税で集めたお金もどこへ流れてるのか…

 気候問題のきっかけとなったのは、ホッケースティックという、気温の変化のグラフを恣意的に一部切り取ったものであることを知らない人が多い。
 また、同じ気温を測るにしても、街中のエアコンの室外機付近と山頂で気温を測るのでは全く変わるし、子供の頃より昔よりもアスファルトが増えた。ビルはガラス張りになり熱を反射する、車のエンジンからも熱を発する、暑いからとエアコンをつければ、その室内の熱と一緒に室外機からもプラスαで熱を発する。更に外の気温が熱くなる…
 こういった、いわゆるヒートアイランド現象というのが都会では起こっている。
 これだけでもCO2が気温上昇の諸悪の根源とするには疑念がある。(そもそも気温上昇というよりも、気温の上下の揺らぎでしかないのだが)
 更にCO2は農作物などの育成には必要で、現在よりもずっとCO2濃度が高かった太古(恐竜がいた時代)では今よりも動植物が遥かに大きく成長しているものも多くあった。(ましてやその時代が灼熱だったという説もなければ、なんなら最終的には氷河期に至っている)
 実際にビニールハウスでは、作物の育成を促すためCO2を添加してることもあり、ちゃんとCO2を発生させる機械の実用化もされている。収穫量不足を解消させる一手だ。
 逆説的に言えば、CO2の減少は食糧危機問題にも繋がる。ゆえに、広大な土地の森林を禿げ山にしてメガソーラーというお金ジャブジャブなものを設置するなど本末転倒。
 そうった事実を知らない人達が「温暖化ガー」と騒いでるわけだ。

 また、気温が上下するのは当然で、地球史という長いスパンで見れば、一年間の気温が一定ではないように、当然更に大きな間隔で上下しており、現在は下降傾向とも言われている。
 もっとも、この気温の上下運動の直接的な要因は、CO2の人為的な増加によるものではなく、単に太陽の運動によるものということはわかっている。
 更に言えば、地球が太陽の周りを公転するように、太陽系そのものが私たちがいるこの天の川の周囲を約2億4000〜5000年かけて周っていることを考えれば、太陽系自体が太陽系の外から何らかの影響を受けていて、それが気温の上下に関与していることも十分に考えられるわけだが、こういったことは気候変動に関する政府間パネル(ICPP)では一切触れられていない。


 今回も、テレビ、新聞・雑誌、御用学者の温暖化キャンペーンによって、「地球の温度が上昇しまくって灼熱地獄になる」というイメージを刷り込まれている。
 これについての異論は、当たり前に潰されてきた。
 災害がどこかで起これば、素人であるのに「異常気象のせいだ」とか勝手に断言して呟く人、そんな人ばかりになってしまっている。
 『空気の研究』の山本七平氏の言葉を使えば、人々の「温暖化」という文言に対する臨在感的把握が絶対感をもたらし、個々人の物事の判断を支配している(思い込ませている)。

 今は情報過多の時代。
 だからこそ、テレビなどのマスメディア、今ならばソーシャルメディアなども含む情報源の信憑性を自分で確認する必要がある。
 「温暖化」の文言のように知らぬ間に何らかの方向に先導されて、自らの生活を破壊するような行動を取ってはいないか?そういう視点で物事を考えることも必要だと日々感じる。

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