おなかの中で育てていた赤ちゃんがこんなに可愛いだなんて思いもしなかった
私は去年の8月に初めての子供を出産しました。 初めての妊娠で不安ばかりでした。 元気な赤ちゃんが生まれてきてくれるのか、妊娠・出産の経過は順調に進むのか、心配ばかりでした。
つわりもあったので、毎日吐いたり思うように食べられなかったりしんどいことも多かったです。
そんな不安ばかりだった妊娠中の私に伝えたい。
あなたは今おなかの中で天使を育てているんです。おなかの中で育てている赤ちゃんはものすごくものすごく可愛いんです。
妊娠している時はもちろん赤ちゃんに直接会うことはできません。 妊婦検診でエコーの検査はありますが、とてもじゃないけどあの白黒画像で可愛いと思うことはできません。
だから生まれてきてから赤ちゃんと初対面となります。私は息子が生まれて病室で二人きりになった時に思いました。
私はなんて可愛い生き物をおなかの中で育ててたんだろう、と。
生後4ヶ月になった今も思います。
私はなんて可愛い生き物を育てているんだろう。 もう可愛すぎて食べたい。 この生き物絶対においしい。
話が変わるのですが、むかし私の母方のひいおじいさんとひいおばあさんが養豚をやってたんです。
母が小さい頃、そこで育った豚を食べることがありました。 母はその豚を食べてとても美味しいと思ったそうです。
その豚が小さい頃からどんな餌を食べてきて、どんなふうに育ってきたかよく知っているからとても美味しく感じたと言っていました。
また以前見たテレビ番組で、松阪牛の生産者さんのお家にお邪魔して、そこで育った松阪牛をすき焼きにして取材班と一緒に食べるという企画がありました。
松阪牛の子牛がどんなふうにその畜舎に来て、子どもの時からどんなふうに育ってきたか、実際に育ててきた生産者のご夫婦はよく知っています。
そのすき焼きを食べる時、そのご夫婦は目を細めてものすごく美味しそうにその肉を食べていたんです。それが私はとても印象的でした。
自分が一生懸命育てた生き物食べるのはその経験のない人からしたらグロテスクのように思うかもしれません。
でも、小さい頃から自分が丹精込めて育てた生き物を食べて自分の中に取り込むというのは、実は愛おしい行為なのかもしれません。
その自分の家で育てたお肉を美味しいと思う気持ちと、今私が息子に感じる愛おしい気持ちが似ている気がします。
どんな風に私のおなかの中に来て、どんなふうにおなかの中で育って、お腹の外に出てからどんなふうに大きくなってきたのかよく知っています。
それに今母乳をあげて育てているので、この赤ちゃんはすべて今まで私が食べたものでできているんです。
だからでしょうか。 食べたいんです。 このふくふくとした赤ちゃんを食べたいくらい可愛いと思うんです。 目に入れても痛くないという諺がありますが、その気持ちが分かります。
妊娠中は自分の産んだ赤ちゃんという生き物がこんなに可愛いなんて知りませんでした。
妊娠中は赤ちゃんが順調に育っているのが嬉しい反面、このまま無事に育ってくれるだろうか、出産はうまくいくだろうかと不安ばかりでした。
あなたが育てているのはこんなに、こんなに可愛い赤ちゃんなのだと知ってほしい。大丈夫!妊娠も出産も子育てもきっとうまくいくから!
お腹の中の可愛い可愛い赤ちゃんが、あなたに会うのを待っています。
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