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波羅蜜多礦石記(2)愛なのよ...聖天さま

聖天さまは愛なのよ…


最初に…
 波羅蜜多礦石記も第二回目となりました!
気付けば、夏みたいな暑さを感じるお昼間。ちょいとメモ書きみたいな、驚きをご紹介。


聖天さまは愛なのよ…

 聞いたことがある人はある。聞いたことがない人はない。当たり前なのですが(笑)。この仏さまの名前も知らぬままに生涯を終える人もいるとの話を聞いた時、まぁ、そんなもんだよね程度に思ってました。

 古今東西、色んな仏像や仏画と呼ばれるものがありますが、この聖天さま…何と!男女が抱き合ってますよ。
 チベット密教などでは、交わってます♪
 愛なのよね…愛
❤️


 凄い答えだけを書き切れたような満足感があるのですが、ちょこっとあちこちの説明文を要約してみると。

 他の仏様とは違い、「聖天さま」というと...抱き合っている姿。
 仏像や曼荼羅とか...メインとなる仏に脇侍(そばにいる仏)はいても、その仏の名つく仏様は、⚫️⚫️⚫️如来や⚫️⚫️⚫️菩薩、⚫️⚫️天は一人なのです。
でも「聖天さま」となると....お二人で抱き合っておられます。

 こんなおっさんが、まだまだ子供だった時にその掛け軸を見たことがあったのですが、「相撲取ってる仏さんや!」と喜んだことは忘れましょう(笑)。


凄い由来

 ヒンドゥー教の神・ガネーシャ(Gaṇeśa、群集の長)と同じ起源で、それに相当する尊格。ガネーシャと同様に象の頭を持っていて、象頭人身の単身像と立像で抱擁している象頭人身の双身像の2つの姿の形像が多い。それらの多くは厨子などに安置され、秘仏として扱われており一般に公開されることは少ない。稀に人頭人身の形像もあります。

ヒンドゥー教から仏教に取り入れられたヴィナーヤカ(毘那夜迦と音写)も当初は「障礙をもたらす悪神」でした。『大毘盧遮那成仏神変加持経』(大日経)などにもそれは記されており、なかなか強烈な神様だったようです。
相当悪いことをする神だったこともあり、ネパールやチベットの仏教美術では、憤怒尊(怒ったような顔をしている仏さま、不動明王など)に踏まれている姿などがあります。


めちゃくちゃ間を端折って説明すると...

 時間が経つにつれて、仏教のヴィナーヤカはヒンドゥー教のガネーシャと同じく、最終的に悪神から障害を取り除く仏教に帰依した護法善神となるのです!
 やんちゃな人が更生するだけでは無く、人道的な活動をするような凄い偉業をしていく様子と似てますよね。


ようやく辿り着くその姿!

 まぁ...悪いイメージがつくととことんそれは付き纏ってしまって、人もそうですが、イメチェンは当時の神も大変だった様子がうかがえますね。そんな聖天さまこと歓喜天さまは護法神となられます。

悪神が十一面観音菩薩によって善神に改宗し、仏教を守護し財運と福運をもたらす天部の神とされ、日本各地の寺院で祀られているのですが...

 一般的な抱擁している象頭人身の双身像の場合、
 ・十一面観音 頭部に冠を付けている方
  ※たまに十一面観音経ではないものもあります。
 ・聖天(歓喜天・毘那夜迦王) その十一面観音に抱擁されながらも足を踏まれている方が

とされております♪


慈愛なんですよねぇ?

 ココが意外に重要かもしれない部分でして...「十一面観音に抱擁されながらも足を踏まれている」
 なんということでしょう...愛し合うかのように抱擁しつつも、足を踏むことを忘れられておられない十一面観音さま。ここが日本らしいと言えば、日本らしいというか...


奥さま、強し!!日本の畳と嫁は強し!!


と思う今日この頃でした。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました〜!
最後に呼び名の一覧だけ、書き出しておきますね。


聖天(しょうてん)・歓喜天(かんぎてん)
仏教の守護神である天部の一つ。
梵:Nandikeśvara、ナンディケーシュヴァラ、歓喜自在天とも。その他にも、ヴィーナヤカ(Vināyaka、音写:毘那夜迦、びなやか / びなやきゃ)、またはガナパティ(Gaṇapati、音写:誐那鉢底 / 誐那缽底、がなばち / がなはってい / がなぱてい)、大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)、大聖歓喜双身天王聖天(しょうでん、しょうてん)等と呼ばれる。


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​伊藤玄龍(いとうげんりゅう)

伊藤玄龍(いとうげんりゅう)
高野山大学大学院生 。(五龍結界や龍神などを研究) 最近、修行中。 トランスジェンダー (FtM )な某外資系企業会社員。実は講談師。時々、密教学を学びながら、神宮寺五龍院 に時々出没して、お掃除や整理整頓しています。好物は怪談。 ​
【主な出版物】 『空海名言法話全集 空海散歩』 第6巻・第7巻・第8巻・第9巻・第10巻(筑摩書房) ​​ふれあい文芸(令和2年・短歌数点掲載)

※神宮寺五龍院のプロフィールより抜粋


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