Qawoco|カヲコ

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銭湯とサウナが好きです。 インスタグラム▶http://instagram.com/qawo.co/

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  • 5分で読める”流す”銭湯サウナ小説

    あまりに銭湯とサウナが好きで書いた小説です。一話5分で読めます。”何かを流したい女性”を主人公にしました。独立した短編なのでどのお話からでも読めます。施設は実在しますが、この物語はフィクションで実在の人物(特にお客さま)とは全く関係ありません。雰囲気や施設情報も書いてますのでこれから行こうと思われる方、何度も行ってる方、沢山の方に読んで頂けたら嬉しいです♨️ ※コロナ禍前に書いたものです

最近の記事

奏でる銭湯、妙法湯(豊島区)の話

**************** タイトル:『サウナの鍵貸します』 わたし(20) 大学三年生(練馬区)通学の場合 * 「目で表現できないのかよ?!」  卒業生の演出家の怒声。今にも稽古場の小さな区民館の鏡をバリっと割りそうになるのが怖い。幕が開く公演初日まであと数日。普段の公演前だって神経質になるのに“この状況下”だと誰だって“これから”が不安。 「10分休憩です!」    同い年の演出助手の子の声が響く。“南長崎大通り”と書かれた台本を持って“野間”役の私は、

    • 空が広い銭湯、宮城湯(品川区)の話

      **************** タイトル:『こだわりの空気』 わたし(29) 会社員IT関連(渋谷)勤務の場合 *  私にはこだわりがある。  四週に一度の美容院でトリートメント、三週間に一度のまつエクとネイルのメンテナンス、それから、二週間に一度のここ。好きなものは、好きだから仕方ない。可愛いものは可愛い。可愛くなれるなら可愛くなりたい。 『銭湯、教えてくれてありがとう』  休憩中にデスクで友人から来たLINEを眺めていると、何度見返しても頬が緩む。自分が好

      • 旅する銭湯、はすぬま温泉(大田区)の話

        **************** タイトル:『好き、という事』 わたし(28) フリーランスデザイナーの場合 * 「“はすぬま”?」 「蒲田の隣」 「私はこの後渋谷の方に行くけど、東京の銭湯にも“温泉”あるんだよ」 「銭湯かぁ…」 「気分転換してきなよ」 「でも銭湯って、何持って行けばいいの?」  私は夕方から日課の“銭湯”にいくという友人を呼びだして、ひたすら愚痴っていた。彼女の小さなバッグは、今から湯に浸かる持ち物が入っているようには見えない。彼女は、私の目を見

        • 色気のある銭湯、改良湯(渋谷区)の話

          **************** タイトル:『はじめの一歩』 わたし(36) 会社員メーカー(丸の内)勤務の場合 * 「銭湯の入口はここですかね?」 ネクタイピンが光る“きちんとした”スーツ姿に、少し白髪交じりの男性から声をかけられた。しかもなんと手ぶら。スーツケースを抱えた私とは大違い。 ―なんて身軽なんだろう 「この階段はコインランドリーで、銭湯の入口はこの先なんですよ」 「ああ、本当だ。有難うございます。いい湯を」 男性は白い暖簾を発見してさっと姿を消した

        奏でる銭湯、妙法湯(豊島区)の話

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        • 5分で読める”流す”銭湯サウナ小説
          5本

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          薫る銭湯、金春湯(品川区)の話

          **************** タイトル:『ラッキー17』 わたし(25) 会社員メーカー(丸の内)勤務の場合 *  階段を数段のぼると靴箱。鼻から脳を刺激する独特の香り。  これは湯を沸かす機械の香り?沢山の人のシャンプーやボディソープが、隣のコインランドリーみたいにぐるんって混ざった香り?他では感じたことが無い、ここの匂い。私は、つま先の色が少し剥げてきた残念なパンプスの収納先を探す。 ―17番  7番、だと何だか“いかにも”って感じがするし少しくらい、げ

          薫る銭湯、金春湯(品川区)の話