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春の訪れに色とりどりの花を添える! みんなで大量の球根を植えつけました【前編】

 宿根草の苗が植えつけられ、ペレニアルガーデンの第一歩を踏み出した神代植物公園の花壇。今回はさらに、春の彩りを添える球根を植えつけます。盛りだくさんの1日を前編・後編に分けて追います。

参加者の皆さんたちの“晴れ女”&“晴れ男”ぶりが発揮され無事に開催!

 ワークショップも今回で4回目。ところが週間天気予報ではずっと雨の見込みで、予備日に延期か……と開催が危ぶまれていました。しかし、皆さんのふだんの行いのよさから、少しずつ雨のタイミングがずれていき、前日の段階で、朝のうちにやみそうな予報に変化。

「なんとか開催できますように……」そんな願いが天に届いたのか、朝こそしっかり雨が降ったものの、外に出るまでにはあがる予報となって、無事に開催の運びとなりました。

 神代植物公園の入り口部分は、東京パークガーデンアワードの入賞者によるコンテストガーデンの植栽が終わり、雨に濡れてキラキラ輝く植物たちを見ながら、続々と参加者の皆さんが集まってきました。

 まずは、第3回の振り返りからスタートです。

谷村伴子さんによる前回の振り返り。後ろのホワイトボードには盛りだくさんのスケジュール!


 前回は、5つの斑ごとに、前々回(第2回)につくったピンクと黄色、紫ゾーンの2つのデザインをもとに、実際の花壇に苗を配置。全体のバランスをチェックし、ティータイムでリフレッシュしたあと、苗を1つ1つ植えつけていきました。

 植えつけ後に付せんに書き込んでもらったそれぞれの感想も1枚の表にまとめられ、「みんなで植えると楽しい」「春が楽しみ」「成長を見守りたい」など、参加者の人たちの思いが紹介されました。

各テーブルにクリスマスリースをつくってお出迎え。


春植えの花壇デザインに向けた、植物選びのワーク

 続いて、3月に植える花壇のデザインワークです。

 芝生側の花壇には前回、宿根草の苗が植栽され、今回は球根を植えつけます。しかし、ペレニアルガーデンとしてリニューアルされるエリアはまだまだ広く、ワークショップの最終回を迎える3月に再び苗の植えつけがあります。そのための花壇デザインが必要です。

花壇デザインをみんなでつくるため、紙とふせんを使ったワークで思いをアウトプットしていきます。前方のホワイトボードには、エキナセアやルドベキア、アスチルベなど、夏を彩る宿根草の写真が掲げられ、班ごとにはA3の用紙が1枚ずつ配られています。この用紙は、日なた、半日陰、日陰という花壇の条件に対して、前方、中、後方という花壇の奥行きに合わせてどんな植物を選んで配置したらよいのか、書き込むためのもの。

 日当たりの条件は自分たちで決め、それに合わせて植物リストを見ながら、班ごとにどんな植物を使うのか選んで表を埋めていきます。

 ちなみに今回、斑替えをしたので、各班それぞれにメンバーが入れ代わっているのですが、そこは草花とガーデン好きの皆さん。すでに3回のワークショップを経ているので、すぐに打ち解け、ワークが始まる前からガーデン話に花が咲いています。

斑のみんなで花壇の条件と植物を選びます。後ろには花の名前と姿がわかるように写真を掲示。


 さて、植物選びでは、自分たちで選んだ日当たりの条件に当てはまるものを選ぶことに加えて、将来的な成育状況にも気を配る必要があります。例えば、全部同じ高さの植物を選んでしまうと、花壇の奥側に置かれた植物は見えづらくなりますが、手前に草丈の低い植物を植え、奥に向かって高くなるように配置すれば、どの植物もよく見えます。これは大人数の記念撮影などで、前列の人が座ったり前かがみになったりして、後ろに立った人の顔が見えるようにするのと考え方は同じですね。

 植物の日当たりの好みや草丈については、あらかじめリストが配布されているので、それらを見ながら、詳しい植物の特性や姿などはスマホでチェック。それらを参考に、みんなで話し合って選んでいきました。

 植物選びが白熱する頃合いで、ハーブティーとお菓子タイム。ハイビスカスやローズヒップなどが入った“ハッピーセレブレーション”と甘いお菓子で、心も体もほぐれます。

 何とか時間内にシートを書き込んで、みんなでニッコリ1枚。
 今日は盛りだくさんなので、すぐに次のテーマへ向かいます。


ハーブティーで一息つきながら、植物リストとスマホを駆使して、みんなでシートを埋めていきます。


みんなでつくった花壇の植物シートをもってニッコリ1枚!


JINDAIペレニアルガーデンの未来の姿を決める“夢マップ”づくり

 植物選びや配置・デザインなどの知識と、実際の植えつけで必要な技術など、参加者の皆さんにはワークショップを通じて体験していただくことがたくさんあります。しかし、それ以上に大切なのが「みんなで考え、みんなでつくり、みんなで楽しむ」というコミュニティガーデンに通ずる世界観です。これがあってこそ、これから完成するペレニアルガーデンが“みんなに愛され”、“地域にしみ出していく”ものになります。

 その核となるのが、みんなの夢を盛り込み1枚のイラストにまとめた夢マップです。

 夢マップは第2回のワークショップでも紹介がありましたが、今回はいよいよこのメンバーによる夢マップを完成させるために必要な「夢」を、班ごとのワークでまとめていきます。

 木村智子さんからワークで使う用紙と、夢のとりまとめ方の紹介があったあと、実際に班ごとに作成スタート。第2回で行った6つの視点(自分の目線、子どもの目線、高校生の目線、家族連れの目線、高齢者の目線、障害者の目線)の全員分のリストを見ながら、斑のなかで1人1人思いを語り、それを1枚にまとめ上げました。全部で30分ほどのワークでしたが、5つの斑の発表はどれも熱のこもったもので、ペレニアルガーデンの未来の姿がありありと見えるようで、とても夢にあふれた時間でした。このシートをもとに、イラストレーターの五嶋ガレット直美さんに下絵をまとめていただきます。2月のワークショップでお見せできるかもしれません。ちなみに、五嶋さんはワークショップの参加者募集チラシのイラストも描いてくださっています。

五嶋ガレット直美さんのホームページ
https://www.naomigarden.com

各班、いろいろな夢が飛び出しました。1枚にまとめたらどんな夢マップになるのか楽しみです!

後編へ続きます!

●写真・文責:小林渡(AISA)


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