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仮面浪人・再受験交流会:インタビューサークル、サークルインタビューvol.14

人物研究会が行なっているサークルインタビュー。記念すべき再開後一回目の今回は仮面浪人・再受験交流会さんにインタビューをしてきました。2007 年設立のこのサークル、一体どのような活動をしているのでしょうか。

仮面浪人・再受験交流会 代表 松尾さん
              幹事 中村さん、佐藤さん

※松尾さんは現在社会人の方で、中村さんと佐藤さんは仮面浪人を経験した大学生の方です。
取材〇人物研究会(藤田・楠城)
構成〇人物研究会(藤田)


『対面で話すことが大事』

ーこのサークルを設立した当初のことについて教えてください。
松尾 当時は SNS もなかったので、マイルストーンでサークルの宣伝をしていました。当初は10名ほどの会員がいました。
ーどのような大学からの参加者がいるのですか?
松尾 早稲田が一番多く、GMARCH からの参加者も多いです。社会人の再受験生も参加しています。早稲田生が多いので、東京大学志望者が一番多く、ここ10年間で20名ほどの合格者がいます。
ー新歓活動の様子について教えてください。
松尾 入会説明会や OB・OG のお話を聞いてもらいました。新歓には31人が参加しました。
ーOB・OG の方との交流もあるのですね。
松尾 そうですね。社会人の OB・OG との交流会も行なっております。
ーサークルの活動は親睦会を主にやっているとのことですが、それ以外には何かやっていますか?
松尾 過去に小論文のゼミを行ったことがあります。現在は予備校講師の方などによる講演会も行なっています。
ー受験生のメンタルケアを行うときに意識していることはありますか?
松尾 オンラインよりも対面で話すことが大事だと思っています。また、人の心に近づきすぎないことも大事だと思います。
中村 受験と全然関係ないような会話をしてリラックスしてもらうように心がけています。
ー中村さんと佐藤さんは、このサークルでの思い出などありますか?
中村 自分と同じ境遇の先輩がいてとても励みになりました。
佐藤 このサークルで仲良くなった友達と現在も仲良くできているので入って良かったと思っています。

『決して外すことのなかった仮面』

ー皆さんが仮面浪人を決心したきっかけはなんですか?
松尾 もともと絶対に東大に行こうと思っていたのですが、親が浪人を許してくれなかったので仮面浪人をしました。
中村 現役時に慶應を蹴って浪人したので、後に引けなくなりました(笑)
佐藤 研究がしたかった私と周りの学生とのモチベーションの差を感じて、より良い環境を求めて仮面浪人をしました。
ー仮面浪人のメリット・デメリットについて教えてください。
中村 落ちても大学生で、いつでもやめられることがメリットだと思います。また、ネイティブの先生による英語の授業を受けられたのでリスニングに慣れることもできました。デメリットはお金がかかることですね。
佐藤 仮面浪人先の大学での勉強を通して頭の使い方が大きく変わり、模試の成績が上昇しました。しかし、友達ができず、本当に受かるのかも分からなくて精神的に辛かったです。
松尾 私はできるなら純粋に浪人をしたほうがいいと思っていますが、仮面浪人はご家庭に浪人を許可されていない方がもう一度大学受験に挑戦するための手段になると思います。ただ、仮面浪人をしていると大学に行きたくなくなってしまい、最悪の場合は留年や中退をしてしまうことがあります。
ー大学での勉強が受験に役立つこともあるのですね。精神的に辛かったとのことですが、実際に仮面浪人をやめようと思ったことはありましたか?
中村 やめようと思ったことはありませんが、志望校に対する不安はありました。
佐藤 私もやめようと思ったことは1秒もありませんでした(笑)
ーお二人ともメンタルがお強いですね…大学の授業と受験勉強の両立はできていましたか?
佐藤 共通テストと大学の試験期間が被って何単位か落としてしまいましたが、午前中から授業に出るようにして生活リズムを整えていました。

今年4月に行われた入会説明会の様子。多くの人が参加しているのが分かる。


『自分と向き合う』

ー今後の活動はどのようなことを予定していますか?
松尾 食事会がメインですが、仮面成功者による講演会を増やしていこうと思います。
ー経験者の皆さんから、現在仮面浪人をしている人へのメッセージをお願いします。
中村 今の大学に馴染んで仮面浪人をやめることは、書類上は仮面失敗かもしれませんが、全然悪いことではありません。今は大学に集中してみるのがいいと思います。
佐藤 燃え尽きてしまったら元も子もないので、勉強を楽しんでほしいです。私は勉強を楽しんだから受かったと思っています。
松尾 気持ちが固まるまでは自分と向き合うのが大事です。それでも割り切れない人が全力で頑張ってほしいです。「置かれた場所で咲きなさい」という意見もありますが、今の環境で咲けない人が環境を変えることで咲くことができる場合もあると思います。
ー最後に皆さんの座右の銘を教えてください。
松尾 “情けは人のためならず”です。「こんなことをやってもお金にならない」と言われることがありますが、私は仮面成功者の喜びの声が聞けるのでこのような活動をしています。
中村  “受かるまで受けよう”ですね(笑)実力があるのに落ちて行きたくない大学に行ってしまったら一生後悔すると思います。
佐藤 “When life gives you lemons, make lemonade.”ですね。実際私は仮面先を活かして現在の大学に合格したので、この言葉はとても仮面浪人に合っていると思っています。
ーありがとうございました。

※When life gives you lemons, make lemonade.
ー人生において辛いことが起きても、良いものに変えよう、という意味。【when life gives you lemons, make lemonade】 その意味とは? Denzel Curryのワンバース - YTblog


取材:2022年5月5日
対面取材

人研編集後記

仮面浪人という稀有な経験をした方から貴重なお話をお聴きすることができた。「大半の人が夏に断念する」と言われる仮面浪人を成功させられたのは、彼らの強い信念と、交流会での支え合いがあったからなのだろう。(藤田)

☆仮面浪人・再受験交流会☆

公式HP:大学受験 | 仮面浪人・再受験交流会 | 東京都 (kamenronin.net)
Twitter:(1) 仮面浪人・再受験交流会【公式】 (@kamennofficial) / Twitter

★人物研究会★

「会いたい人に会いに行こう」をモットーとする1965年創立のインタビューサークル。早稲田祭などでは講演会の企画運営も行う。田中角栄公認現場叩き上げ。新会員募集中。

公式HP:人物研究会 - 早稲田大学 人物研究会 公式サイト (jimdofree.com)
Twitter:(1) 早稲田大学人物研究会 (@jinken_2017) / Twitter