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根源を問う~哲学のススメ

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哲学書のレビュー集です。自身、専門家ではないので、比較的読みやすい本の紹介や、読みにくいものであっても非専門家の言葉で噛み砕いていきます
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#私のイチオシ

"知を愛する"その仕方~プラトン『国家〈下〉』

上下巻通して1,000pぐらいのボリューム感で、通読に数週間かかったけれど、やっと読み終わった。 ↑のレビューでも触れたが、本書全体としては、哲人統治者の育成の仕方を丁寧に説きながら、正義という概念がどういうものかを語る本である。 上巻で荘厳と建設され語られた国家のあり方、それを通して見る正義のあり方。それらについて、今度はイデア論を軸としながら更にもう1周ずつ切り込むことで、国家と人間個人との対応関係が明確になり、個人における正義・善の様相が立体的に浮かび上がるような、