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入院7日目

今日で入院してから丁度一週間。朝は曇っているがこれから晴れるらしい。体温は37.1度、まだ少しあるが体感としても通常と変わりはない。今日から何となくスケジュール決めて1日でも早い退院を目指すことにする。

06時00分:起床、デイルームまで散歩
07時00分:体温計測、洗顔など
07時30分:朝食
08時00分:トイレ、シャワー、オムツ換え
08時30分:デイルームまで散歩、ブログ執筆、骨盤底筋体操など
09時30分:業務(メールチェック程度)
11時00分:デイルームまで散歩

午後は余り細かく決めず、業務があれば対応、なければまあ、と緩めにしておこう。

朝食はパンに変更したら日替わりでジャムの小袋が付いてくる。中学から弁当だったので小学校以来。普段ジャムをほとんど口にしないが白い牛乳のお供にとロールパンに塗りつけて口にすると何だか懐かしい味がした。

スケジュールに従って仕事の準備をしていたら若手の泌尿器科の先生たちが4人来室され、「管抜きます」との事。若い先生が先輩の指導の下、するすると管を引いていく。最後の部分は慎重になるため引き攣られるような痛みが10秒ほどあり終了。明日からは全身シャワーも浴びる事が可能となる。

月曜日午前中の病棟は医師の回診、新規入院患者の受け入れ、シーツの交換など忙しく、隣室の老人の呼び出しも頻度が少ないのだった。
久しぶりにPCを開いてメールをチェックしてレンタル商品の発注を終える。特に急ぎの要件もなく合計2時間程度で業務終了。

昼食後に家人が洗濯物を交換に来院。面会禁止だけど院内のドトールでも、と考えていたが一階で立ち話して終える事にした。


午後の体温計測は37.5度、なかなか微熱が下がらない。執刀医のG先生が16:30過ぎ回診に来る。明後日膀胱撮影して問題なければカテーテルを抜いて、金曜日か週末に退院という事でした。週末は自宅で過ごせるように精進(?)します。

微熱のせいか16時過ぎまで1時間ほど微睡む。家人が持ってきてくれた「NHK100分de名著 萩尾望都」を読む。小谷真理氏による『トーマの心臓』論に感銘を受ける。支配と被支配、現実世界における性暴力被害者が抱える罪の意識と贖罪と死を少年たちの純愛に仮託して描くこの作品を何度となく読み込み、考察した文章。
退院したら『トーマの心臓』を再読しよう。

夜、隣室の老人はナースコールを切られ「お願い」と叫び続ける。しかしその内容はナースコールを鳴らせ、というもの。三年前に亡くなった義父も入院時はこうだったのでは、と考える。今はコロナ禍で仕方ない部分があるものの施設入所前、医療機関に家族の義務の一部を押し付けたのはかつての自分たちの姿ではなかったろうか。老いる事がますます難しくなっていく現実に子のない自分は改めて打ちのめされる。


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