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入院10日目

カテーテルを外したおかげか、夜間の巡回がなかったおかげか昨夜は、入院以来最も深く眠ることが出来たように思う。6時少し前に起床、尿漏れパッドを確認するが湿っておらず、軽い尿意がある。計量カップに尿を取り、日誌につける。やはり尿漏れがない、という事はこの半年間まだがんが確定する前から散歩で信号待ちする度にやっていた骨盤底筋体操のおかげなのだと思う。看護師さんにも誉められるので何だか嬉しくなってくる(単純)。

売店でカミソリを買おうとしたら扱っていないとの事。その足でヘアサロンでひげ剃りの予約をする。
昼食後には、病院のアプローチを2周。雨上がりの空を見上げると、真夏のような入道雲とたまに冷気を運んでくる黒雲が混雑するいかにも梅雨の様相だった。

16時に1階のヘアサロンへ。ものすごく丁寧にひげをあたってもらう。当たり前なのだが病院には、患者として効率的に治療される目的で入院しており、その中には個性や人格などの要素が入り込む余地はない。しかし、ヘアサロンでは身だしなみや見た目も含めての社会的存在として扱われる。その事がこんなにも心地よく、また癒やされるとは思っていませんでした。自分の前にひげを剃っていたご老人が何度もお礼を述べて戻っていったのも同じような理由ではないだろうか、などと考えつつ病室へ戻る。

会社のメールをチェックすると職域接種の案内が送られていた。モデルナ製で7月15日と8月中旬にオフィスで接種。自治体のスケジュールとほぼ同じ。悪性腫瘍治療中は既往症有りになるはずなので、明日先生に聞いてみよう。

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