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入院8日目

午前5時にもかかわらずカーテンの隙間から入り込んで来る日差しは、真夏のそれでやけに眩しく感じられる。
昨夜嫌な夢を見たせいか眠りが浅い。体温は37.1度、微熱が続く。

昨日立てたスケジュールを早速変更、朝食前にシャワーを浴びる。洗髪も洗顔もやはりシャワーで流すのは気持ちいい、と実感。
8時過ぎにG先生が回診、明日の撮影は手術前の8時頃看護師さんから呼び出しがあるとの事。また8時30分には師長さんから部屋を変わって欲しいとの依頼があった。ナースステーションの近くが必要な患者さんが入院されるそうです。口腔クリーニングの後、3つエレベーターに近い部屋へ。部屋のレイアウトが逆になり、これだけで随分と気分が変わる。何よりも前の部屋はナースステーションが近いせいか、それなりに凄絶な治療の痕跡が天井や壁紙に残されていたのだが新しい部屋はまだきれいなものでした。

消毒の次亜塩素酸が臭うため窓を開ける。ほんの15センチ程の隙間から入ってくる風が心地よい。昼を済ませたら玄関まで出てみようと考える。

角田光代「八日目の蝉」二度目の読了。作者は大学のひとつ上の先輩になるが、一学年300人もいるマンモス大学文学部のキャンパスですれ違った事くらいはあるのだろうか。

明日は朝8時頃尿管カテーテルを抜いて後は退院を待つばかり。しかしオムツはしばらくは手放す事は出来ず、何ヶ月か情けない思いをするのだろう。

病院の玄関先で日光浴を二回、5000歩近く歩いた夜の心地よい入眠に期待してライトを消す。

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