難しいマーケティングの本を読む前にこの本を読んでおこう。「僕らはSNSでモノを買う」
私が採用向けのオウンドメディア(以降、採用オウンド)の編集長をしていたとき、「採用コストを引き下げることがバリュー」と自分で自分にプレッシャーをかけていました。
しかし、プレッシャーはかかるものの、解決策がわからず紋々とする日々。
とりあえずマーケティングや採用手法の書籍を10冊ほど読んでみても、内容が難しく(初心者むけの内容なのに!)何も得ることができず、睡眠導入剤としての活用方法しか見出すことができない始末。
思いつきで外部向けの無料セミナーを開催してみたり(セミナーに来てくれた人をヘッドハンティングする計画であったが、そもそも参加者があつまらない)、有料広告だしてみたり、面白そうな採用関連の記事を作ってみたり。。。
いろいろやってみるも、どれも無残な結果に終わったわけです。
「もう、解決さくは無いのかな。。。」とあきらめかけていた時に、偶然出会った一冊の本。その本が私(と担当していたオウンドメディア)の運命をかえてくれました。
今回は、私の命の恩人(?)ともいえる「僕らはSNSでモノを買う」をご紹介いたします。
どんな本?
タイトルの通り、「SNSを通じたコミュニケーションが購買行動につながるよ」という内容で、今まで主流だった意思決定の流れが、SNSの台頭によりがらっと変わったよ。だからもっとSNSを活用するようにしないとイケないよ。というものです。
SNSって大事なの?
私も採用オウンドを設計する際に、SNSの活用は考えましたが下記の理由から注力すべきではないと判断しました。(コレが最大の敗因なのですが)
1)SNSのつながりは弱いと思ったから
2)利用者が世界中にいるため、東京在住のユーザーにポイントを絞れないと思ったから
3)広告の方が影響力が高いと思ったから
今思えば、1~3の考えは私の個人的主観でしかなく、古臭い固定概念によるステレオタイプなものでした。
結論をいうと、1~3の思い込みはすべて不正解で、どれもSNSを意識的に活用することで、解消できたのです。
【 1)SNSのつながりは弱いと思ったから 】については、まったくの逆で、SNS上でのつながりは非常に強いものとわかりました。
そもそも、私はSNSのヘビーユーザーではなく、「気が向いたらログインして内容を確認してみる」程度の利用頻度でした。そのようなライトユーザーであるにもかかわらず、「SNSってリアルに面識のある人が集まるものではなく、バーチャルな世界でユルくつながっているだけだから、たいした結束力も影響力もない」と勝手に決めつけていたのです。
しかし、本当のところは全くの逆で、面識がある人のコミュニティ以上に影響力があることがわかりました。もし、私と同じようにSNSの影響力を甘く見ている方がいれば、それは結構ヤバいので、注意してください。
【 2)利用者が世界中にいるため、東京在住のユーザーにポイントを絞れないと思ったから 】についても、まったくの見当違いをしていました。
SNS上に存在する人間関係というのは、リアルなものと違い物理的な距離というのは関係なく、いつでもどこでも国境や文化の違いを超えてつながることができます。
当時私は、「東京にある会社で、そこに勤務してくれる人を探しているんだから、東京在住(もしくは近辺)の人に情報発信すればよい。それ以外であれば、無駄じゃないか」と思い込み、地理的に通勤可能なエリアにしぼった広告を展開したのです。
しかし、SNSでの人間関係というのは、リアルな世界とさほど遠くなく、生活圏内も近くなるという傾向があるのです。
例えば、東京在住のエンジニアがSNS上で知り合うひとは、東京在住のエンジニアが多く、アメリカ在住の花屋さんとはつながることはありません。(意図的に探せばいくらでもつながることは出来ますが。)
私は、東京に住んでいるエンジニアを採用したかったので、それに当てはまる人にたいして、採用オウンドの存在と企業活動をしってもらう必要がありました。
「SNSでは、自分の属性に近い人と繋がりがち」という特性に気付き、SNS上でターゲットに近そうなユーザーのプロフィールや過去の投稿をチェックし少しでも当てはまるようであれば、積極的に友達申請を送っていったのです。
結果的にそれらのタネまき行動は功を奏し、採用オウンドのPV数や拡散として結果がでるようになったのです。
【 3)広告の方が影響力が高いと思ったから 】についても、まったくの勘違い。というか真逆でした。
広告の影響力が全くない。とは言いませんが、ひと昔と比べると明らかに費用対効果は薄れたように感じます。
というのも、ここ10年でネット上のデータが数倍に膨れ上がり、情報過多状態になってしまったからです。必然的に人の脳に入ってくる情報も増え、脳内で自動的な情報の取捨選択が行われるようになりました。
広告など一般向けに発せられる情報は人の記憶には残りづらくなる一方、SNS上で自分と同じような境遇やシンパシーを感じる人の発信には根拠のない信頼性が発生し、それらユーザー発信の情報に価値が生まれるようになったのです。
SNSよりも広告の方が影響がある。なんていうのは間違いで、正確には「広告の価値が下がり、SNSでの個人発信の信頼性があがった」となります。
まとめ
私はSNSや現在のユーザー消費行動、意思決定スキームが完全に抜けた状態で採用オウンドを企画し運営していました。
その結果、スタート直後から大ゴケし、大きく出遅れることになったのです。
もし、オウンドメディアのスタート時期でメディアの方向性や行動計画を立てているときにこの本に出合っていれば、もっと短い時間とコストで目標が達成できていたかもしれません。
採用オウンドの編集長という視点で内容を説明しましたが、このSNSを活用する。という考え方(戦略)は現代にいきる企業・ビジネスマンにとっては必須の戦略だとおもいますので、どなたにとってもおすすめできる内容となっております。
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