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【無料note】(文献レビュー10)ナンパのトーク力に悩んだら「おもしろい伝え方の公式」を学んでみよう

はじめに

ナンパにおいて、ターゲットとの会話を盛り上げるトーク力は非常に重要である。自分の魅力をうまく相手に伝えるには、トーク力が必須だ。その際、おもしろい会話(ユーモアに富んだ会話)が強力な武器となる。

おもしろい会話は、コミュニケーションを楽しくし、相手の警戒心を下げ、プレーヤーの要求を通しやすくする。何よりも、一緒にいて楽しいと思わせることは、プレーヤーの価値の証明に役立つ。自分の価値をストレートに相手に伝えるのは押し付けがましいが、ユーモアを絡めて伝えることで、そうした押し付けがましさがなくなる。

おもしろい会話を展開する能力を鍛えたいと思った時に、簡単な方法は無いのだろうか?おもしろさにはセンスが必要なのだろうか?といった疑問が湧く。私(ジン)も、ストやアポでの会話ではおもしろさを出そうと工夫するが、いつもそれができる訳ではないし、会話の「ネタ」作りのテクニックが欲しいと思って、良い本がないか探してみた。ターゲットを口説く上で、相手を楽しませ、感情的に揺さぶるストーリーテリングの技術も欲しいと思っていた。

そうして見つけた本が、本書「初対面でも話しがはずむ おもしろい伝え方の公式」である。本書はナンパに使えるトーク力を改善したいというニーズに答える内容を含んでいると思う。分量はさほど多くない本なので、手軽に、短時間で読み通せるのも本書の魅力だ。

文献情報

タイトル: 初対面でも話しがはずむ おもしろい伝え方の公式
著者: 石田章洋

著者

※「石田章洋オフィシャルサイト」のHPからの抜粋(一部省略)。

1963年岡山県生まれ。構成作家。日本脚本家連盟員・日本放送協会会員。テレビ朝日アスク放送作家教室講師
市川森一藤本義一記念東京作家大学講師。

25年にわたり各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、あらゆるジャンルのテレビ番組の企画・構成を担当。最近の主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」「TVチャンピオン(テレビ東京)」など。

ナンパ師の視点からみた気づき

(たったひとつの笑いの原理 緊張の緩和)

何らかの技術を習得する時に、覚えるべき原理は少なければ少ないほど良い。覚えるべき原理がひとつだったら習得プロセスはどんなに楽だろうか。幸い、本書では、おもしろい伝え方の技術を習得するための笑いの原理を、たった1つにまとめてくれている。原理は1つだが、威力は強力で、応用可能性も高い。

笑いのたった一つの原理とは、緊張の緩和だ。緊張の緩和とはどいうものだろうか?本書では、緊(キン)張と緩(カン)和にちなんで、キンカンの法則と呼んでいる。

緊張の緩和は、言葉自体でもある程度イメージできると思うが、具体例を用いれば直感的に理解できる。本書では、例えば、「葬式のおなら」は最高におかしい緊張の緩和の代表例として紹介されている。TVプログラムで言えば、ダウンタウンの「笑ってはいけないシリーズ」が緊張の緩和を応用している。このほか、居酒屋で上司の悪口を言うのも、下ネタを話すのも、漫才のボケとツッコミも、背景に緊張と緩和の原理が働いているという説明だ。

緊張の緩和とは、要すれば、緊張させる状況がパッと和むこと(葬式のおなら)、ある種タブーを破ること(厳しい状態から弛緩すること、上司の悪口や下ネタ)、非日常を日常に修正することあるいは間違いを正して安心すること(ボケとツッコミ)などによるおもしろさをさしている。

これらがおもしろいと感じるのは、緊張が緩和すると、まずそれ自体で安堵感が得られるためである。また、頭の中に発生する疑問が解決する(典型的にはボケとツッコミ)ことによる安堵感もある。そうした安堵感がベースとなって、会話や状況が心地の良いもの、おもしろいものになる。緊張の緩和の原理の応用には、幾つかの代表的なパターンがある。

倒置法(最初に少しサプライズ要素のある言葉を述べてから、その背景や説明を後で加える)

自慢→自虐(自慢話を自虐ネタでオチを持たせる)

思い込み(予想)→裏切り(ある方向の展開を予想させておいて、それを裏切る)

謎→解決(疑問を生じさせて、答えを与える)

権威→失墜(権威あるものをいじって堕とす)

例えば、倒置法なら、「友達と服が被ってしまってショックだった。」と言わずに、「ショックだった。・・・友達と服が被って。」と言う方がおもしろい。

自慢→自虐なら、新車を買った話をすれば、相手はいいね、羨ましいと返すだろう。それだけなら自慢話(=つまらない話)で終わるが、「新車のローンきついから、毎月がんばって仕事しなきゃ。」と自虐ネタで締めれば、場が和む。

思い込み→裏切りは、居酒屋の注文で、オススメはなんですか?と聞き、「鶏のからあげです」との答えを得たあとで「じゃあ、ハンバーグで」と予想を裏切る注文をする(店員さんには少し申し訳ないが、おもしろいのは事実)。

謎→解決は、「さっき駅前ですごい出来事を見ちゃった。聞きたい?」とか。権威→失墜は、例えば、偉い人をクンづけで呼ぶとか。ウザい佐藤部長の話を聞くときに、「どう、最近の佐藤クンは引き続きウザいのかな?」と聞いてみるとか。

本書には上記以外にもパターンが紹介されている。ナンパのトークを考える際も、緊張と緩和の原理を意識すれば、おもしろくする工夫をしてみよう。

(おもしろい人は「空気」を読む)

本書では、おもしろい人は「空気」を読める人であると説明している。空気を読む能力とは、会話の流れにおいて、誰が、何のために、どこに向かっているのかを理解する能力である。

例えば、トークの相手が、最近あった出来事で、少し落ち込んだ話をするときは、残念な気持ちを共有してもらいたい、場合によっては慰めてもらいたいという気持ちがあって会話を進めていることがある。そいういう時は、いくらおもしろいギャグを思いついても、相手をディスってさらに落ち込ませる会話などはしてはいけない。特に、相手が大切にしている価値観、センシティブな内容に関する話題などは、茶化してはいけない。

一方で、前向きな楽しい話題は、さらにそのテンションを上げるような会話を挟んでいけば良い。

おもしろい人は、会話をおもしろくするテクニックを理解しているだけではなく、そのテクニックを使うタイミングもよく理解している人である。

(おもしろい人は、日頃からネタを集めている)

本書によれば、(落語家の)笑福亭鶴瓶師匠は、日々、おもしろいネタを観察し、今日はこんなにおもしろいことがあったといった出来事を、毎日ノートに記入しているそうだ。ある年のおもしろい出来事リストは、1年間で500個も超えたとのこと。そうしたネタのリストがあれば、どんな状況でも、「そういえばXXで思い出したけど、こないだこんなおもしろい出来事があった」とおもしろいトークができる気がする。

ナンパ師にとって、鉄板ネタ、あるいは、ルーティンの会話集を準備しておくことは、効率的に成果を出すために有益だ。ナンパ師は、お笑い芸人ではないからおもしろいネタだけを集める必要はなく、より大事なのは自分の魅力をおもしろく語る(=自慢にならないように間接的に自分の魅力を伝える)トークネタを用意しておくことだ。

私(ジン)の場合、スト・アポの会話でよく聞かれる、よく話す話題、例えば、仕事内容、海外旅行、過去の恋愛の思い出などについて、トークネタを用意している。各トークネタは、ストーリー全体の骨子を書いたもので、骨子は数分以内に話し終える短いもので十分だ(実際の会話で膨らませようと思えばいくらでも膨らませられる)。これらのトークネタは、スマホに保存し、適宜、更新、ブラッシュアップしている。

ちなみに、トークネタは、それぞれひとつのストーリーになっているが、実際の会話では、それを一字一句再現するわけではない(そうすると棒読み原稿のようなつまらない会話になる)。

本書を呼んで、トークネタを、緊張の緩和の原理が効くように、ストーリー構成を見直した。確かに、緊張と緩和を意識したストーリー展開にするだけで、話がおもしろくなる気がする。

ナンパ師もお笑い芸人のようにとまではいわないが、日頃から使えるトークのリストを作ることは真似したほうが良さそうだ。

(付録)本書の目次

※出版社(JMAM)のHPからの抜粋。

はじめに おもしろさにセンスはいらない!
第1章 なぜ、あなたの話は「おもしろくない」のか?
 ・ハイ・テンションで自分も周りも疲れてしまう!
 ・ウケを狙いすぎてハズしてしまう
 ・ウケたいがあまりデリカシーに欠ける
 ・「自分をかっこよく見せたい」と思っている
 ・「おもしろい話=笑わせること」だと考えている など
第2章 おもしろい人は空気を読む
 ・おもしろい人は、必ず空気を読んでいる
 ・そもそも、空気を読むってどういうこと?
 ・空気が読めれば、コントロールすることもできる! など
第3章 今日から使えるたったひとつの”笑いの原理”
 ・そもそも、人はなぜ笑うのか?
 ・なぜ、「葬式のおなら」はおもしろいのか?
 ・小池百合子氏の倒置法
 ・落差が笑いを生む
 ・リアクションしづらい時は、いったん乗ってみる など
第4章 今より2倍おもしろくなる「伝える技術」
 ・映像化すれば、同じネタでも2倍おもしろくなる
 ・伝え方に臨場感が生まれる「オノマトペ」の魔法
 ・映像は、多少デフォルメするからおもしろい! など
第5章 シチュエーション別 おもしろい伝え方
 ・おもしろい「雑談」は落語のマクラに学べ!
 ・おもしろい「SNS」はあげてオトす!
 ・おもしろい「スピーチ」はウケを狙わない!
 ・おもしろい「自己紹介」はギャップがある!
 ・おもしろい「プレゼン」はテレビショッピングに学べ! など
第6章 今よりもっとおもしろくなる! おもしろい人の習慣
 ・おもしろい人は、日ごろからネタを集めている
 ・おもしろい人は、想像力を鍛えている
 ・おもしろい人は、「知識」をたくわえる
 ・おもしろい人は、「客観力」を鍛える など

終わりに

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