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「期待値は低めでいい」仏教いわく、生きるってそもそもたいへんですよってお話。

昨日、三浦春馬さんが亡くなったという衝撃的なニュースが流れてきました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

自死の理由なんて本人にしかわからないと思いますし、もしかしたら当の本人でさえうまく言語化することはできないかもしれません。

また、友人でも知り合いでもないボクが、そこに言及するのは野暮だと思うので、三浦春馬さんの話題はここで終わりにします。

今回は「生きる」ということについて少し考えてみたいなと思い、筆をとりました。


たぶん、「なんとなく」死を選んでしまう

少しデータが古いですが、厚生労働省HPによると、2012年時点、全世界の自死者の数はなんと「年間80万人近く」にもなるそう。

これは「40秒に1人」の割合で自死している、と表現することもできます。

とはいえ、この数字だけ見るとあまりピンとこないですね。。

もっと身近なところで表現すると500人規模の会社に勤めている場合、5時間半後には、全員死んでいることになります。(想像するのも怖い)

それだけ多くの方々が「自死」という選択をしているわけですが、冒頭でお伝えした通り、その理由はきっと様々でしょう。

当の本人たちでさえ、はっきりとした理由はわからないまま「自死」を選んでしまうケースは割と多い気がしています。

実際、「未遂」で終わった人の話を聞くと、「未遂で終わってよかった」という話が多いみたいです。

つまり、人は「なんとなく」で「死」を選んでしまうといえちゃうのですが、ひとつ言えるのは、ポジティブな感情で「死」を選ぶ人はほとんどいないってこと。

きっと、「苦しい」「しんどい」「絶望感」といった、ネガティブな感情に侵されてしまって、思考が追いつかなくなったときに、「死」を選んでしまいがちだと思うのですね。


「生」への期待値は低めの方が生きやすい

人によって苦しさの尺度は違いますが、基本的に「苦」とは、「理想」と「現実」のギャップから生まれます。

「こうあって欲しい」のに、そうはならないから「苦しみ」を感じるわけです。

で、ボクもそうなんですけど、「苦しみ」を感じやすい人の特徴は「こうあって欲しい」がすごく高いところにある気がしてます・・・

「理想」が高いと、「現実」とのギャップがどうしても大きくなるので、ちょっとのことで苦しくなってしまいやすいのですね。

たとえば、「年収1000万ないとあり得ない!」って人は、年収500万の自分に納得できず、苦しく感じてしまうけど、「年収250万あればいいかな」って人は、同じ年収500万もらえる状況ですごくしあわせになれる、といったイメージです。

「生きやすさ」でいうと「理想」は低い方が良くて、「現実」とのギャップがうまれにくくなるので、ちょっとのことでもしあわせを感じられて、生きやすくなります。

そして、「理想」を適正に低くするのに役立つのが「四苦八苦」という仏教の教えです。


「生きる」ってのは苦しい


Wikipediaによると、四苦八苦とは以下の通り。

* 生苦(Jāti dukkha)[1] - 生まれること。
* 老苦(jarāpi dukha)[1] - 老いていくこと。体力、気力など全てが衰退していき自由が利かなくなる。
* 病苦(byādhipi dukkha)[1] - 様々な病気があり、痛みや苦しみに悩まされる。
* 死苦(maraṇampi dukkha)[1] -死ぬことへの恐怖、その先の不安。
根本的な四つの苦に加え、
* 愛別離苦(あいべつりく、appiyehi dukkha)[1] - 愛する者と別離すること
* 怨憎会苦(おんぞうえく、piyehi dukkha)[1] - 怨み憎んでいる者に会うこと
* 求不得苦(ぐふとくく、yampiccha dukkha)[1] - 求める物が得られないこと
* 五蘊盛苦(ごうんじょうく) - 五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと
の四つの苦を合わせて八苦と呼ぶ。

つまり、「生きる」ってのはそもそもしんどいよってこと。

べつに特別、仏教を信じているわけでもないんですが、書いてあることばはうなずけます。

昔のえらいお坊さんがおっしゃるように、生きていくっていうのはわりとしんどいことなんです、たぶん。

でもネガティブに捉える必要はなくて、これを理解しておけば「現実とのギャップ」に苦しめられることも減るんじゃないかなぁと思っています。

多少しんどいことがあったって、「まぁそもそも人生ってそういうもんだしね」って、いい意味で諦めがつきます。

同じ「生きていく」なら、生きていきやすい方がボクはいいです。

そもそも人生はしんどいものだけど、それでもたまに輝く瞬間や、生きててよかったって思えることって必ずあります。

そして、死ぬときに思い出すのは、そういういい思い出ばかりのはずです、きっと。

人生はしんどい。
でもたまに楽しい。

そんな感じで生きていけるといいですね。

未来は明るい。

#これからサウナです


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