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手ごろな木の実の種類をそのときどきで見つけだしてとりたちはきそってたべるのか


はじめに

 研究パートの職場でもわが家のにわでも、窓の外にはたくさんのとりたちがやってくる。この時季には窓の外に見える木々にとりついて樹皮をなにやらつつくメジロやスズメにつづいて、カラスやムクドリなどが木の実をさがしている。

まっさきにたべられる実があるいっぽうで、冬になり熟れているのにとりのこされるものも。やはりこのみがあるらしい。

きょうはそんなはなし。

職場でも

 ひょんなことから研究開発でまわりの自然に目をむける。なにを標的にしているかはここでは触れられない。なにもヒトがわけいったことのないジャングルの奥地にだけヒントがあるわけではない。みぢかなまどのそとのようすがつねひごろから気になる。

そう、ズボラである。とおくへ出かけなくてももよりのところで研究のシーズを調達できればさいわい。ひとつおもしろいできごとをみつけると、みさかいもなく熱中し、過去の研究論文などをあらいざらいしらべる。そこにいろいろとやり残されたことや、觀察して気づいたことを加味しつつそれらを手がかりにして新たな研究課題としていく。

昨年はその手法でいくつかみつけだし、いまシーズの山盛りの状態。いくつかまわりの学生さんたちをまきこんで研究にいそしんでいる。あてがう予算は底をついているが、くふうでお金をほとんどかけずにやれてとてもおもしろい。ここ数年ぶんはゆうに研究できるぐらい。

ここでは対象にはしていないものを記す。どなたかこれをヒントにされてかまわない。

この文のタイトルのように窓の外には冬を越すのに必死なとりたちがおとずれる。春先に木々が芽をふくまではえさがだんだんとかぎられていく。

とりの食べる実

 木の実をこのむ鳥たちがいる。窓の外をみていて気づくのはカラスとムクドリ。スズメもいる。カキの実などは熟れると数日見ないうちにあっというまに食べつくされる。

前者の2種のとりは、11月ごろから集団でやってきて目のまえのナンキンハゼのすずなりの実をさかんについばんでいる。

カラスの落としたナンキンハゼの枝葉と実:ところどころに白い実がある


何本かならんでいるおなじ実をおそらく充実してひらいてはぜそうになっている木からついばんでいく。そのまま丸のみ。1月になり陽あたりのよくないさいごの木になる実がようやくなくなりそうな状態。

興味があってどんな成分からできているのかしらべた。そとがわの白いぶぶんはかたい。予想どおりみずには溶けない。1か月ぐらいヘキサンで抽出してようやく溶け出す。しらべると「ろう」。むかしはこれをあつめてかたちをととのえてろうそくにしていた。なかにはくろい種子がはいっている。これもふくめてカラスたちは丸のみしている。

外に出てこの実を手にとって観察。触れるとすべすべでなにも手にはついてこないし、かたい。

ナンキンハゼのはぜた実


とりはよく消化できるもんだなあ。ハゼ類の場合にはパルミチン酸のトリグリセリドが主成分。中性脂肪のひとつ。とてもたかいカロリーを得られそう。なるほど冬ごしにからだにためこむには好都合かもしれない。

おわりに

 これからもっとも寒い時期。春先に木々が芽をうごかしはじめるまではとりたちにとって過酷な時期がおとずれる。

ぽつんととりのこされたのはセンダンの実。みどりからきいろに熟れてこちらもすずなり。ところがきいろくなったなあと思いしばらくすると、あっというまにとりたちにとりつかれてなくなっている。あとは枯れ木のごとくになる。

よっぽどおいしくなくてのこされたのか。それともこの状態になるまで温存されたのか。とりたちに聞いてみないとよくわからない。


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