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実生の梅苗が庭から顔をだす


はじめに


 梅の木と実はいずれも有用。冬木の姿は風情があるし、花はうつくしい。果実はいろいろ手をくわえるとおいしくなる。夏の木漏れ日のあいだから涼風を家の中にみちびいてくれる。

そして、ことしの庭にはこぼれ種から芽吹いた梅の幼木がすらりと伸びている。

以前の記事にひきつづきわが家の実生の梅の木たちについて。


発芽しやすい?


 どうやらうちの梅の実は落ちたままにしておくとわりと発芽しやすいらしい。昨年から今年にかけて3本をかぞえた。ふだんから草刈り機をつかって庭の草を刈るが、やはり切ってしまうのは惜しく、目印を横に立ててそのままにしている。

以前の実生のようすからいえるが、2年目以降は生育にいきおいが出てくる。根が伸びるからだろう。根の生長と枝ののび、それには切っても切れない関係がある。たとえば移植する際には根まわしをして根を切る。

すると地上部もそれに合わせて枝葉を刈り込む。そうしないと根と地上部のバランスがとれない。移植後のつきもちがう。ふじゅうぶんな根では吸水できないのに地上部で蒸散ばかりすすんでしまいかねない。

実生の苗は

 そういえば以前のnoteにこうしたためた。発芽した梅の木をつぎつぎと移植して、ようやく20年以上経った最近になり梅を収穫。ほんとに気の長い話。ことしの苗木についておなじことをすればならば収穫は20年後になってしまう。すでに自分の余命を考えればわがことにはならないけれど。

せめてあとにつづく者たちがめいわくしないように、小さく仕立てておこう。

それにしても発芽したての苗は1本だけすくっと伸びるかよわい枝。葉はこじんまりちいさい。葉の形は老木とくらべるとまるっこい。やはり幼木だけにすべてが愛らしい。こんな小さな直径2,3ミリにみたない枝が、いずれもよじのぼれて枝を払うほどになるんだから。

昨年見つかった実生の梅の幼木


枝をすっきり


 記事にした親にあたる木の幹まわりはすでに40センチを超えた。幹の肌は荒れて貫禄がある。

幹まわり40センチを超えた実生の梅

それでも新しい枝がいきおいよくふいてくる。樹勢はおとろえていない。家の電気の引込線にあたらぬように短く刈り込んだ。木によじ登り手あたりしだいノコで短くした。

こうして枝を更新させていく。剪定の練習台にもなるし、切っても惜しくない。すでに梅干し、梅酒ともにこれから先の数年のストックがあるので、しばらく実はつかずともよい。

ふとい枝をよじのぼりのこで切った


おわりに


 ふりかえるとこの幼木たちと老木、いずれもうちの庭から芽吹いた。親木のほうはわが家のにんげんたちのくらしをみつめてきた。

さんざん植えかえて弱らせたり、浅い土壌にしばらく生長がとまったり。そのピンチをきりぬけてきた。わが家の住人も同じ。集中豪雨やがけくずれに見舞われ、何度が危ないめに遭ってきた。

庭に土があるかぎり、この梅の木とは生涯をともにしそう。そして幼木たちへと世代を継いでいく。


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