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なかまうちでの役まわりはメンバーの気づかいのおかげでおのずときまるものか


はじめに

 ながく生きてくるとざまざまな集団のなかですごす。するとそのなかでじぶんのふるまいから、立ち位置というか、どんな役まわりとなるのか、何を期待されているのかおのずとおたがいにわかってくる。そのようすについて。

部活のなかまと

 まだあいまい模糊としていたままの中学より、高校ではなかまとよりふかくつきあう。部活(卓球部)もそう。さほど広くない体育館をバレー、バスケ、体操、バトミントンとわけあってつかうので、いずれの部も男女いっしょに練習した。

練習は準備運動と筋力トレーニングから。その場でそばにいるものどうしで組んで柔軟運動から筋力をつける運動へすすむ。

わたしは男子生徒のなかでは小柄なほうで、女子部員たちとたびたび柔軟体操をしあう。たいてい彼女らと組むと相手のほうが例外なく柔軟性がある。ゆかにひざを伸ばしてすわり、背中をおしてもいくらでも曲げられそう。

こちらも負けじと曲げたり伸ばしたりするうちに、ふしぎなもので柔軟性がついて男子生徒のなかではだんとつに柔らかに。筋力とともに柔軟性がついて以降はかんたんにケガをしにくくなった。これは女子メンバーのおかげ。

この集団で得たことは運動や体力のことだけでない。

集団のなかで

 先輩たちが引退し最上級生になり、部活のメンバーのなかでマネージャーはわたしが自然とひきうけた。それ以前からわたしがいつのまにかひとりの女子部員とでマネージャーの役まわりをかねていた。部員たちはそうしたわたしの性格やようすにいつのまにか合わせて接してくる。

それほど上達せず、試合では貢献できないのはチーム内でわかっていたので、わたしのしごとだと認識できていたし、みんなが自然とわたしの気のつくところを活かしてくれた。

以降は他校との練習試合の交渉やあたらしいユニフォームなどの手配などキャプテンのしごとを代行。

こうした役まわりをひきうけること自体はイヤではなかった。チームのなかでそれぞれのメンバーの性格はちがい、貢献のしかたはそれぞれでいいと思っていた。それをみんながわかってくれていて、この集団のなかではとくにしぜんにふるまえた。

就職の面接で補佐役の立場の経験談として紹介できた。

居場所と役まわりをもらえない

 それにひきかえ、おとなのせかいでも居場所をみつけにくいことがある。3年前まで副業でやさいをつくり売っていた。できたやさいを販売するため店のバックヤードに搬入、店先にならべる。

なんどか通ううちにバックヤード内のごたごたのようすがみえてきた。新参者のわたしに気をきかせて接していただける方と、こちらからあいさつしてもなかなか返事をいただけない方。

これは一面でいたしかたないこと。わたしのようなペースをみだす慣れていない人物がいるとそうかもしれない。すでにごたごたをかかえているとますますその場の雰囲気をわるくしてしまいかねない。

早く慣れないとと思いつつ、いつも緊張しながら搬入。どうもそののちも返事をいただけない状態がつづく。とくに無視される原因がわからないまま
いちども返事していただけない。どうもこのかたがトラブルの中心のよう。

店長とも言いあらそいをしていた。そののち何度か通ううちにやめられたよう。かといってのちにその場がなごんだかというとそうでもない。このバックヤードはなかなかたいへんとみた。

はたらきかけるかどうか

 積極的に新参者がしゃしゃり出てどうこうできるものでないし、そんな入り方はむしろ火に油を注ぎかねない。わたしが原因をつくっているのかなとふと思ったが、どうもそれ以前のことらしい。

慣れてきたのちもおしだまってたんたんと作業するしかない。何度かやつあたりにちかいとばっちりをうけてなんでここにやさいをもちこまないといけないのだろうと、つらいこともあった。

わたし自身が気づけないことはこちらからのコミュニケーション不足もあろうし、なにしろみなさんにたずねるきっかけのないほどいそがしくたちまわっている。おたがいがいごこちよくなるような無言でできる気づかいさりげなくをしてきたつもり。これさえうっとうしいのかな。

これでは改善にむかえないのかもしれない。

よくありがちな…

 こうした経験はどこでもある。めずらしいことではない。なんどもさまざまな場で経験してきた。ぎすぎすした人間関係のまますごすのはだれもが気まずいままでいづらい。なんとかしないといけないのだが、なかなかうちとけて解決するいとぐちがみつかるわけでない。

どちらかが折れるか、この場を去るか。そんな状況をなんどか接してくるとヒトどうしがそばにいるとこうした折り合わない関係を示すことはありがちと捉えるようになった。

そこでのわたしの役まわりはないし、むしろ知らないうちにマイナスにしかねない、居つづけられないと思いはじめたころに昨今の状況となり、このバックヤードにしぜんと立ち寄らなくなった。

おわりに

 チームをくむとおたがいの個性を知り、活かせれば何倍もの力になれる。チームのもつ潜在的な能力は大きい。それをわかっていながらなかなかそうはいかない現実がある。ヒトとはなかなか不可解だし、理不尽。

雰囲気をこわす側にならないようにこころがけようとつねづね思い、行動の規範にしている。

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