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鈴木大地はなぜ2番打者なのか、銀次はなぜ5番打者or代打なのか。

2005年からの楽天イーグルスウォッチャー、ジンと申します。

今回のテーマは「鈴木大地と銀次のそれぞれの強みと役割」についてです。

共にOPS.700そこそこの打撃指標、一塁二塁三塁が中心となるポジションともに似ている鈴木大地選手と銀次選手、楽天ではどのように使い分けられているのか?

すご~くニッチなテーマですが、どうしても書きたいので書いていきます。

右方向への打球が多く、ランナーを進めることに特化している鈴木大地

鈴木大地選手の特徴として、打球がほとんど右方向偏っているという特徴があります。

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出典:nf3 - Baseball Data House

右方向に打つメリットとして一番大きいのは「一塁にランナーがいた場合、ゲッツーシフトを敷かれるとヒットゾーンが大きく広がる」ということにあります。

どういうことかというと

通常、ランナーがいない場合などの相手側の基本守備シフトはセカンドとショートは定位置にいるのが基本です。

しかし、ランナーが一塁にいる場合、ゲッツーシフトと呼ばれる併殺を取ることに特化したシフトに変わります。

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出典

こういったシフトの場合一二塁間が大きく開いていることがおわかり頂けると思います。つまり、「右方向に強く引っ張る左打者ヒットゾーンが広がるだけでなく、エンドラン等で一三塁を作ることも容易になる」タイプだと言え、また銀次に比べるとベースランニングが早い点から2番打者に向いていると言えます。

この映像なんかがわかりやすいんじゃないでしょうか。(4:22~)

打球滞空時間の長いポイントゲッター銀次

銀次選手は鈴木大地選手に比べると真逆で特に打球方向を意識して打っているという感じはありません。むしろ、逆方向の方が多いくらいのバッターだと言えます。

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出典元:nf3 - Baseball Data House

銀次選手の何が強みかと言われると、やはり長打力の割に打点を稼ぐ能力が高いことでしょう。

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銀次選手は最高年間本塁打5本、長打率は通算で.362と単打の割合がかなり多い割に、打点は最高で70打点、レギュラーで出場しているシーズンは50打点近くは普段稼いでおり、イメージに反して打点は稼いでいる方だと言えるでしょう。実際に任される打順も2番よりは5番打者の方が多いです。

私見ですが、これらの因果関係は銀次選手の「打球の滞空時間」にあるのではと私は考えています。

銀次選手はバットにちょこんと乗せて打つ打球が多く、異様に内野と外野の間に落ちる打球が多いです。
銀次選手は走力の関係でそこまで進めませんが、この打球が滞空している間に走力の高いランナーが一斉に帰ってくるシーンは楽天ではよく見かけます。

これらの特徴から「打球方向は意識せずヒットを打つことを狙う意識が高いため、ケースバッティングを求められる2番より5番打者や代打に向いている」と判断されているのだと思います。

まとめ

以上のことをまとめると

・鈴木大地はケースバッティングを強く意識しているプルヒッター
・銀次は独特の打球軌道を持つスプレーヒッター
・鈴木大地は2番打者向き、銀次はポイントゲッター向き

という結論のお話でした。

単純な打撃成績だけでは現れない打順や役割のことを考えるのも、プロ野球の楽しみ方の一つだと言えますね。

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