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「新聞とデジタルメディアの今」(7/4 Takram Radio)を聞いて① #takram813

コンテクストデザイナー渡邉康太郎さんと、日本経済新聞社グローバル事業局兼広報室の財満大介さんと新田あかねさんによる「新聞とデジタルメディアの今」をテーマに語る回が始まった。

<かたLIST>
#1  全体の流れをまとめてみる(theme: 新聞とデジタルメディアの今)
#2  便宜性にも帯びる美 〜JR東海道線とJR横須賀線〜

#1  全体の流れをまとめてみる(新聞とデジタルメディアの今)

全体としては、マスの崩壊に伴い、マスメディアではなくローカル・文化を重視したメディアの隆盛から、メディアのあり方を具体的に学ぶ姿勢がみられる回だった。財満さんがとりあげた「サービスジャーナリズム」(ニューヨーク市立大学大学院教授のジェフ・ジャービス氏提唱。コミュニティに具体的に貢献するジャーナリズムとは何かを考える概念)という考え方は、昨今の一方的な提供ではなく相互的なコミュニティ(繋がり)にフォーカスしたスタイルとして理解できた。

人々のことを『一般大衆』と考えるのをやめて、『個人』や『コミュニティーの一員』として認識し始めると、人々と出会い、話を聞き、学ぶことの大切さを実感し始めます。(ジェフ・ジャービス)https://webronza.asahi.com/business/articles/2019041500010.html

(DMMもオンラインサロンを「学ぶ」から「繋がる」コンセプトへ変えたニュースも最近あったなあ〜)

康太郎さんは、個人にどれだけ寄り添えるか、積極的な誤読を誘える弱い文脈を帯びたメディアコンテンツとは何かの視点から、海外メディアの事例をあげてくれた。たとえば、一日あたり5本の長文記事をあげる「De Correspondent(コレスポンデント)」という、8日間で15000人以上から100万ユーロ(約1億3,000万円)もの創設資金を集めたというオランダの新興メディアや、一日あたり2本しか記事をあげないが、年間400ドル(購読料)の売上を見せているアメリカ新テックメディア「theinformation(ジ・インフォメーション)」を紹介してくれた。

「文化の本質はローカル」(原研哉さん)を思い出す。マスではなくローカル(価値の掘り下げ)が文化につながる。文化とはコミュニティであり、コミュニティはメディアの向かっている先とも言える。

メディアやコンテンツが、個人にどれだけ近いか、どれだけ等身大の情報なのかなど、メディアのレレバンスデザインが重要になってくると示唆していた。WIRED誌創刊編集長ケヴィン・ケリー氏の「1000人の忠実なファン理論」が着実に実を結びつつあることが伺えるなあと思った。

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