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最後のセンター試験とはいうものの

今年は最後のセンター試験です。

2021年からは、「大学入学共通テスト」になるそうです。


世の中の実情に合わせて、より思考力を問う問題が出題されるようになるとのことで、問題の形式や特徴も変わります。

ということで、今年の受験生は、リスクを避け、今年のうちに確実に合格できそうな学校を志望する傾向があるようです。

難関私大や国立大学の志望者数は前年よりも軒並み数%は少なくなっているというニュースがありました。

記述問題が新設されたり、問題の傾向が変わることは確かなので、心理的にそう考えるのも無理はありません。


問題は、来年からどれほど変わるかということです。

思考力、創造力を試す問題があることは望ましいことだと思います。


しかし、実際に「大学入学共通テスト」のプレ問題を見ると、

求められる力はそれほど変わらないという印象を持ちます。

受験生や予備校からしてみれば、その少しの差が気になるということもわかりますが、部外者の勝手な感想としては、内容がガラッと変わるというよりは、出題形式が少し変わる程度に思えます。


例えば、国語のテストでは、思考力が必要とされる記述式問題が加えられるのが変更の大きな目玉です。

プレ問題を見てみると、次のような出題がありました。

複数の文章を読んでから、記述をさせる問題ですが、

記述するにあたり以下の4つの条件を全て満たすように書くことを求められています。

プレ問題から一部抜粋します。

<条件>
①二つの文に分けて、全体を八十字以上、百二十字以内で書くこと(句読点を含む)
②一文目は 「話し手が地図上の地点を指さす」行為が、「指さされたものが話し手が示したいものと同一視できないケース」であることを、【資料】に示されたメニューの例に当てはめて書くこと。
③二文目は、聞き手が「話し手が示したいもの」を理解できる理由について書くこと。ただし、話し手と聞き手が、地図の読み方について共通の理解を持っているという前提は書かなくてよい。
④二文目は、「それが理解できるのは」で書き始め、「からである」という文末で結ぶこと。

・全体を二つの文でまとめて80〜120字以内とする。

・一文目、二文目ともに書く内容を指定している。

・二文目に至っては、書き出しと結びの句まで指定している。

ここまで指定されたら、読解力を問う以前のものと変わっていないのではないかと感じます。


傾向と対策は変える必要がありそうですが、全体的に、思考力、創造力を問う問題へと大きく変わっているわけではなさそうです。

毎年の様子を見ながら、少しずつ変えていくというのが現実的なところではないかと思います。


テストの名称の変更に惑わされて、本当に行きたいところに挑戦しないのはもったいないと思ってしまうのは部外者の立場だから言えることでしょうか。


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