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ヨメが掃除をした

ヨメは、家事が苦手だ。

料理は作るのだが、片付けが苦手。洗濯はするのだが、畳むのが苦手。掃除はなかなかやろうとしない。

ボクたちは、二人とも働いているので、ヨメだけが家事をすることはない。当番制でもないので、「今日は私がごはんを作りたい」とヨメが言えば、ヨメにお願いするし、ボクが作りたい気分なら、ボクが作る。二人とも、めんどくさいと思えば、ごはんだけ炊いて、納豆や卵を食べる。

ボクもヨメも管理されるのが嫌いなので、家事は、やりたい人がやっている。洗濯に関しては、ボクが洗濯機を回し、ヨメが干すことが多い。洗濯の干し方にこだわりがあるみたいで、ボクに教える時間が勿体無いと言っていた。

問題は、掃除かな。ボクも苦手だが、ヨメはそれ以上に掃除が苦手。床に物が散らばっていても、全然気にならない。


そんなヨメが、今日、3時間も掃除をしていた。

3時間となると、広い部屋を想像してしまう人もいそうなので、先に伝えておく。ボクたちの家は、1LDKの賃貸。一人暮らしのOLよりも、狭いと思う。

毎日、こまめに掃除をしている人なら、30分もあれば終えてしまう掃除を、ヨメは3時間もかけて行っていた。ヨメの姿を見ながら、「毎日やってほしいな」と声を掛けそうになってしまった。


掃除が終わった後、ヨメはボクに、「どうして掃除をしたと思う?」と聞いてきた。「部屋が汚くなってきたのに気づいたから?」と、ちょっと意地悪に答えたら、「掃除がしたい気分だったの」と返された。思わず、「ありがとう」と伝えた。