見出し画像

地上に降りてきた者達のブルース:第4話

第四話:偶然という罠にはめられた者達へ 神々の奏でる曲が聴こえるか?


偶然が何度も重なって、男の心は次第に動かされていく。ただ、平凡な日々を楽しんでいた男の人生に、何が起こったのか?ある日、男は自分の直感に従って、未知の扉をノックした。しかし、現実は厳しく男に罠を仕掛けていた。巧妙な手口で・・そして、男は罠にはまった。男が信じた相手は悪魔だったのか、それとも、神だったのか?デジャヴュという名の幻想に取り憑かれて・・男は新たな人生の地図を手にする事が出来るのか?絶望の淵に追いやられても・・・

全てを失った男は、ビルの屋上に立っていた。ここから飛び下りたら、楽になれるなんて事、考えられない程、男は高所恐怖症だった。男は心の中で、もうチョット考えてみようと、自分に言い聞かせて、ペントハウスの扉を開けて、エレベーターの前で足を止めると、グッドタイミングというか、早く乗って下さい、と誰かの声に誘われるように、1Fのボタンを押した。

男の名は、林原 國男 55歳 職業 会社員。妻とは1年前から別居中で、現在は孤独な一人暮らし。趣味は映画鑑賞。住宅ローンの残は約1000万円。貯金ナシ。只今、借金は雪だるま式に増殖中。

通りに出た林原は、少し目眩がした。冷や汗をかいたせいで、シャツは濡れていて、気持が悪かった。だが、しかし、ここで死ぬのは、どうも納得出来なかった。

「何故だ・・何故俺が・・」

林原は、これまでの人生をただ真面目に生きて来た。後少しで、年金生活。毎日ぼーっとしていられる。等と考えていた矢先に、彼の人生の計画はもろくも崩壊し、新たな人生の転換を迎える事になる。そう、軌道修正の為に、天国で交わした契約書通り、と言ったほうが良いのか、自らが書いたストーリーを履行するために、見事に人生の罠に掛かってしまったのだ。『何故あの時、気が付かなかったんだ』と悔やんでみても、騙されたお金は返ってこない。この時点で、林原のこれまでの人生経験を持ってしても、自分に起こっている現実を受け入れることが出来なかった。

「オレは何も悪いことはしていない・・なのに何故・・・」

7年前のある日、家に帰ってみると、机の上に一冊の本が置いてあった。見たことない投資関連の本だった。

「机の上に本が置いてあったけど?」と、妻に尋ねると、

「近所の奥さんが、『良かったら、この本読まない?』って言われたから、貰って帰ってきたの。あなた読むかなぁっと思って、その奥さんねぇ、高級マンションの最上階に住んでるのよ」

「へぇーまぁ、後で読んでみるわ」

その頃の林原は、仕事が休みの日は、建築に関する本を読みながら、ベートゥーヴェンを好んで聴いて過ごしていたから、投資に関する本には余り興味はなかったが、折角なので、読んでみることにした。

それから2、3年の間は投資熱に浮かされて、朝から晩まで投資関連の書籍を読み漁り、ありとあらゆる投資に手を出し、その内、SNSの詐欺まがいの儲け話にまで手を出していた。気がついた時、勤めていた会社も辞めて、退職金も全て無くして、多額の借金だけが残っていた。妻は実家に帰ってしまい、自宅は差し押えられた。しかし、何故かこの時、林原は冷静でいられた。何故か?それは、最後の賭けに勝つと思っていたから・・・だが、しかし、その賭けは、詐欺師が書き上げた、壮大な残酷物語だったのだ・・・
林原は、立ち上がれなかった。五十年以上も真面目に生きて来たと言うのに、残酷過ぎる・・・何故だ・・何故?平穏な日々を奪っていくんだ・・・
神は乗り越えられない試練は与えないだと・・
ふざけたことを言いやがって・・
この歳になってこの先、どうすればいいんだ・・・

それから数週間後、林原の職探しが始まった。朝早くから自転車に乗って、宅配の仕事をし、夜はレストランで皿洗いのバイトもした。毎日が忙しく、ただ、時間だけが過ぎていった。そんな時、ふと、携帯のユーチューブのおすすめのトップに、占い動画のタロットカードが目に入ってきた。画面に映る女性の声を聞いてみたいとその時、何故か思った。そう、この時、林原の未来の人生の地図を、探す旅が始まったのである。

恵子はユーチューブのライブ配信の日を明日の夜21時からと決めた。

「皆さ〜ん、こんにちは。はじめまして。スピリチュアル・ティーチャーの恵子です。私の声が聞こえますか?聞こえたらコメント下さい」
初めてのライブ配信は、約300名の視聴者が参加してくれていた。恵子は用意していた原稿に時より、目を落としながら、ライブ配信を進めていった。

「私達の活動は、この星の人々が覚醒し、真の平和的社会実現の為に、日々を懸命に生きている、今日ここに集まってくれた皆さんを、サポートするために、出来たコミュニティーです。どうぞ皆さん、自由に、心をオープンに、ブロックを外して下さい。癒しのコミュニティーに、皆さんをご招待致します。下の概要欄のリンクから、お越し下さい。お待ちしてま〜す」とこの日のライブ配信は約45分間で終了した。

その日、林原は、恵子のライブ配信を見ていた。わけも分からずに、今の自分の思いをコメントに託して、スマホの画面をタップした。

「コメント有難う。大変な時期はもうすぐ終わりますよ。何故なら、貴方は、私の所に辿り着いた。だから、もう大丈夫ですよ」と、恵子は、優しく林原に語りかけた。

林原はその日の夜、恵子のアーカイブの動画を片っ端から見た。少しずつ、人生の意味を考えながら、今の自分の状況は、次の人生の展開の前兆ではないか?そして、この新たな旅の地図が描かれたパズルのピースを、一つずつ、はめていった。そして、最後のピースが見つからない事に気が付いた。何処かでなくしたのか?林原は、明方まで、思いに耽っていた・・・
幸せとは、何だ・・・
人生とは・・・
私は何を求めて生きてゆけばいいんだ?
林原は、苦しんでいた。産みの苦しみとでも言うべきか、覚醒する前兆の時期を唯一人、もがいていたのだった。

幸せとは、忘れた頃にやって来るものなのか?はた又、願い続けるから訪れてくれるのか?幸せは遠くに有りて思うものなのか・・人は皆、幸せをお金で買おうと毎月貯蓄に励んではいるが、果して・・・そうか・・それで権力者は金で全てを手に入れようとするのか?・・・何れにしても、歳を取ると物忘れがひどくなってくるので、気が付いたら幸せになってたって言うか、これが幸せなのかなぁって、納得する事なのかもしれない・・・幸せってのは、深〜い永遠のテーマということに、一旦、しておこう・・・林原は枕元に置いてあった、飲みかけの缶酎ハイを飲み干して、ゆっくりと目を閉じた。


「日下部さん、本番5分前です」

「オーケー」

日下部は楽屋の鏡の前に座って、考えていた。不思議だが、最近、嫌な夢を見なくなった。どんな夢かって?誰でも見たことがあるだろう?いつもの道に迷った夢だ・・・
何度繰り返しても、振り出しに戻ってくる。あの角を曲がれば、目的地に辿り着くのに、何故か何時もそこで目が覚める・・
こんな夢を見る人の特徴は、この先の人生に迷っている人だと、聞いたことがある。だが、しかし、最近はその嫌な夢を見なくなった。と言う事はだ、もう俺は道に迷っていないということか?そうか、わかったぞ!オレの心は、この先の人生を、俺より先に歩き出していると言う事だ・・・
日下部は目を閉じたまま、自分と対話していた・・・

「皆んな!人生のパズルの最後のピースが見つからないって、経験したことあるかなぁ?俺は数年前に経験したことがあるんだ。その時はとても苦しい時期でねぇ。最後のピースが部屋中探しても見つからない。そういう時は夜空を見上げて、星に願いをかけるのさ。そうすれば・・・遠くから誰かの声が聞こえて来る・・」

「こちら宇宙です。どうぞ」

「こちら地球ですが、俺のこの先の人生がどうなるかって、先週、そっちにメールしたんだけど?返事まだかなぁ?」

「その件については、まだ、会議中です。Zoomでなら、会議に参加できますが?」

「是非、参加させて下さい」

「では、メールをお送りしましたので、貼り付けてあるリンクから、こちらに飛んで来て下さい」

宇宙では、神々が集って日々、会議をしているらしい。

「それでは、次の議題に移ります。林原氏の件ですが、最近の林原氏の様子はどうですか?」

「とにかく、コチラとしても全力でサポートしていますが、本人は可也落ち込んでいます」

「成る程、無理もないね。それで、この先のプランは予定通りですか?」

「えぇ。予定通り進めています」

「林原氏に、この先、どのように行動すべきかについて、サインは出していますか?」

「その件については、何度も出しています。中々気づいてくれませんが、最近、ユーチューブの占い動画を見てくれるようになりました」

「それはいい傾向だねぇ」

「あっはい」

「林原氏が先の道を間違えないように、引き続き全力でサポートしてくれ給えよ」

「恐れ入ります」

「てな事になって、サインを送ってくれるってわけだ。あっハッハッ、チョット高次元の話題でついてこれなかったかなぁ、そこのお姉さん!さっきから、俺の股間ばっか見てるけど、酔っ払ってるんじゃないの?アッハッハッハ」
(常連客の疎らな拍手)

「日下部さん、今夜のネタ、かなり高次元でしたねぇ?」

「あぁ、徐々にレベルを上げていってるんだよ」

「流石、日下部さん、1杯どうぞ」

「有難う」

日下部は気分良さそうに、何時ものスコッチをダブルで一気に飲み干した。


その頃、林原は、恵子のユーチューブ・チャンネルの概要欄から、個人鑑定を依頼していた。林原は、この先の人生のことを知りたかった。恵子はその問いに答えてくれる唯一の人だと信じていたからだ。

林原氏の運命の輪が回り出すまで、
あと185日。


「お会いできるのを楽しみにしていましたよ。林原さん」恵子は、林原の少しやつれた顔を見て、タロットカードに手をやった。

「それで・・」と、林原が、話そうとした時、恵子は1枚目のカードを捲って、テーブルの上の中央に置いた。

「やっぱり。運命の輪のカードが出たわ」

「運命の輪?」

「そう。チャンスが訪れる」

「チャンスが?」

「そうです。事態は好転していきます」

「私はどうすれば?」

「もう大丈夫です。なので、貴方が昔、やりたくても出来なかったことに、もう一度チャレンジして下さい。この次は必ず上手く行きます。と出ています」

「昔やりたかった事?」

「貴方がそれを見つけて、動き出しさえすれば、貴方の前に協力者が現れるでしょう。それが、貴方がこの地上に降りてきた時に交わした契約だという事を忘れないで下さい。と今、メッセージが降りてきたわ」

「契約?」

「そうです。貴方はその契約を履行しなければならない」

「何故ですか?」

「何故って、貴方が選んで交わした、契約だからです」

「何も覚えていない・・」

「それはそうでしょう。貴方がこの地上に降りてきた時に記憶は抹消されているから・・・」

「何故そんな事を?」

「何故って、人生を楽しむためでしょ?」

「楽しい事なんて、これまで何もなかった」

「辛い時期は終わりました。良く頑張りましたね」

林原はこの時、恵子の言葉を素直に受け取れなかった。この先の人生が好転していくのは良いのだが、全くと言っていい程、この先何をしてよいのやら、検討がつかなかった。
恵子は最後に林原を見て、「私が貴方にサインを送ります。注意して見ていて下さい」
と言って、この日の鑑定を終えた。

林原はその日の夜、街を歩きながら、ずっとこの先のことを考えていた。が、何も思い浮かんでこなかった・・
しょうがないから、酒でも一杯飲んで帰ろうと思い、通りの小洒落たファサードのBARの扉を開けた。昔、好きで良く聞いてた、スティーリー・ダンの『緑のイヤリング』が店内に流れていた。林原はカウンターの前で、ジントニックをオーダーした。店内を見渡すと、店の奥にステージが見えた。

「あのステージで今夜は何かのショウが?」

「えぇ。もうすぐ始まりますよ」とバーテンダーが、林原の前のカウンターにグラスを置いて言った。

「へぇ〜何のショウ?」

「何ていうか、高次元のお笑いみたいなの。まぁ、楽しんでってよ」

林原は、理由が分からなかったが、ステージから、1番前の席に座って、グラスに口をつけた。

ステージにスポットがあたった。マイクの前に立っていた男が、静かな表情で語り始めた。

「今夜はパンツ履いてくんの忘れたんで、あんま俺の股間に注目すんのやめてくれよ。そこのお姉さん」と、いつものように、最前列の女性客をいじる事が恒例となってる、毎週火曜のショウが始まった。

「皆んな、最初に断っとくけど、俺は高次元のネタしか扱ってないんで、時事ネタなんかやんないよ。ついてこれない人は、酒でも飲んで、俺の股間でも見といてくれ」
(常連客数人の笑い声)

「皆んな、モンティ・パイソンの曲でAlways Look on the Blight Side of Lifeって知ってるかい?」いつものウクレレをポロンと鳴らして、口ずさんだ。
「そりゃ、生きてりゃ嫌なことだってある。周りを見れば、イカれたエロ親父か、脳みその腐った、悪ばかり。そんな時は、この歌を歌うのさ。🎵どんな時も人生の輝かしい時を見つめよう🎵Always Look on the Blight Side of Life🎵」
(常連客の間で合唱🎵)

「ある男が俺に尋ねてきた」

『人生の目的とは、使命とは、何ですか?』

「自分らしく生きるってことさ」

『自分らしく?』

「あぁ、例えば、相撲なんか取りたかぁねぇのに、まわしを付けてもしょうが無い。腹も減ってないのに、ちゃんこを腹一杯食うなんてこと、出来ないよねぇ。要するに大事なことは、自分と対話するってことさぁ。そうすりゃ、何も無理することなく、駅前のなか卯で親子丼でも食ってりゃいいって事になるだろし、自分の家の中でなら、パンツ一丁で彷徨いてても、警察(さつ)にパクられて、ブタ箱に放り込まれる事はないって事さぁ。分かってもらえたかなぁ?」

『何となく・・』

「何となく分かれば、それで十分だ。遅くならないうちにお家に帰ってオネンネしな。今夜はこれでおしまい」

剛はウクレレをポロンと弾いて、🎵ウチラ陽気なかしまし娘🎵と、かしまし娘のテーマ曲を歌おうとしたが、滑るのが急に怖くなったのか、う〜と伸ばした後、🎵う〜らら〜う〜らら🎵う〜らうらの🎵この世は私の🎵ためにある🎵と苦しまぎれに山本リンダ風の口調で、腰をめいいっぱい振り、踊りながら、舞台の袖に消えていって、今夜のステージは、幕を閉じた。

 ステージが終わっても林原は、席に座ったまま、じっとしてグラスを眺めていた。
昔、やりたくても出来なかったこと・・

「あの前の席の男性のお客さん、珍しいねぇ一人で、始めて来たのかなかぁ」

「さぁ〜でも見ないお客ですねぇ」

剛は、カウンターからグラスを片手に、その男性客のテーブル席に座った。

「お客さん、うちの店は今夜が初めて?」

「えぇ」林原は、ちょっとびっくりした様子で、剛の顔を見て言った。

「使命とは何ですか?」

「いきなりどうしたの?」

「いや、さっきの貴方のネタで?」

「あれっ、あれは思いつきのネタですよ」

「思いつきって?」

「思いつきってのは、分かんないよ、分かんないけど、多分、上から降りてくる事を、思いつきって言うのかもしれない」

「上からっていうのは、宇宙から?」

「そういうのはどうでも良くて、直感っていうか、ひらめきだな」

「それを神の言葉と言うのでは?」

「そんなことは俺には分からない。ただ」

「ただ?」

「神が降りてきた。なんて、言ってるお笑い芸人をテレビで見たことはあるけどね」

林原は少し飲みすぎていたせいもあって、剛を股間を見て、こう浴びせかけた。

「俺のもスンゴイんだぜ!」

「そう・・・」剛はそれ以上、何も言わなかった。

林原は以前、妻の実家に行ったときのことを思い出していた。緑豊かな山形の景色を思い浮かべながら、もう一度行ってみたいという思いに駆られていたのだ。
次の日の朝、列車に揺られて、山形までの旅に出掛けていった。実家に帰っていった、妻の事を思いながら・・・

林原氏の運命の輪が回り出すまで、あと93日。

その翌年、林原は、妻の実家である山形に移り住み、『國ちゃんの山形限界出汁』の大ヒットにより見事に事業を成功させ、現在、地元の駅前に自社ビルを建設中だという話を風の噂で聞いた。

一人の人間が覚醒すれば、途轍もないエネルギーが身体中に充填される。そして、燃えたぎるマグマのように、爆発させるその瞬間を待っている。自らがセットした、タイマーの音が静かな部屋に響き渡る。
カッチカッチ、カチ、ドッカーン!
強制的にタワーを崩壊させた、ダイナマイトを仕掛けたのは、なにを隠そう、詐欺師の覆面を被った、あの神であったと言う話は、知る人ぞ知る話である・・・
な〜んだ。何て言わないでくれ。こうでもしないと、人は覚醒してくれないから・・と、誰かが言っていた。

「誰かが言っていた?それを言っていたのはな・・・紛れもない・・・神だ!」

恵子は、ユーチューブのコメント欄を全て読んでいた。ゆっくりとスクロールしながら、林原のコメント欄で暫くジョグダイヤルから指を離した。

『國ちゃんの山形出汁』の大ヒットで只今、事業拡大中。お買い求めの際は、下のリンクから飛んで来てくれ給え。と書かれていた。

その日の晩、無性に山形出汁が食べたくなった、恵子は駅前のスーパーによって、山形出汁と明太子を買って帰った。炊きたてアツアツの白米の上に、山形出汁をのせ、林原の成功を祝って食べた。

恵子は考えていた。この『世界お花畑プロジェクト』を始動させてから、初となる覚醒会員No.000001の林原氏をこの世に送り出すことが出来たことによって、益々この計画について、自信を深めていた。
が、しかし・・・

が、しかし?

次の会員は、ちょっこっと大変そうな予感がしていたのだった・・・


「恵子さん、凛子ちゃんから聞いたけど、フォロアーの中の一人が覚醒したって本当?」

「えぇ、あの人は苦労してきた人だから、この先の人生は楽しんでほしいわねぇ」

「恵子さんのサインは、その人に届いたってわけか」

「と言うより、私のサインを受け取ったのよ」

「それで、どんなサインを送ったの?」

「私が送ったサインは、カードが言ったメッセージよ」

「カードがねぇ・・でも、ドッカからか聞こえて来るんだろ?」

「えぇ、降りてくる言葉を伝えるのが、私の仕事だから」

「成る程・・神の言葉は恵子ちゃんの口を通して、語れるわけだ・・」

「でも、神の言葉っていう時は、気をつけてねぇ。詐欺師が、人の良い人を騙すときに、よく使う文句だから・・」

第四話の終わり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?