【感想】錆喰いビスコ
基本情報
◆タイトル 錆喰いビスコ
◆著者 瘤久保 慎司
◆イラスト 赤岸K
◆世界観イラスト mocha
◆レーベル 電撃文庫
◆発行 2018年3月
あらすじ(214字)
全てを錆びつかせ、死に陥れる『錆び風』が吹きすさぶようになった日本で人々は錆びる病に怯えながら細々と暮らしていた。
錆びを消す効能をもつ様々なキノコを生えさせる事ができる『キノコ守り』の少年ビスコは、重度の錆びを負った師匠の身体をも治せるという霊薬となるキノコの『錆喰い』を探して東北を目指す。しかし「キノコの胞子は錆を広げる」というデマが流布した世の中ではビスコは政府から追われる賞金首であったためにその旅は困難を極めていた。
感想(2019-12-30 読了)
環境が大きく変わって人々が細々と暮らすこととなった日本が舞台のローファンタジー。キノコを使って旅をする悪人顔の主人公が暴れまわるアクションもので、漫画やアニメなどのメディアミックス映えしそう。
反面、文字で読むには心理描写よりもアクションシーンが多くて読み疲れる面も。加えてアンパンマンなどのネタがバイネームで出てきたりするので苦手な人は苦手かと。
旅の目的も分かりやすく最後も綺麗にしまったので一冊読み終わった達成感はあるが、ずっと読み続けるとしたら小説ではなくコミックスで読みたいなと思った。
どんな人向けっぽいか
・アクション活劇が好きな人
・ありがちな異世界ものは読みたくない人
・荒廃してる世界観が好きな人(宝石の国とかニーア系じゃなくて、北斗の拳とかマッドマックス系)
・ラノベを読むときに心理描写はあまり重視しない人 あたり?
~~~~~【以下追記用】~~~~~
印象的な箇所
・5ページくらいにわたって台詞だけで構成されている箇所。沈黙とかも全部台詞で繋げてる。多分あえての演出だけど好きではない。印象的だけど。
・「ぼぐん」とか「ばがん」とか擬音は変わってる
・住人を騙して大人達を強制労働に連れて行って子供だけの街になってしまっている場所があったり、金ほしさに錆び風吹かせてたりただの悪役な黒革(県知事)
→ 感動的ではない原因かも?
文体とか
◆人称・視点
・三人称
・プロローグなど人物がはっきりしていないときは神視点
・基本はビスコ視点だが、同じ段落内でもミロの心情も描写されたり、パウー(ミロの姉)の心情も描写されたりコロコロかわる(特に後半)
→ 視点変更が多いから後半のほうが特に読み疲れるのかも?
◆心情描写方法
・() でくくって台詞のように描写。台詞のように連続することもある
◆記号・改行の使い方
・改行はシーンが変わるとき、時系列が繋がらないとき
・☆とか♡みたいなアホな記号使用はない
・『』 張り紙の文字に書かれているものや、固有名詞(地名・一族名など)、強調したいところ(『変質』とか)、機械音声などに使われる
・《》 重要な小道具(錆喰い)に使われる?
・ …… や ―― は台詞内に多め
・台詞内でも、 …… や ―― の後は 。 がつく派
◆章構成
・大きな章立てはなし
・場面転換ごとに数字で区切られてはいる
◆その他
・台詞がいっぱい
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