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「他人に迷惑を掛けない」は弱みになる

中国人はずるい、他人を配慮しないことが多い。
列に並んでも間に突然入ってくるし、列なんて並ばずに早い者勝ちでエレベーターに入ることなんてざらにみられる光景だ。
人生を日本と中国で両方で過ごしてきたからこそ言える、

中国人は他人に迷惑を掛ける、しかも中国では「人に迷惑をかけること」が当たり前、ときにはむしろ強味になる。

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日本の小学校に通った自分は本当に幸運だった。
同年代の友人は毎日17時に下校し、帰宅したらコツコツと宿題を21時までに終わらせていただころ、自分はゆとり教育で午後15時には近所の公園で遊んでいた。

「他人に迷惑はかけない、ゴミは自分で片づけて、自分でできることは自分でやる」

小学校で初めて教わったのが「他人に迷惑を掛けない」ことだ。

学校の教育は勉強よりも、「人」としてどういう人間になるべきかに対してとても厳しかった。
同じクラスの男子がトイレでうんこをしたことで他の生徒にいじめられるところを、先生は怒り出し、「みんな人間なんだから、そんなのあたりまえよ。優しくすべての人に接するべき」と叱った。
数十年前の出来事だが、今でも鮮明に覚えている。

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そんな教育を受けた自分は中国に帰っても「日本から帰ってきたおとなしい女の子」という位置づけをされていた。
「何事も他人の都合に気を配る」、職場でも付箋一枚一枚丁寧に貼り、会議は当たり前のように少なくとも1週間前に関係者に知らせてスケジュールを調整しやすいようにする。

そんなの日本では当たり前だ。

しかしある日新しい同僚が入ってきた、彼女に出会えたことが私の思考に大きなショックを与えた。

「私新人だから、いろんな部署の人紹介してよ」
そんな気軽な言葉を口にし、社内のコミュニケーションツールから各部署のリーダーを見つけ出し、
その場で「今日お会いしてお話できませんか?」とすぐに対面を要求する。
そんな彼女に巻き込まれ、色々な部署を駆け回った。

「そのツール面白いですね、私も欲しいです。パスワード教えてください」
分析関連の部署のリーダーと話をしていたら、年間費100万円もするくらいの分析ツールが非常に便利だとのことを知った。

通常これは他部門の予算で買ったものなので、貰えるはずがない。
「え、こまったなー。このアカウント、4つしか作れないんだよね」
「その代わり、あなたの部署と関連した分析をした場合、レポートを共有するわ。いいでしょ?」

ずうずうしい女だな、と普通は思うところ・・・
「しかたないね。一つだけだよ。誰とも共有するな、君にだけあげる」

その後、私は彼女に豪華な料理を子馳走になった。「色々な人を紹介してくれたお礼よ。」

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中国では「迷惑を掛けた分、お返しにXXするよ」というロジックで、
リソースをみんなで共有することができる。

むしろ迷惑を掛けられるのは個人の強みであり、これを通じて他人にも価値を提供することができる。
これは自分の価値観を変えた出来事になり、今では色々な人に迷惑を掛けつつ、一方で迷惑を掛けられることを嬉しく思えるようになった。


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