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お金との付き合い方を子どもに教えるための9つのヒント

11才になった娘にデビットカードを持たせ始めました。オランダ生活にも慣れて、年齢と共にじぶんの世界が広がりつつある彼女は、この1年で家族と別に行動する機会がかなり増えてきました。友だちと子供だけで遊びに出かけたり、登下校も一人で行ってしまうことも。

こうした場面が増えてくると「連絡手段」と「お金を持たせる」必要が出てきて、携帯は11才の誕生日にプレゼントしたのですが、お金については随時必要な額を渡すという方法を取ってました。

しかし、オランダはなにぶん電子マネー社会なので、親の方が「現金の持ち合わせがない」事も多いほか、決済手段として「現金が使えない」場面も多々あります。そんな現実に迫られた形で、娘用の銀行口座を開設しデビットカードを持たせてはみたものの、その運用はどうしたものか親側の戸惑いは多く、最近はオランダの子どもの「お小遣い事情」や「お金の教育」について情報を読み漁っているところです。

今日は、そんな中で見つけた「お金との付き合い方を子どもに教える9つのヒント」という記事がとても面白かったので、そんな私の感想を挟みつつ、ざっくりですが訳してみました。

1. お小遣いを与える

お小遣いを与えるのに見返りは求めないこと。お小遣いは賃金ではありません。お小遣いを与える上で大事なことは、その使い道を子どもに自由に選択させるということです。自己決定を通じて子ども達は多くを学び、またお金の価値をよく理解できるようになります。

この「自己決定を通じて学ばせる」というアプローチは、オランダで子育てしているとあらゆる場面で見かけるのですが、お金の教育でも出てくるあたり、徹底しているなぁと思います。但し、無制限の自由を与える訳では決してありません。きちんとお金の使い道についての取り決めを事前に親子間で行い、更にはそれを「お小遣い契約書」に起こし、互いに署名をするという儀式もあります。ちなみに、この「お小遣い契約書」は銀行が無料配布してます。

前項は納得でしたが、反対に「お小遣いは賃金ではない」の一文は意外でした。オランダでは中高生にもなればベビーシッターなどでお金を稼ぎますし、労働対価としてお金を得る習慣は小さい頃から馴染み深いんだろうなと思っていたので。でも、「お小遣い」と「賃金」は別物らしい。
これはどういう考えに基づくものなのか、もう少し観察を続けたいと思います。

2. お小遣いの額を見極める

お小遣いの額を決定する時には、子供を巻き込んで双方で話し合いましょう。そして常に決まった日にお小遣いを与えること。12歳までは週に一度が一般的です。12歳を過ぎたら、月ごとで良いでしょう。

どの程度のお小遣いをあげるのかなぁ、と思って調べたら調査データがあって細かく年齢ごとに刻まれてました。例えば5歳なら週50円、10〜11歳なら週200円程です。

3. 子どもに失敗する機会を与える

親は子どもを守りたいものです。しかし、お金の扱い方を学ぶ最良の方法は、子ども自身が痛い思いや恥をかいて賢くなることです。子供の時の小さな失敗は、後から大きな失敗を防ぐことができます。

4. 子どもに貯金を教える

欲しいものが高額だった場合には、お小遣いを貯める必要性も出てきます。幼いうちは貯金は難しく、あるお金はすぐに使ってしまうのはよくあることです。まずは、子どもと一緒に具体的で現実的な貯蓄目標を考えてみてください。数週間以内にお小遣いから買えるものもあるでしょう。手持ちの額と見比べて、欲しいものが買えるようになるまでかかる期間を子どもと一緒に定期的に確認してみてください。

お金に短期と長期の両方で向き合う訓練をさせる、と。先の「お小遣い契約書」の中にも、「週にいくら貯める」という誓約項目がありました。

5. 暮らしの中でお金を使う体験をさせる

お買い物に子供を連れていきましょう。買い物の予算を伝えて、そのお金で何が買えるかを子どもと一緒に確認しましょう。現金で支払えば、子供にお金の価値がより伝わりやすいでしょう。店舗によって価格差があることを知ることや、請求書やレシートを一緒に確認するのも良い体験です。何にいくらかかるのか、生活の中で子供に認識させましょう。

6. 誘惑への耐性をつけさせる

広告業界は子ども達を格好の餌食と見ています。広告はどこにでもあります:テレビ、インターネット、ソーシャルメディア、オンラインゲーム、雑誌やアプリ。 子どもはそれを無視することはできません。子供に広告をスルーして世界を見ることを教えてください。 広告主が製品の見栄えを良くするために使用するトリックを教えましょう。 本当に好きで、重要であると思うものにお金を使うことが大事です。 そしてもちろん、それは予算内に収まらなければなりません。

いやぁ、これは大事ですよね。広告などの外的刺激に踊らされず、自分にとって本当に価値があると思えるものにお金を使う。大人でもなかなか難しいことです。

7. 子どもの銀行口座を開く

銀行口座を持つことで、誕生日のお金の預け入れ、お金の受け取り、支払い方法を学びます。 アプリで残高を確認することや、PINコードを安全に保つことなど、銀行カードの取り扱い方を子どもにしつけましょう。 銀行口座の開設は12才が適齢です。

データによると、オランダでは小学6年生(Group 8)にもなると銀行デビットカードを持たない子の方が少数派だそうで、現実はこの記事の適齢年齢より若年化しているようです。うちも11才(小学5年生/Group7)で渡してしまったし。

8. 子どもに親からお金を借りさせる

いつかはあなたの子供も、例えば学生ローンや住宅ローンの形でお金を借りなければなりません。したがって、責任ある借り入れとは何かを子供に教えることが重要です。つまり、どのくらいの期間、どのくらいの金額を支払う必要があるか、そしてそれが予算内で実行できるかどうかを事前に考えることを意味します。子どもは親からお金を借りることで、これが学べます。子どもは将来の小遣いで借金を「返済」します。このようにして、あなたの子供は無料のお金のようなものがないことを学びます。

オランダ人を見ていると何事においても現実的だなぁと感心せざるを得ないことが多々あるのですが、「子どもに借金を体験をさせる」なんてのも、そういったオランダ人らしい現実的な見地だなぁと思います。

9. 親が子どもの良いお手本であること

子供は親を見て学びます。 家庭でお金が際限なく使われているのを見れば、子供はお金は無制限に使えるものだという印象を抱く恐れがあります。お子さんに借金とローンについて教えてください。 怖がらせるのではなく、「認識」させるのです。

引用元:9 TIPS OM JE KIND TE LEREN OMGAAN MET GELD


いかがだったでしょうか?

デジタル化が進んだ社会では、これまで当たり前に見えていたことや、触れたものが消えてしまいがちです。「お金」もその代表例で、いかに「手応え」のある体験に置き換えるか、訓練を積んでいくか、ますます大事になっていくんでしょう。ましてや「お金」は「生きていくこと」と切っても切り離せませんしね。

私自身が「お金の勉強」をし直している段階なので、このテーマについてはこれからもしばらく書いていきたいなと思っています。

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