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Jilly
2021年9月7日 04:01
彼は彼女の質問にこう答える。「それはないね」彼女の質問はこうだ。「ねえ、こういう感じから好きになることってある?」服も着ないまま、二人はこういう会話を紡ぎ出す。彼女は安堵する。彼はそれを見て思う。そんな事、重要?と。ドアを閉じればそこにはその空間が出来上がるし、ドアを開ければそれぞれ日々の現実に戻るだけ。彼も彼女もそういう関係を好んでいる。彼は知っている。彼女はほんの
2020年6月15日 00:46
「嘘でしょ…」と彼女は絶句する。「本当」彼は真顔で答える。二人でアイスクリームでも買いに行こうと出かけた矢先の事だった。家にあったビニール傘を何の気無しに各々手にとり、エントランスへ向かう。自動ドアをくぐり、雨の降る道へと傘を開いたその瞬間、ちゃりーんと音がしたのだ。「えっ!?」と叫ぶ彼女に、彼はそれが降ってくるのを見た。「え」ちゃりんちゃりん ちゃりん