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ガッカリ説明会

今日はこないだの面接会で声をかけてくれた、全然興味無い業界の会社の説明会へ行ってきた。
スーツは上着の丈直しが間に合わなかったので、パンツだけ穿いてジャケットは半年以上前(つまり病んでた頃?)に買ったやつを着て行った。足元はドクターマーチン。現地で他の利用者に「その靴マーチンですか!?私ドクターマーチン大好きなんです!!」と熱烈に話しかけられた。私も好き。

名刺を渡されて、会社の説明を受けて、実習でやらされる予定の業務の説明に入るまでは、「ま、気乗りしないけど頑張るか」くらいの気持ちだった。
その「業務の説明」が爆弾だったんだけど。

店舗ページのアクセス情報に載せる地図、Google Mapは費用対効果が見合わないので、◯◯という無料の地図サービスを使えるか検証してください

ん??

Adobeが使えなくなったときのために、代替となりうるオープンソースソフトウェアを業務で使えるか検証してください

おい、ちょ待てや!!!

まず最初に言っておく。
「これ高いから使うのやめましょう」という文脈で「費用対効果」を連呼する会社・上司は大抵ろくなものじゃない。
高価に感じられるサービスはだいたい、そのソフトのデータが業界標準規格なので外部とのデータのやりとりがしやすいとか、サポートやチュートリアルが充実してるとかみんな使ってるから困ったときに調べやすいとか、そういう料金が入ってるから金額が高くなっているのだ。
数字だけ見て「こっちのが安くあがる」などと言ってフリーソフトや格安ソフトを使うと、トラブルが起きやすくて結局作業効率はガクッと下がる。地図サービスなら情報の更新が遅いとか、端末によっては正常に表示されないとか。高いにも安いにも理由があるんだよ。

それから、Adobeが使えなくなるって前提がおかしい。
現在大Adobe帝国が築かれているのは各分野のソフトウェアを軒並み買収したからだ。仮にAdobeが潰れることがあったとして、買収されたそれらのソフトは在野に還るだけだし、フォトショ・イラレだってどこかが引き取るだろう。てか全世界的にクリエイターのライフラインなんだからそう簡単に潰れねーよ。潰れるとして下町の歴浅零細企業が気にすることじゃねえよ。
それに、これは他の参加者からもさすがに質問が出たけど、なぜそこでフリーソフトなのか。フォトショならCLIP STUDIO系とか、イラレならSketchとかFigmaとかをちゃんとお金払って使おうよ。

結局は「Google税もAdobe税も払いたくないで〜す!」てことなんだろうけど、このトンデモ言い訳を話していたのが情シスの人なんだから驚く。社員のITリテラシーが低いって自虐してたけど、あなたもだいぶヤバいよ。
kintoneのUIカスタマイズをデザイナーの手を入れずプログラマだけでやろうとしてる時点で「おかしいな?」とは思ったけど。

デザイナーの人が「制作環境は正直言って劣悪だから、クリエイティブで成果を上げて社内で発言権を得るしかない」とぶっちゃけていたあたり、そもそもクリエイティブに金を使うって考えが上層部にも社員にも無いらしい。
喩えるなら、「築50年エアコン無しワンルームでいいから早く家を見つけて引っ越したい……」と言ってたら風呂どころかトイレも無い物件を紹介された気分だ。
完全にやる気を失って、こちらからは質問を一切せずに説明会を終えた。
ビルを出て、職員から実習に参加したいかを尋ねられて、「やっぱりちょっと合わないなって思ったんで辞退しま〜す^^」と答えた。
来週面談するところはゴリゴリのIT企業だから、さすがにGoogle税とAdobe税くらいは払ってるところであってほしい。

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