『洋服』 と 『環境問題』 ( 製造編 )
今回から数回にわたり、「洋服」と「環境問題」というテーマで、ファッション業界が直面している現状や課題、解決に向けた取り組みなどを発信していこうと思います。
初回は「製造編」ということで、洋服が作られるまでの過程にある環境問題を取り上げていきます。
私達の手元に届くまで、以下のような段階が踏まれています。
私達に直接関わりがあるのは、③の段階が主なのではないかと思いますが、実際のところ、各段階で環境への負荷が懸念・問題視されています。
まず、「原材料の調達」における環境負荷に触れていきます。
洋服の裏地に付いたラベルを見ると、"コットン100%"や"ポリエステル80%"などの表示があると思います。これらの素材が原料になるわけですが、調達の現場を知らない身からすれば、どのように調達しているかすら分からないので、環境負荷うんぬんの話になってきます。。。
しかし、実状はかなり深刻です。天然繊維と合成繊維で大別されるんですが、双方に生じている問題があります。
◎(コットンなどの)天然繊維の場合
> 栽培時に使用する水の消費量
> 化学肥料による土壌汚染
◎(ポリエステルなどの)合成繊維の場合
> 石油資源の使用
> 工場での二酸化炭素の排出
生産する上で必要な資源とはいえ、相当数の洋服を作ることを考えれば、環境負荷が増幅していることも容易に想像が出来ます。
ちなみに、原料調達から製造段階までに排出される環境負荷の総量(年間)を、服1着あたりに換算した数字が以下の通りです。
1着でこの値なので、自分が持っている洋服の数に置き換えたら・・・ 衝撃ですよね。
これだけの資源が投じられていること、比例して環境にも悪影響が及んでしまっていることが、ファッション業界の製造段階における大きな課題となっているのです。
次回は、私達が最も接点のある「販売・利用編」について発信したいと思います。
ご拝読頂きましてありがとうございました。
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