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長典男の人生四百五十年の思い出話

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あの世へ行かず!?転生を繰り返す長典男の人生四百五十年で見聞き、体験、出逢い談。更新中。
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#お祓い

地底人 その2 “私の姿はどのように見えますか?”

その方は、神門から私のいる大手水舎のところまで、ゆっくりした足取りで近付いて来て、私の目の前で立ち止まり、いきなり「私が変に見えますか?」と聞いてきたのです。 私はとっさに「いいえ、何も変ではありませんよ」と答えたのですが、その方は「そんなことはないでしょう?」と重ねて聞いてきたので、私は「正直に申せば、この暑い日に黒のロングコートで暑くないのかな?と思いましたし、女性物のように思える大きなつばの付いた帽子を男性がかぶってはいけないということはないのですが、やっぱりちょっと

地底人 その1 “蒸し暑い夏の日”

私が地底人に初めて会ったのは、今からおよそ35年前の朝から蒸し暑い夏の日のことでした。その日は最初に9時から市ヶ谷でお客さまと仕事の打ち合わせがあって、その後、九段下に移動して次のお客さまと11時から打ち合わせをする予定でした。ところが、最初の打ち合わせが思ったよりもスムーズに終わってしまったために、九段下のお客さまとのアポイントメントの時間まで、1時間程度の空き時間が出来てしまったのです。だからといって、九段下のお客さまのところへ1時間近くも早くお邪魔するわけにも行かず、か

題名を「人生四百五十年の思い出話」とした理由(その3)

そこから数ヶ月間ですが、“雨蛙”としての人生が始まりました。 が、ここでも問題が起きました。そもそも“破壊僧”とは言っても、最初は真面目な僧侶でしたので、死ぬまで基本的に1汁1菜で過ごしてきました。それなので、生きている物を食べるなんて以ての外! という概念があります。 ところが“蛙”という生き物は、基本的に“生き餌”しか食べられないのです。そうなると、ただでさえ生き物を食べるのに抵抗があるのに、生きるためには食べるしかありません。それも、“雨蛙”なので、人間であれば食べ

題名を「人生四百五十年の思い出話」とした理由(その2)

私の過去生は前回にもお話した通り、新興宗教の教祖のような立ち位置で信者を集め、アヘンを使って中毒患者を作り、お金を集めるというとんでもなく悪徳な“破壊僧”でした。 もっとも、この頃の僧侶というのは人々のために尽くす、仏の教えに正面から向かい合って精進するという“真っ当な僧侶(?)”と、今で言う“反社会的組織”の方々とあまり変わらないことをし、武力を持った僧兵を飼い慣らして勢力を広げる“破壊僧”とが、それなりの割合で存在していました。そのため、情けないことに、特別悪いことをし