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22歳、犬のお父さんの失言(後編)

犬好き

それだけで人は6割増で、いい人に見える。
ここで議論はしない。
見える(笑)。断言。

はたまた、連れているわんこがレスキュー犬(保護犬)とかで
しかも人懐こかったりすると
愚か者はさらにこう思うわけだ。

『そんな大変な生い立ちで育っても

このわんこは人間に心を開いてるだなんて!
飼い主さんの愛の賜物に違いない。
なんて慈しみ深い人なんだろう!!』

と、脳内において【この人、きっといい人】説が大暴走するのだ。


私と22歳・犬のお父さんは着々とコマをすすめていた。
何回かのメッセージの後、我々はビーチでスペイン語⇆日本語のランゲージエクスチェンジをすることになった。
ビーチになった理由は「みんな知ってるアレ」
(もう口にするのも嫌なのであえて書かない)のおかげで
米軍関係者はカフェやレストランで座って食事ができない規制があったからだ。
それに気候も良かったし、潮風とオレンジ色の夕日に見守られながら
勉強をするって、なんて贅沢!

しかし、意気揚々と支度をし、いざ家を出ようとしたところなんと雨が降り始めた。どんどんと雲のいろは濃くなり、しまいにはナイアガラ級のザザ雨へと進化した。
そんな気はなかったのだが、雨も降っており、彼もすでに家を出ていたので
キャンセルをするのが躊躇されたが慌てて連絡をした。

しくじり女:変な意味にとらえないで欲しいんだけど、いい他のプランが思いつかないから私の家に来る?1回目のお出かけで女性が男性を家に呼ぶだなんてはしたないよね。

彼:そんなことないよ、じゃあそっちに向かうね!

こうして22歳、犬のお父さんがご来店!いらっしゃいー!笑

そして結局勉強なんかせず、映画『インターステラー』をみた。

実はこの映画、私のとっても苦手なSFジャンルで、過去に5回くらい見てるが
一回たりともきちんと見終えたことがなかった。
もちろんあらすじも言えない。ていうか、知らない笑
私は面白くない映画を誰かと見てるとちょっかい出してしまい、
そのままパーティー!!!!!(イェーイ)に突入してしまうため
密かにこの映画、
『恋人達にパーティーさせるために作られたのではないか』と疑っている。

だがその日、奇跡は起こった。
同じソファーに座らず、ソーシャルディスタンスをとり
その結果、なんと生まれて初めて、『全く興味のない映画』を最後まで見終え、
しかも120%の集中力の結果面白いとさえ感じたのだ。

こっちに座りなよ、体、疲れない?
など、幾度にもわたり気遣いというベールがかけられた
「近くに引きつける、魔法の甘いことば」をもかわした、
自分の自制心をほめてやりたい。

そもそもこれはデートだったのか。
ちがう、散々お姉さんぶってたじゃないか。
自分が意識しただけで、向こうはそんなこと微塵も思ってなかったかもしれない。
飛んだ自意識過剰だ、22歳に謝れ。笑

指一本触れずに彼が帰宅。
一息ついているとお礼のメッセージが届いた。

******
今日はありがとう!
本当のところ、家に誘われた時

I thought you wanted play with me !
(僕と体を弄りあいたいんだ、と思った!)

だって女の子って、男の人滅多に家に呼ばないじゃん!
でも何もなくてよかった、普通に相談ができる人に出会えて嬉しい。

******

彼の名誉のために言っておくが、いい子だったことは間違いない。
問題は
『えっちぃーなことするんだって思ってきた!』
と言ってしまう、この22歳の無邪気さよ!!

可愛いと捉えるか
それともマナーのない男の空気が読めない発言として捉えるか
それは私の大人としての器にかかっている。

この文章、添削先生するとさ、

******
今日はありがとう!
本当のところ、家に誘われた時

I thought you wanted play with me !
(僕と体を弄りあいたいんだ、と思った!)

だって女の子って、男の人滅多に家に呼ばないじゃん!
でも何もなくてよかった、 

普通に相談ができる人に出会えて嬉しい。

******

↑これだったら完璧だったくない?

私たちは2回目会うことはなかったので
この話はこれで終わりなんだけど


ただ一つ。


男は何歳でもオオカミなのよ、気をつけなさい。

【教訓:初デートでは絶対に、殿方を部屋にあげるべからず】


終わり!


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