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樹 海 

遠くから見ると豊かな緑に覆われて見える森林。
その豊かな森林も、決して安閑として生きて居られるわけじゃないらしい。
台風や大雨による洪水に、山火事などといった災難もある。
さらに、このごろ聞くのが、松枯れ病。
松枯れ病は、戦後の米軍駐留によって持ち込まれた、マツノザウセンチュウが棲みついて、広がったらしい。
家の周りの山を歩いていると、赤くなっている松を見かける。
なかには立派な松もあるので、可哀そうだし、もったいない。

もう一つは、ナラ枯れ病だ。
正式には、ブナ科樹木萎凋病といって、カシノナガキクイムシという虫が原因らしい。
主に、コナラやミズナラの被害が多いらしい。
なぜ最近急に増えているのか。
コナラといえば、かつては薪や炭になる木で、成長が早く、伐採して数年たつと再び伐伐されるので、大木はほとんど無かったらしいが、今は薪炭需要などないので、放置されたコナラが大木となり、大木が好きなカシノナガキクイムシが入り込んで、枯らすらしい。
さらに温暖化が拍車をかけているのだろう。

行く手に倒木がみえる
風で折れたのだろうか


松枯れ病も、ナラ枯病も、結局は人間の行いが根本にあるらしい。
農地には農薬があたりまえなように、森林にも農薬を振りかけるのがあたりまえ、という時代がきているのかもしれない。
今年の変な気候、まったく雪が降らない冬、こんなことは初めてだ。
来年は、倍返しで日本中が豪雪に埋まってしまうかもしれない。

ブナの森は明るくて風が通る
気持ち良くて思わずシャッターを切った


高橋延清著「樹海」を読んでいたら、本気で心配になってきた。
「樹海」では、こんな時代だからこそ、「森の心を見よ」と結んでいる。
そのこんな時代から、すでに30年が経過したが、残念ながら森の心を見た人は少なかったようだ。
せめて、樹海の森を写真にして、発信しようとおもう。
水越武さんのような写真は撮れないが、岩手には、小さくなったとは言えども「樹海」が、残っているのだから。

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