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2021.2.5「ミルじい」


今日はコーヒー豆を切らしたので、近所の豆屋へ。

ここは3店舗あるうちの1店舗で、おじいさんが一人で切り盛りしているが、第一印象として店内が汚い。
不潔という意味ではなくて、狭い店内に物が乱雑に置かれている。掃除してあげたい。
だからもちろんインテリアもクソもないし、何十年前のか分からないメリタやカリタのミルが普通に売られている。(ちなみに最近カリタのミルが無くなったので誰かが買ったのかもしれない。気になる。)

正直最初入った時は「もう行かないかも」なんて思っていたが、豆が安い上に美味しくて結局リピーターになってしまった。
それでもおじいさん店主とはまだまともに会話したことがない。

しかし今日は違った。
注文した豆を袋詰めしてもらってる間、何気なく見たいつもの汚い棚(失礼)に「1kg 1000円」の豆がしれっと売られてることに気づく。今まで気づかなかった。
ここのブレンドは200g 600円なのでかなり安い。
思わず「ちょこちょこ買うよりこれ買った方がお得ですかね?」と聞いてしまった、ちゃんと喋ったことないのに。
「計算してみて」。おんじは振り向いてにやりと笑いながらそう言った。
それを皮切りに「ここは長いんですか?」と話しかけると、滝のように色々話してくれた。


「すぐそこに〇〇って言う喫茶店、あるでしょ。あそこは何でずっと店を維持できてるのか、不思議でしょうがない。」と言い、
「そこで働いとった子がよくうちへ寄ったもんでどうなってるか聞いてみたけど、なんも教えてくれんかった」と、市原悦子ばりの探りを過去に入れていたことを教えてくれた。

「あとそこにカレー屋できたでしょ。あそこは昔豚カツ屋でね、そこもどうやって維持してんのかとそこの中華料理屋の人と話したことがあったわ。あそこはどんな店が入っても潰れる」
どうやらこのおんじは近所の飲食店の経済事情に興味津々なのだ。

私が「でもそのカレー屋さん、そこそこ流行ってそうですよ」と言うと
「いや、僕が帰る頃はがらがらだよ」としっかり観察していた。

あとはおんじは「〜したらいいよ」が口癖らしい。

「珈琲の話聞きたいならうちの社長が〇〇支店にいるから、行ってみたらいいよ」

「〇〇珈琲は焙煎もやってるから見に行ったらいいよ」

「ここらの氏神様は〇〇神社だから、行ってみたらいいよ」

「(名刺を見せながら)この人パソコン得意だから、わかんないことあったら聞きに行けばいいよ」


もう私はお腹いっぱいである。
おんじはずっと誰かと話すことに飢えていたのだろうか。
車中に残した野菜たちが気になり始めたので、会話を切り上げ店を出た。
最後はお見送りしてくれた。

内心ずっと話してみたかったので、気さくな人で良かった。

私は生まれた時から祖父母が全滅していたので、シニア世代の人と話すのが好きだったりする。

コロナで人と会うことが極端になくなってしまったので、嬉しかった。
今日早速氏神様にお参りに行ったので、今度お店に行ったら報告しよう。


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