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#404図書館

ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか: case1

「ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか」

「え?なに?」

「だから、ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか」

「トルコ語で」

「Be... えーっと、d...... dü... düşündüğüm yeni... yenilmez....... ああ!やっぱりダメだ!これじゃあ『僕が考えた最強のアフリカ』になってしまう!」

「違うものなの?」

「全然違うよ!俺が言ってるのは『ぼくがかん

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愛や工具に近いもの。看板にも液体にも見えるもの。とにかく、責任だけは背負いたくないものです。

 縄が切れ、"こけら"が落とされた。
"こけら"は、踏み固められた雪道の上に下品に転がった。観衆は屈強なガードマンと真面目そうな係員たちに囲まれながら、固唾を飲み、それを見守った。"こけら"の方ではなく、自分の足元を気にしながら歩くただ一人を除いて。
「あの、この辺りに柿が落ちていたはずなんですが…」
係員の一人に、青年が声をかけた。
係員はよく訓練されているので、青年を無視し続けた。
「あの、こ

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エントリーNO.404

「総ては永久から始まった」
           ミヒャエル・ペーターゼン

1.
 耐え難い賞賛の雨が降り出した。苦悩や苦役よりも、賞賛の雨の方が厄介だと思う。反発心にもならないから、教育にはならない。もちろん革命にも繋がらないし、側から見てもつまらない。また、期待に沿えない申し訳なさも生みかねない。だから、賞賛の雨を一身に受けて何かに挑んだ僕は、真っ逆さまに落ちた。地面スレスレでなんとか揚力を

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