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何が君の幸せか

仕事を辞めてからずっと考えていた。

何が私の幸せなのだろうか。

でもずっと脳みそをかき回されているような感じで何も考えられなかった。
何も考えないまま、とりあえずやった方がいいのではと資格の資料を見たりした。
とりあえず簿記の勉強とかしてみるかと参考書を買ってみたけれど進まない。
何も考えられないから。
ノートと参考書を開いて、机に頬杖ついてぼーとしていた。
頭の中が真っ白だった。
私は何もできなくなってしまったのではないかと悲しくなり現実逃避をするように布団に潜り込んでスマホばかりいじっていたのだが
ふと、趣味だったお菓子作りをやってみようと思い立った。
仕事に忙殺されている期間、手をつけようにも仕事終わりも休日も疲れて出来なかったのだ。
前は作っているだけで楽しくて出来上がったものを食べては幸せだと思っていた。
それだけでよかった。
そう、それだけでよかったのだ。


自分でお菓子を作って温かいコーヒーを飲み
猫の幸せそうな寝顔を眺める


これが私の望んでいた、昔得ていた幸せだったと思い出した。
焼き菓子を頬張りながら、温かいコーヒーを飲み込んだ瞬間にストンと
心の真ん中にぽっかり空いていた穴が埋まるのを感じた。
この数年間、そんな事すらできていなかったのだ。
それ程に余裕がなかったのだと改めて気付かされた。
日常に溢れている幸せに気づけなくなっていた。
自分を思いやれないと心は死んでしまう。
自分にとっての幸せを見ないふりをして過ごしてしまえば痛いしっぺ返しをくらうことになる。
幸せだと思える時間を作る働き方が大事なのではないかと、今更思う。
日常に溢れている幸せに気づけると言う事は自分を保つ上で大切な事だと思う。
景色を見て綺麗だと思ったり、動物を可愛いと思ったり、映画を見て感動したり、何かを食べて美味しいと思う事。
そういう事を少しずつ拾い集めていく。
そういうもので溢れた優しい世界で私は生きていきたい。
それが私の幸せだという事を忘れないように、また失くしてしまわないように留めておきたいと思う。



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