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「"あなた"の輪」ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期12話感想

いーーーーーーーーーーや今週もえげつなかったですね!毎回毎回こんなことばっか書いてはじまってますが回を重ねるごとにえげつなくなっているんですよ!

今回のお話は、それぞれがそれぞれの「背中を押す」ということのすばらしさという、ニジガクを通しての「表テーマ」たる物語に一区切りついたものとなりました。それは、一期で「束縛」の関係にあった歩夢ちゃんと侑ちゃんの2人が、どうやって乗り越え、お互いの背中を預けあっていったのかを通じて描かれていました。記録と呼ぶには大きく、記憶と呼ぶには小さいこの出来事を、ぜひともあなた自身の手で振り返ってみましょう!

彼方ちゃんに2人が相談したわけ

今回の最大のポイント、それは「なぜお互いの悩みを彼方ちゃんに相談しに行ったのか」ということです。もちろんお互いがお互いに打ち明けることはできないし、そうなってしまったらまたあの時の二の舞になってしまうのは自明。だとしたら、そんな時に相談できる相手といえば…?というのが今回の肝でもあります。

侑ちゃんはなし崩し的に、というのもありましたが「彼方ちゃんからドンピシャで聞かれて」相談していました。なんですがそれ以後は彼方ちゃんが巻き込まれる形になっています。ここの対比がちょっと面白くて、まるで「波」のようになっているんですよね。一つの波が、また一つの波を呼び起こして、そこから出来事が連なっていく。そんな気がします。

私自身が注目しているのは、「実は彼方ちゃんこそが"波"を丁寧に起こせる人だったからではないか」というものです。それはいわゆる「偶然と運命」のようなものでもありますが、コミュニケーション上にちょっとしたトリックがあると私は考えます。理化学研究所の過去の研究にこんなものがありますのでちょっとそちらを。

人間同士の発話のリズムが同調すると、脳波のリズムまで同調することが示唆された2013年の研究です。歩夢ちゃんと侑ちゃん、そして彼方ちゃん。よーくよく耳を澄ましてみると、会話のテンポがかなり似通っているようにも思えるんですよね。だからこそ波を起こせるんじゃないかな、と。

また、じはんきが強く推しているビジネス誌でおなじみハーバード・ビジネス・レビューでは、こういった研究も載っていました。

強い脳波の同期は優れたリーダーを呼び覚ます。こう書けばなんとなく自然ですが、これまんま今回の彼方ちゃんだったなぁと思っています。コミュニケーション上で相手へ共鳴する力がずば抜けているんですね。だからこそ、2人にとって強力な相談相手たりえるものになっていたのです。

どこにだって「あなた」がいる

さて。今回のお話では「ニジガク以外のあなた」というものが初めて描かれました。これまでのお話の流れの中で重要なピースだった侑ちゃんの「火入れ」。それでも彼女は「あなたちゃん」であるということを示すとともに、私たちひとりひとりがもういちど「あなたちゃん」であったことに気づくものでもあったと思います。ここでひとつ画面の前の「あなた」に質問をします。スクールアイドルを取り巻く「要素」とはなんでしょうか?そしてそれはどれくらいの数あるのでしょうか? 私は以下のように考えます。

一つは「パフォーマンス」。"アイドル"である以上、歌やダンスといったパフォーマンスは強烈に意味を持ちます。それは次にあげる「想い」を伝え合う時にもっとも効力を発揮するものの一つです。しかしながら、ただパフォーマンスがずば抜けているだけではひとりよがりになってしまうかもしれません。でも実はランジュちゃんはそうじゃなかったりするから面白いですよね。

一つは「想いの伝達」。想いを伝え合う人はみなスクールアイドルです。しかしながら、それは形を持つものではありません。自分や他人にまっすぐにいられること。そしてそれがみんなを幸せにすること。それこそが、彼女たちがここまでこれた「本質」のようなものだとも思っています。

今回のお話で描かれたのは何を隠そう「支えあうこと」です。それは単なる自助などのようなものではなく、ひとりひとりのあなたちゃんがあまたのスクールアイドルを支えていく。そしてそれが波のように広がっていく。だから2人は離れていても、ずっとつながると気づくことができたんですよね。

直接つながる距離じゃなくても

歩夢ちゃんが種を蒔きにいこうとするイギリスは、リアルなことを話せばシャンプーやスパイス・ガールズ、ワン・ダイレクション、もっと言うとスタジオにこもる前のビートルズを生んだ国でもあります。決してアイドル不毛の地というわけではないんですが、ここでちょっといろいろひも解いてみましょう。

スパイス・ガールズの代表曲「Wannabe」には「zig-a-zig-ah」という歌詞があります。そのまんま訳すとこのブログにはふさわしくない言葉なので割愛しますが、もうちょっとぼかして言うと彼女たちの登場とともに大きく勢いづいた「ガールパワー」を象徴する言葉なのです。

この曲とこのムーブメントが示すもの、それは「自立」です。ここまで聞いておお、って思った方。握手しましょう。ラブライブ!シリーズにおいて自立を描いた作品といえば真っ先にこれですよね。

種を蒔きに行く歩夢ちゃんの行き先がイギリスなのは、間違いなくこのムーブメントと同じ流れの中にあるのではと思ってしまいました。だから、「離れていてもつながっている」ということを一度描いていく必要があったんですね。

Re : First Live with…

さて。いよいよもって彼女たちは、本当の意味で「自立」できるように彼女たち自身で1stライブに臨むこととなります。以前は空中分解してしまったあの頃も、いまや昔。どんな世界が繰り広げれられるのか今からワクワクしています。せつ菜ちゃんの「MELODY」など、多くの予想があったりしますが、私自身はここで「R3BIRTHの新曲が出るのでは?」という期待がちょっとだけありますね。それはなぜかというと、彼女たちがこれまで歩んできたり、学んできたことの集大成としてのステージを披露するんじゃないかというものです。

ランジュちゃんはお互いに歩んでいく存在の尊さを確かめ合うため、栞子ちゃんはあきらめかけていた夢をもう一度叶えにいった強さを証明するため、そしてミアちゃんはそんな2人と一緒に、今いる居場所のすばらしさを伝えるため、ステージに立ちにいくのではと。もしそうなったら、こんなにうれしいことはありません。

さあ、覚悟はできています。いざ本番へ!

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