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「進むべき道へ」ラブライブ!スーパースター!! 2期2話感想

新しいメンバーが加わり、ますます色の増したLiella。しかしながら、その目標の高さから壁も広がるばかり。そんな中で彼女たちがとった結論は、果たしてどんなものであったのか?
彼女たちだからこそかなえられるものがあり、彼女たちだからこそ目指せるものがある。今日はそこに切り込みます。

距離と「自分」の関係性

今回のお話でクローズアップされたのは「距離」だとっています。それは心だけではなく、体力的なものまで。1年生と2年生というタイトルではありますが、きな子ちゃんからのシグナルを中心に、その深さが見事なまでに浮き彫りになっていました。ここで注目したいのが、これからりえらちゃんに入る1年生の4人が「強烈なまでの自分を持っていること」です。

特にそれが如実だったのはメイちゃんでしょう。「キャラ」というものではなく、中にしっかりブレない「自分」を持つ。それがあるからこそ一歩を踏み出すことができるスタートラインになる。彼女の場合は、スクールアイドルとして最も重要なものの一つである「真っ直ぐに向き合う意思」を持っています。誰よりも深く現状と向き合い、答えを出してゆく。だからきな子ちゃんはそれに触れたことで、一つ先へ進むことができたのですね。

1年生の誰かが「いえいえ、私なんて」と言っていたのを覚えているでしょうか?あれは対比のようにも聞こえますが、それはきな子ちゃんも一緒だったはず。きな子ちゃんが持っていたのは「一歩目を踏み出す勇気」であり、それが一番難しいことでもあります。壁が高そうに見えて、実は波を感じればそうではなくなる。このギャップをどう埋めるか?は、これからに向けても大きなターニングポイントになる気がします。

目線を誰に合わせるべきか?

あまりにも新入生が入ってこないので、目先の目標に合わせて練習メニューを変えるという衝撃的な方針が発表されましたね。ちょっとここについて触れてみたいと思います。りえらちゃんは新入生を集めるパワーさえあれど、「スポーツ特待生」のような制度はありません。これはできたばかりの高校であると同時に、「波は誰でも起こせる」ということを表したかったのではないかなぁと個人的には感じます。

5人の星はそれぞれを表す「角」であると同時に、スーパーヒーローのような描かれ方をされています。でも、優勝候補といえどさらに技術のあるアイドルも、もしかしたらいるかもしれません。そうなってきた時に「なにで勝ち進んできたか?なにを叶えてきたか?」というのは先輩たちが教えてくれます。みんなで一緒に叶えていくこと、楽しんだ末に名前を刻むこと、そしてそれさえも選ばず自らの手で居場所を作った者たちまで。彼女たちが何を選んでいくのかは、これからの経験しだい。

ここまでのりえらちゃんを見ていて感じるのは、歴代でも非常にストイックなスクールアイドルであること。それの原体験はありったけの思いをぶつけて敗れ去った大会にあり、そこでまだ何も結果を残していないという想いからです。私は何度か「焦り」という言葉を使ってこれからを観ようとしましたが、もしかしたら何かに気づいていき、歩み寄っていくのかもしれませんね。楽しさを広げたいという想いと、勝ちたいという思いは全くの別物ですから…

きな子ちゃんの叫び

1話に続いて中心として描かれていったきな子ちゃん。彼女を通して見えたものは、何度か触れている通り距離、勇気、そして結いの形。それに加えて私が見据えたのは「水を運ぶ人」という立ち位置です。サッカーの世界では、泥臭く相手とやりあい、献身的な守備とパスで味方に貢献するMFの選手のことをこう読んでいますが、おそらくきな子ちゃんもいずれはそんな感じになるのではないかなぁと。

水を運ぶ人、というものはオシム監督の怒りから生まれた言葉ではありますが、現代のフットボールというのはむちゃくちゃシステマチックで意図を込めた動きが最重要なので「当時の」という前置詞がつくにはつきます。それでも、自らハメにいくマケレレやさわやかなプレーを信条とする福西とは違い、きな子ちゃんの「水を運ぶ人」というのはやや特殊です。想いの結い人と言った方がよろしいでしょうか。もちろんスタンドプレーなんかではなく、純粋で感じたままの思いをみんなに、そしてそのまま恐らくステージにも持ってくるのだと。

きっと伝わると思うんです。大変でも、やりたいことを続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって!みんなが一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかって!そう思うっす!!

今回1番衝撃を受けたのはこの瞬間でした。先をも見据えてというわけではなく、まっすぐな想いがみんなを突き動かす。やっぱりこうでなきゃ、ですね。

影響しあって明日を作る

さて。きな子ちゃんの叫びで我に帰った2年生の先輩方でありますが、元々は「周りを気にせず、己を貫く」というメイちゃんのアドバイスあってのもの。それを可能にしたのはきな子ちゃんの勇気であり、触れている通り真っ直ぐな思いからです。楽しさを伝えることと勝つことは別物ですが、相反するものでは無いのだと。人は誰からでも学ぶことができます。先輩だったり、後輩だったり、先生だったり、友達だったり。そこに「立場」はなく、ただそこにはその人となりだけが存在します。

そういえば、スポーツの世界ではこんなことがありました。現広島東洋カープの秋山翔吾選手は、新人としてチームに入ったばかりの森友哉選手の体の使い方を見て学び、イチローを超えるシーズン安打の日本記録を打ち立てました。これが実証するのが、先ほども話した「誰からでも学ぶことができる」の真髄です。それに頼らず己を貫くこともできますが、自らの成長のためには、やっぱり「きな子ちゃんのようでなくては」ならないのかもしれませんね。

あたらしいライバル?

最後にポツンと出てきた紫の髪をした「謎の少女」。こちらについてもちょっとだけ触れていきましょう。個人的には制服や「眼」からして、新しいライバルなんじゃないかなぁと思います。推測できるのがそれらや次回予告のタイトルぐらいしかないのでなんとも言えないのはありますが…

さて。圧倒的な実力を持って立ちはだかり、切磋琢磨しあうというのはよくありますが、これまでのシリーズにおける「ライバル」というものは単なる「バトルもの」だったりとは少々異なることは留意しておかなければなりません。A-RISEならば「憧れ」、Saint Snowならば「イデオロギー」と言ったようにそれぞれの主役グループに対しての「違った道」が際立つような形になっています。大会としてのラブライブは、単なる思想のぶつかりあいではないと思うのです。

そんな中で彼女がどのように活動していくかは非常に楽しみであります。どんな子か想いに耽るのが、一番楽しい時間でもあるので…

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