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「小悪魔教師サイコ裁判」始まる!~初日に被告が来ないわけ~

ど~もぉ。家刑ジゴロです。
また風邪が流行しているらしく、オイラも風邪をひいてしまい(多分旦那からうつされた)昨日より潰れてまして、寝ながら書いております。

さて。
先日記事にしたこの事件の裁判が2023年11月2日に始まったそうですね。
事件の概要については以下リンクをご覧ください。

やはりこの裁判、漫画フリークにはかなり注目があるようで(そもそも作品自体人気あったからね)、
そして、事件の内容も傍聴マニアの皆様から注目を集めていたようでして、このように傍聴レポも出ています。(このままツリーが流れますので参照お願いします。イラストはポスト主の「地裁でひっそり」さんによる法廷画です)

他にもこのようにまとめ記事を出してくださっている方がいまして、読んでみたところ、「これはなぜこうなるかというのを知ってるオイラが記事を出さないとやばい」ということで、今回はこちらのまとめブログ様への完全ひとりよがりでおせっかいなアンサー的な内容になります。

文面に

合田蛍冬氏のブログにて、第1回目の裁判の結果が発表されました。
なんと、ぶんか社側はこの裁判を欠席。ええ…。
「徹底抗戦」の姿勢をみせたとのことで、本来は非公開でのWEB裁判を希望していた模様。
次回(12/14)以降では出廷がルールとのことですが、う~ん…。

上記ブログの記事より

とありまして、皆さんも「なんでや!!」とお怒りの方もいるんでしょうが・・・(そりゃそうだ)

結論から先に言っちゃうと、「初回期日は被告は出廷しなくても大丈夫」なんです。

ただこれも、実は「ちゃんとした理由」があるんですよね・・・。

これを説明しておかないと、今後いろんな裁判で誤解がありますし、
もし、自分が民事裁判を起こすことになって、これを知らずに余計に傷つくことがないようにということで「なぜ被告が肝心な裁判の期日に来なかったのか」ということについて書いていきたいと思います。
原告の合田先生にも担当の弁護士さんから説明を受けていることを祈りつつ・・・。

まず、裁判の訴えを起こして(提訴して)、担当する民事部が決まったら、1回目の裁判期日が決められるんですが・・・

 実は、裁判所と原告の都合のいい日程だけで決めてしまうんです。
 それから、被告のところに訴状(事件番号も記載されてる)と、提訴した時に出された原告側からの証拠、そして「この日に裁判やるので来てくださいね」という「呼出状」「この訴えに対しての反論を出してくださいね」という「答弁書催告状」(この2つは一緒の1枚の紙になってくるそうです)などが「特別送達」というものすごいタイプの郵便で送られてきます。手渡しですよ。ハンコいるとか?不在の時は持ち帰りになるそうです。

 この答弁書の提出期限が、第1回期日の前までに出さないといけない(ちゃんと期限は書いてあるそうです)んですが、実はこの答弁書を出しておけば、第1回目の期日は被告は誰も出席しなくても、不利にはならないんです。

これを「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」と言います。

なぜ、初回期日に限り、この擬制陳述で大丈夫なのか?

 先ほど話しましたが、初回期日は「原告と裁判所の都合のいい日と時間」で決められてしまい、正直被告のご都合は一切聞かないで決めちゃうから(そりゃ、ある日突然郵便で訴状が来るからなぁ)、それを「様々な理由で出られない」となると、あまりにも被告側がかわいそうすぎますよね?
 代理人弁護士を立てたとしても、弁護士の先生はメチャクチャお忙しいので、急に被告になってしまった依頼主から
「この日が初回期日なんで行ってくださいお願いします!!」と言われても、予定がすでに入ってたら、もうそこで弁護士さんは初回期日行けなくて(他の方の裁判をキャンセルするとなったとしたら、その方から怒られてしまいますしね)、依頼主に逆に怒られてしまう可能性だってあるんです。

 そうなると、公平な裁判ではなくなってしまうので、初回期日に限っては、「答弁書を出せば、実際に裁判所に来なくてもその日出席したことにしますよ」と扱われ、次回期日以後は、期日の終わりに裁判官が「次回ですが、この日の何時どうでしょう?」と原告と被告両方にお尋ねしますので、全員の日程が合う日と時間帯で決められますから、2回目期日以降は弁護士だけでも出廷しないとやばいです。
まず、書記官から被告にメッチャ怒られるとか?

 答弁書の用紙は訴状が送られてくる時に裁判所から用紙が送られてきて、「コレに反論を書いてくださいね~」って感じですが、弁護士さん付けたら、弁護士さんがパソコンで別に「答弁書」と銘打って書面を作ってくださる感じです。

とはいっても、大体文面は
① 原告の請求を棄却する
② 訴訟費用は原告の負担とする
との判決を求める。
という、いわゆる「三行答弁」と呼ばれる文面で構成され、全面応訴の姿勢が多いですね。
あとあるとしたら・・・「主張は追って準備書面で」とかぐらいかなあ?


 オイラも何件か気になっている裁判資料を閲覧するのでその中に訴状もあるわけですが、中には答弁書の中に、被告代理人弁護士の先生が
「明らかに初回期日行けねぇじゃん!!」と分かっている先生は、
「当日差支え(行けないよっていうアチラの業界用語みたいな感じの言葉)なので、この書面をもって擬制(陳述)とする」
と最後に書く先生もいらっしゃいますね。

あと、ブログによると、
「公判期日はウェブ会議を希望」とありますが、
 ぶっちゃけ、コロナ渦よりウェブ会議による「弁論準備期日(非公開)」である程度進めるやり方が増えつつあります。
 が。
 実際にウェブ会議期日にするかどうかは裁判官が決めるので、希望を出しても通らないこともあります。

 何故か。
 裁判は原則公開の場で行うと法律で定まっているから。

「ずっと公開の法廷で進行するのが厳しい場合」にウェブ会議期日が初めて認められる感じに見受けられます。

 この裁判の場合、原告の合田先生が遠方にお住いのようなのでウェブ会議期日行けるんじゃないか?と思われるかもしれませんが、代理人弁護士が東京の先生ですし、基本、代理人弁護士を付けたら、よほどのことがない限り本人は当日出廷しなくていいんですよ。弁護士はそのための代理人ですし。
 まぁ、来た方が後々いいこともあるんですけどね。
 勝訴した後にその時かかった費用など、多少相手方に請求できるらしいので。

 

 とにかく、裁判はまだ始まったばかりです。
 今回の記事は、ぱっと見、被告の出版社よりの文面に見受けられそうなので、「お前、前のエントリで原告の合田先生を応援してたのになんだその手のひら返しみたいな態度は!!」とお𠮟りを受けそうなんですが、オイラは合田先生を引き続き応援していることは変わりはありません。

 ただ、裁判進行に関して、いらぬ誤解の発信があった場合、逆に不利になっちゃったりすることも無きにしも非ずということで、「オイラの知っている範囲で」という激狭な範囲になりましたが、「民事裁判・初回期日のホントの話」をお届けしました。

 参考になれば幸いですし、間違いがあったらおっしゃってくだされば訂正いたします。

最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。



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