トイレが大変なことになったから地獄だ・・・

昨日の夜のこと。

トイレに入って3秒後、うしろから「バタバタバタ！！！！」という音がした。

でかい蛾が窓のあたりで暴れていた。

「ﾋｯ」

出るものも出なくなったので即座にトイレを出てドアを締める

・・・

――殺るしかない。

しかしどうやって？

ここは安定の殺虫剤・・・？

台所の棚をあさり、アースジェットを手に取る。

アースジェットは効き目が強い感じはあまりしないんだけど、他のスプレー系殺虫剤の中では安いのでつい買ってしまう。

トイレのドアの前に立つ。

ドアを開けた瞬間に蛾が出てきたら、もう今夜は眠ることは出来ないことを覚悟しなくてはならない。（広い部屋で倒せる気がしない）

ここで決めなければ・・・。

ドアを静かに開ける。

蛾は窓にひっついていた。定位置らしい。

ドアの開き具合をスプレーの吹出口レベルまで小さくして・・・噴霧！！！

そしてすぐにドアを閉じる！！

バタバタバタバタ！！！！！！！！！！！！！！！

トイレの中から蛾が大暴れする音が聞こえる！

そして壁に当たる音もパン！パン！パン！パン！！と絶え間なく続く。

モンハンライズで壁にぶつかるモンスターみたい。

というようなことを一瞬考えたけど、すぐに我に返る。

事態はまだ収まっていない。音は鳴り止まない。

やはりアースジェットは効き目が弱い・・・？（そもそも蛾に効くの？）

ポトッ・・・

なんだか蛾が地面に落ちたような音がした。

扉を静かに開ける。

蛾は地面に落ちていたが、まだ生きているようでこちらに向かっておもむろに歩いてくる・・・！

思わずまたスプレー！　そして同時に飛ぶ蛾！！！

ドアを速攻で締める！

やはりアースジェットは効き目が薄いのか！？

・・・また壁にぶつかったり地面に落ちたりを繰り返す音が聞こえる。

ああ――よくよく考えると酷いことしてるなぁ。

でもごめん、キミがいると安心してトイレが使えないから――。

ポトッ・・・

数分後、蛾が地面に落ちた音らしきものがして、静かになった。

ドアを開ける。

蛾はひっくり返っていた。

しかし足はまだ動いている。

この状態でトイレットペーパーに包む？

いやでも包もうとした瞬間に飛ばれて顔についたりしたら・・・！

　――　凍　殺　――

　！？

・・・そうだ。

数あるスプレーの中にあったはずだ。

そう、あれは前の職場でカメムシが大量発生した時のこと――

なんだかよくわからないけど、その年はカメムシが職場の周りに大量に押し寄せてきていた。

職場が下したカメムシへの対抗手段は、

アースジェットとほうきとちりとり。

当然、カメムシは凄まじい臭気を放ち、職場は地獄絵図となった。

・・・相変わらず地獄だこの職場。

私は耐えかねて、自腹でカメムシ用スプレーと、凍殺ジェットを買ってきたのだ。

そしてそれを買ってきた途端、なぜかカメムシの襲撃は止み、スプレーは私の手元に返ってきたのだった――

・・・

そうだ、凍殺だ。

これなら動きを完全に止めることが出来る。

早速台所に戻って凍殺ジェットを探す。あった！

ドアを開けると蛾は虫の息。しかしまだ足は動いている。

「凍殺！！！」と叫んだわけでないけど、スプレーした。

蛾は2秒ほど当てただけで白くなり、動きが完全に止まった。

生命活動を停止…死んだのだ。

蛾をトイレットペーパーに包む。

流す。

今夜は枕を高くして眠れるよ・・・。

と、ふとトイレをよく観察してみる。

なんだかそこら中にススのような黒いあとが大量にあるんだけど・・・？

・・・ハッ！？

鱗粉。

自然に関わることから遠ざかりすぎて忘れていたけど、蝶の羽には鱗粉というものがついていると習ったことがある。

顕微鏡で見ると魚の鱗みたいに見えるので鱗粉・・・

調べてみると、空気抵抗がどうのこうので飛ぶのを助けたり、防水効果があるらしい。でも鱗粉がないのに別に支障がない蝶もいるらしい。なんなの？

ということで、蛾の処理のあとはトイレの鱗粉落とし・・・

地獄だ・・・。