心上向く四歩(与党の政策部会)

久々の更新。

日曜日も半分が終わってしまいましたね。(焦)

今日は生憎の雨なので、気分転換にと珍しくcafeで執筆しております。

さて、今回は与党の政策部会について記事を書きます。

与党と言っても自民党についてです。
(他の政党は気が向いたら書いていこうと思います。)
とりあえず、今後も基本は自民党について書いていきます。その方が一般的な需要はありそうなので…。

どこの政党も結局は自民党の仕組みを参考にしているので自民党を押さえておけばOKだと思います。

自民党において政策を司るのは政務調査会と呼ばれる部署になります。(各党にも同様の部署あり)

そのトップは政務調査会長であり、党三役(幹事長、総務会長、政調会長)の1つです。

基本構造として政務調査会には政調審議会と各部会があり、政策別にそれぞれの部会において日々会議が開かれています。

①政調審議会(略称、政審。以下同)
政策部門の最高意思決定機関。
政調会長、会長代行、代理(複数)、副会長(複数)で構成される合議体です。
各部会で審査を経た案件が持ち込まれます。(いきなり政審にかけることはできません。いずれの案件も1回は平場での議論(審査)を必要とします。)

②部会
自民党政調の基幹会議体です。
基本的には中央省庁に比例して設置されています。(内閣第一、内閣第二、総務部会、法務部会、外交部会、財金部会、文科部会、厚労部会、農林部会、水産部会、経産部会、国交部会、環境部会、国防部会)
推測の域は出ませんが、農業、漁業は自民党の大票田でもあるため、水産部会は独立して設置されていると思われます。
所管が広すぎるため、内閣部会は茂木政調会長時代に2つに分割されました。(第一と第二で優劣はないそうです。)
以下に挙げる会議体をそれぞれの部会は従えており、各案件の平場での最終的な出口として機能しています。

③調査会
国家の基幹的な問題について議論する目的で設置されています。
様々な調査会が存在し、調査会長はそれぞれの案件に関係する族議員のトップクラスだったりもします。

④特別委員会
複数省庁に跨る横断的な案件や専門性を持って継続的に集中して議論をするために設置される。党内での権威は各調査会長に若干劣る見方もあるが、族議員としての影響力は十分に行使できる。

⑤特命委員会
時限的な案件に対して設置される会議体。特にそれ以上のことは特にない。

⑥(直轄)本部
政調会長の下に直接置かれる直轄本部。

⑦(79条、総裁、幹事長)本部
自民党の党則79条に基づいて総裁(幹事長)の下に置かれる会議体。
厳密に言うと、これは政調の会議体に含まれないが、法案や政策案を審議する会議体であることは間違いない。

自民党に限って言えば、上記の会議体群によって政策案や法案が審議されています。(それぞれの会議体の下にPTやWT、小委員会などが更に付随している場合もある。)
勘違いされやすいのは⑥の本部と⑦の本部でしょうね。(見ていると、マスコミでも区別がついていないと思われる記載も散見されます。)
ちなみに、⑦の本部で何かを審議する場合でも、政策や法案が絡む場合には対応する政調内の部会を通して、政審へ諮ります。(ラインの複数化を避けるため)
こうして政審を通過した案件は最終的な意思決定機関である総務会へと送られていきます。(基本的に同日か同週)

最後に、
部会以下の会議体から政審(とそれ以降)の流れを示しておこうと思います。

(1)
部会→政審→総務会→(案件によって与党政策責任者会議)→(閣議決定)→国会

(2)
調査会や特別委員会、⑦本部など→部会→政審→総務会→(案件によって、与党政策責任者会議)→(閣議決定)→国会

(3)
小委員会やPTなど→調査会や特別委員会、⑦本部など→部会→政審→総務会→(案件によって、与党政策責任者会議)→(閣議決定)→国会

(4)(数は多くないが、案件によって)
⑦本部→政審


概ね、このような感じで各党内の党内手続きというのが進んでいきます。

これらのフローを眺めていると、手続きはきちんと則ってすることが大切!と言わんばかりの儀式的な雰囲気も否めませんね…。苦笑

しかし、野党や一部の有権者から叩かれている法案などがこのような厳格な一連の手続きを経ているのもまた事実です。

与党として厳しい調整の中で現実的なラインの中身に仕上げていると捉えるか、そんだけ複雑化するからあんな中身になるんだと捉えるか、そんなに複雑なのにあんな中身なのかと捉えるのか…。
それはあなた次第です。


(ちなみに、次は他国への政府援助について書いていこうと思います。)



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