アベガーが知らない戦後の左翼と日韓史
アベガーさんたちのターゲットは統一教会に
凶弾に倒れた安倍元首相に対する激しい罵倒、中傷…。正直、信じられません。政治家が銃撃されてしかもそれで舞い上がる日本の左翼、リベラルには呆れます。普段、最も民主主義という言葉に酔うこの人々が最も民主主義とかけ離れた行為をまるで追認するかのよう。
そして新しい関心として統一教会を矛先にしたようです。統一教会(旧名は世界基督教統一神霊協会)と自民党、保守派は今、マスコミが騒ぐ通り深い関係にありました。統一教会が日本で根付いたのも一つには「反共」があり、統一教会の関連組織である勝共連合が一種のパイプ役になりました。
かつての日本の左派は親北朝鮮、反韓国だったため左派の機関紙で「韓国」を「南朝鮮」と呼んでいました。しかし90年代末、韓国内の「太陽政策」(北朝鮮への支援、融和政策)により韓国が左傾化すると一気に日本の左派も親韓になりました。今では右翼=嫌韓のイメージですが、「ネットで真実を知った左派」はおそらく「南朝鮮」呼称時代の日韓史をご存知ないのかと。
1998年の「明大ゴスペル愛好会襲撃事件」は左派嫌韓時代の最後の出来事ではないでしょうか。
南朝鮮から韓国へ呼称が変わる
かつて左派は韓国を南朝鮮と呼んでいました。これにはつまり大韓民国政府を認めないという考えがあります。しかし今やセクトの機関紙も「韓国」です。この辺りは左派からも疑問がなげられたのでしょう。赤旗がQ&Aで説明しています。
いろいろと理屈めいたことは書いてあるけど、それ以前の左派は明らかに韓国に対して敵意がありました。一つには軍事政権という点がありますが、今では韓国ベッタリのマスコミですが、常に民衆を弾圧する韓国政府という論調で報じていました。
もちろん親北朝鮮派が日本国内に多く、拉致が闇に葬られたのも頷けます。それに朝鮮総連の力が強く、民団にとっても脅威でした。そこで日本の保守派と韓国右派がつながるのはある意味で「必然」と言えましょう。
ゴスペルソング愛好会襲撃事件
日本の左派が韓国右派=反共団体に敵意を抱く。象徴的な事件がゴスペルソング愛好会襲撃事件ではないでしょうか。
1998年5月26日、解放派(革労協狭間派)が韓国人留学生が主体でキリスト教原理主義の影響下にある「明治大学ゴスペルソング愛好会」を襲撃するも返り討ちにあうという事件が発生しました。解放派が襲撃した理由は同愛好会が反共団体や反共活動の拠点になっていると考えたからです。
機関紙『解放(672号)』(1998年7月1日発行)にはこんな記述があります。
日本の左派が韓国政府と韓国メディアを名指しで批判するのは今の時代ではまずありえないことです。韓国政府の主張に乗じて日本政府をバッシングすることはあったとしても。
事件の背景には過激派とキリスト教原理主義の対立があります。しかし表層的には左派による韓国人サークルの襲撃事件であり、今の常識からすればありえないことでしょう。
民団も総連が怖かった
それからもう一点、民団(韓国系)と朝鮮総連(北朝鮮系)の関係も無視できません。今でこそ瀕死の朝鮮総連ですが、少なくとも拉致問題発覚以前は政治的にも影響力が強く、また民団にとっても警戒対象でした。
そういった韓国系が自民党や保守人脈に頼るのは必然的です。面白いことに今でこそ一応、自民党は民団が進める永住外国人の地方参政権に反対の立場をとりますがしかし昔の自民党の大物はみな「推進派」だったのです。
これもむしろ自民党と韓国の関係が良好だった頃の名残とも言えます。
私ももちろん統一教会という組織は好みません。しかしSNS上に巣食う人々の「統一教会がー」といった主張主はこういった歴史を知ることなくただ漫然とメディアに扇動されているような気がして。
それってアベガーの構造と同じではないでしょうか。結局のところ「統一教会がー」と叫ぶ人々はアベガーの亜種という見方もできます。
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