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4/12 ニュースなスペイン語 Vacunas y elecciones:ワクチンと選挙

来月4日に控えたマドリード州知事選挙。選挙活動(campaña electoral)の解禁が来週18日に迫る中、各党が11日、舌戦を繰り広げた。演説中、「ワクチン(vacuna)」、「自由(libertad)」、「極右(ultraderecha)」という語が飛び交う。

スペイン社会労働党(PSOE)の総書記であり、首相でもあるペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)は、国民党(PP)の選挙スローガン「サンチェス方式か自由か(sanchismo o libertad)」を念頭に、「今日の自由はワクチン接種によって得られる(la libertad hoy es vacunar y vacunar)」と述べた。

普段はおとなしく、応援演説のサンチェスに食われがちな、アンヘル・ガビロンド(Ángel Gabilondo)も声を震わせながら、「我々は今、好き勝手にマドリードを汚染させ、コロナを感染させる現状に立ち向かわねばならない。こんなのはうんざりだ。これはもはや自由とは言えない(Estamos contra la libertad de contaminar Madrid y estamos contra la libertad de contagiar. ¡basta ya! Eso no es libertad)」と支持を訴えた。

PSOEから集中砲火矛先となった、現マドリード州知事イサベル・ディアス・アジューソ(Isabel Díaz Ayuso)も負けてはいない。

曰く、政府は「私たちを助けてくれるなんてとんでもない。唯一してくれたことと言えば、私たち国民党を負けに追いやること。なぜかと言えば、政府はマドリードをコントロールできないからなんです。経済も、空港も、コロナも、何もコントロールできてないじゃないですか(Lejos de ayudarnos lo único que ha hecho es darnos por perdidos, dar por perdido Madrid porque no la controla. No controla la economía, no controla el aeropuerto, no controla la epidemia)」

こんな具合に、サンチェスの無能ぶりを痛快に批判した。

一方、知事選では存在感が薄くなった市民党(Ciudadanos)からの候補者エドムンド・バル(Edmundo Bal)も吠える。「今後は、一切合切、政治をワクチンの文脈で使うことをやめよう(Dejemos ya de usar de una vez por todas la política en las vacunas)」と訴え、ワクチンは「右の連中のものでもなければ、左の連中のものでもない。長いトンネルの光となるものだ。(no es de derechas o de izquierdas, es la luz al final de túnel)」とも述べた。

ここにきて、マス・マドリード党(Más Madrid)に新しい動き。同党からの候補モニカ・ガルシア(Mónica García)は、市民党支持者に向けて、「市民党は、安心できる場所。なぜなら、汚職と極右に対するワクチン効果があるから(en su formación tienen "un refugio" porque son la "vacuna contra la corrupción y la utlraderecha)」と述べたのだ。この時期、他党をけなすことは日常茶飯事だ。しかし、今、このタイミングで他の党に注目を集めるような、目配り発言をすることは何を意味するのか。新たな連立(bloque)の兆しか。

当分、こうした舌戦は続きそうだ。

写真はEl Diario紙(4.11.)より。現マドリード州知事イサベル・ディーアス・アジューソ。手には「私たちは達成しました(Hemos cumplido)」と書かれたパンフレットを持っている。その下の細かい字は認識できないが、恐らく、公約を実現したことを記した冊子だろう。