プリゴジンの乱で思ったこと
みなさんこんにちは。時代革新の桑原です。
6月24日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
プリゴジン、反乱を起こす
ウクライナ侵攻以来、その悪名を世に轟かせるようになったワグネルと、そのトップであるプリゴジン氏が、ロシア軍から攻撃を受けたと主張し、ロシア国内へ逆侵攻。南部のロシア領ロストフ州州都、ロストフナドヌー市にあるロシア軍の南部軍管区司令部を制圧し、首都モスクワに迫ろうとしたのです。
プーチン大統領は同日演説を行い、国家に対する裏切りと非難、その制圧を主張しました。
その後ワグネルはロストフナドヌーから撤退、プリゴジン氏は自身の免責と引き換えにベラルーシへ向かうこととなりました。
一時は本格的にワグネルとロシア正規軍の抗争に発展し、内乱が勃発するのではないかと思った方も多いのではないでしょうか?
ワグネルのプリゴジン氏が主張した「大統領の周囲にいる人物はけしからん。自分は大統領のためにそれを排除しなければならないのだ」という主張は珍しいものではありません。古今、洋の東西を問わず反乱を起こすものの常套句でした。
今回の反乱の特異さ
しかし、今回特異なのは、このような出来事が21世紀の現代国家で起きたということです。
現代でもたまに、発展途上国などで発生するクーデターとはまた種類が異なるものだと思います。このような出来事は、日本では2.26事件が近しいものではないでしょうか?「天皇の側にいる君側の奸を成敗せよ。昭和維新を断行せよ。」と。行動した側が青年将校だったか、傭兵会社だったのかという違いはありますが、レトリックは似ています。またナチスドイツで発生した長いナイフの夜事件も似ています。そのときは、突撃隊が決起する前に国防軍や親衛隊によって鎮圧されましたが、「ドイツのためにはヒトラーを中心とした第二革命が必要だ。」とする突撃隊の論理は、今回の反乱に通じるものがあるのではないかと思います。
つまり、このような反乱は、絶対的な指導者がいて、その者に対する信奉者が、指導者周囲の取り巻きを取り除くという構造となっているのです。そして、世界史を俯瞰すると、このような事件は帝国主義、ファシスト政権下で起きる傾向があるのではないかと思います。
となるとやはり、ロシアはまともな現代国家とは言えません。自分たちに都合のいい理論で隣国に全面戦争を仕掛け、奪った土地を併合し、その国の子どもたちを自分たちの国へ連れ去る。ファシストの振る舞いとしか言いようがありません。
そんなファシストに対峙する私たち西側諸国は何をすればよいのか?
それは、彼らを勝たせないために、絶え間ない支援を継続することです。ロシアの勝利は、例えて言えばナチスドイツや軍国日本が第二次世界大戦に勝利したような世界です。もしそうなっていたら、その後の世界はどうなっていたか?想像したくもありません。
日本は、民生品を中心にウクライナに支援を行っていますが、武器輸出三原則をさらに緩和し、殺傷能力のある武器の供与も本格的に検討する段階に入ってきているのではないでしょうか?
なそれこそが、言いたいことを誰にも憚ることなく言えるという当たり前の世の中を守るために、私たちに課せられた役割なのではないかと強く思っています。
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