見出し画像

公認会計士を目指し悩んでいる大学3回生からの質問にお答えします

こんにちは。
「公認会計士」についてわかりやすく伝える活動をしている、通称「ゆる広報部」です。

本日は、匿名で質問ができるウェブサービス『マシュマロ』からいただいた質問にお答えします。

公認会計士を目指し悩んでいる大学3回生からの切実な質問のため、今回はなるべく早く、自分たちの言葉でお答えしたいと考えました

「私たちを頼ってくれた学生さんの力になりたい」という思いで回答をした、いち公認会計士たちの個人的見解であることをお伝えしておきます。

なにかのヒントになりますように。

* * * * * 

公認会計士を目指し悩んでいる大学3回生です。
長い文章になりますが、返信いただけると幸いです。

まず1つ目に、(2022年卒業予定なのですが) 卒業までに合格を目指すのは厳しいかなと思い、就職して先に実務を2年こなしながら勉強をして試験に挑もうかと考えているのですが、その場合有利な会社、業種などあるでしょうか?

2つ目に、試験の結果がわかる11月というのが、世で言う就活のタイミングに比べると遅いように感じるのですが、確実に就職出来るのでしょうか?
合格したはいいものの就活浪人ということもあり得るのでしょうか?


ここからは今のわたしの現状の話になります。
そもそも会計士を目指そうかなと思ったのは4月前半でした。
コロナショックで先が見えない中、就活が不安でなにか資格を取ろうと思い色々調べているうちに興味を持ったのが会計士でした。

法学部に在籍しているのですが、元々経済経営に興味があり、ゼミも会社法関連のところに所属しています。
また昨年独学で2ヶ月間勉強して簿記3級を取得しました。
理想のスケジュールとしては、今から必死に勉強して2020年12月に短答合格、2021年8月に論文合格で2021年11月には結果を出し、4回生のうちに就職を決める、という流れです。

ただ親にその意思を伝えたところ、やはりお金のかかることだし、私学の大学に現役で通っているのでそのままストレートに就職して欲しい、試験に受かったとしても11月で就職できるのか、そもそも本当に受かるのか、などあまり賛成ではなさそうでした。

それでもなんとか話し合いを繰り返し、12月の時点で受からなかったら諦めて4回生で就活をし社会人になった後に会計士を目指す、という意見で一致しました。

ただ親に70万ほど払ってもらい今から8ヶ月ほどで受かることに可能性はあるのか、客観的に見て無謀にも思えてきました。

そこでもう一度現実的な道はないか考え、会計士になる条件としてある実務を就職という形で行い、それと並行して勉強をし試験を目指すというのは、実際のところあり得る話なのか気になり、この匿名システムを利用させてもらいました。

長々とすみません、甘えなしで大丈夫ですので、アドバイス頂きたく思います。ただ一つ言えることは、会計士になりたいという思いが強くあることと、出来ればなるべく早く実現させたい、ということです。
よろしくお願いします。

まずは私たちの活動を見つけて、ご質問をくださりありがとうございます。


前提

ご自身で理想のスケジュールを立てたり、費用を調べたりされていることから、公認会計士になる方法など基礎的な知識をお持ちのものとし、説明をはぶきます。

詳しくは日本公認会計士協会のホームページをご覧ください。
▶公認会計士を目指す | 日本公認会計士協会


Q. 働きながら試験を目指す場合、実務経験として有利な会社や業種などあるでしょうか?

これは有利不利以前に、実務経験として認められる条件が公認会計士法施行令第2条に規定されています。

詳細は金融庁のサイトをご覧ください。

公認会計士の資格取得に関するQ&A:金融庁

こちらの要件を満たさなければ、実務としてカウントされません。

「実務要件を満たす部署がある会社に就職できるかどうか」の壁を突破してもさらに、「実務要件を満たす部署に配属されるかどうか」の壁があるということです。希望を出すことはできても、最終的にどの部署に配属されるかわからない以上、かなりの賭けになってしまう恐れがあります。

「一般企業への就職経験を、将来、監査も含め会計に従事する仕事についたときに活かせるか」という意味でお答えするなら、経理に関する部署ならどこの会社での経験も活かせます。どんな業種であれ、ビジネスの裏にある数字を意識していれば経験は活きると思います。


Q. 試験発表は11月とのことですが、確実に就職出来るのでしょうか?

監査法人の就活は短期決戦です。
スケジュール的にご不安に思われるかもしれませんが、合格発表の後バタバタと説明会、面接が行われるという点では毎年そういうものです。論文試験終了後、合格を待たずに情報収集や面接対策をし、出遅れないように準備をします。

「確実に就職出来るか」は、なんとも言えません。
監査法人も一般の就職も同じだと思います。

たいていの監査法人はホームページにリクルートサイトを設けており、登録しておくといろいろな情報が得られるので活用してみてください。


Q. 実務を就職という形で行い、それと並行して勉強をし試験を目指すというのは、実際のところあり得る話なのか


単刀直入に言って、相当覚悟が必要です。

まず、実務要件については先ほど述べた通りです。
前例がないわけではありません。「あり得る話か」と問われると「あり得る」とお答えします。
ただ、晴れて「実務要件を満たす部署」に配属されたとしても、社会人と受験生を並行させるのは相当難しく、受験勉強が長期化する可能性も覚悟しておく必要があります。


ゆる広報部メンバーからメッセージ

個人的にお答えしていきますね。
(協会からの公式の見解ではありません)

Kさん

5月から開始して12月の短答合格は、日商簿記3級が独学でとれたのなら人より可能性は少し高いですが、厳しいチャレンジになるとは思います。
背水の陣で臨めば、いけるかもしれません。(無責任に言い切ることはできないのです)
専門学校にそういうプランがあれば、乗っかったらいいと思います。

私がもし、親戚の子から同じ質問を受けたらきっとこう答えます。
「迷ってるならやってみたら?やらずに後悔するよりやれるだけやって後悔した方がすっきりするし、どうしても公認会計士になりたいという熱い想いがあるのなら、実現させられると思う」

応援しています。

Oさん

ネットでは一般的な回答に限られますので、具体的な話は専門学校での説明会などで、(現在はオンライン説明会になってしまうかもしれませんが)直接聞かれることをおすすめします。

受験勉強のスケジュール、就職のことなど、直接質問されて、チャレンジできそうか肌感覚でその程度を感じてみてはいかがでしょうか。

Yさん

ぜひ頑張ってほしいので、真剣に回答させていただきます。

ご質問の「現実的かどうか」ということについてお答えします。
可能性はあるものの、まずは「実務要件を満たす部署」での仕事が可能かどうか、その実現性について大学の就職部と相談するなどして、さらに具体的に調べてみてはいかがでしょうか。

就職後に実務要件を満たせない可能性があることを含めて、必要があればですが、短答不合格の際の就職を再検討することも大切だと考えます。
繰り返しになりますが、私たちが心配するのは、会社で2年働いても実務要件を満たせるケースは限られてるということと、監査を仕事とするなら合格後監査法人へ入所する人が多いということです。

個人的な意見ですが、もし環境が許すのであれば、将来返済を条件に保護者の方の支援で勉強をして、「必ず合格する!」という強い意志で早期の合格を目指してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、まずは短答合格を目指してがんばってください。
合格できることを祈念しております。

Mさん

なりたいと思っている「今」始めるのが一番なれる可能性が高いと思います。

公認会計士に必ずなれる!とは言えないですが、体系的に学んだ会計の知識がビジネスで活きるのは間違いないです。
例えば、受験生だったものの公認会計士にはならず、華々しいキャリアを歩んでいる方もいます。そういった方のキャリアを知ってみて、ならなかった場合の「良さ」、会計自体を学ぶことの意義に共感できれば、躊躇なく勉強をはじめられるのではないかと思います。(そう考えて勉強していたら自ずと合格している可能性が高いのではないかという思いです)

私としては、「なりたい気持ちが強くて、しかも早くなりたい、のなら今すぐ始めなさい」という思いです。

---

どこまで個人的な思いを書いていいか、正直ゆる広報部の中でも迷いがありました。無責任に言い切れない、歯切れの悪い言い方になってしまってごめんなさい。
みんな受験生の頃があり、質問者さんの不安な気持ちがわかります。本当は、がんばれ!待ってるよ!って言いたいです。でもいろんな迷いや事情があると思います。

どんな選択だったとしても、明るい未来へつながりますように。

---

引き続き、匿名メッセージサービス「マシュマロ」でメッセージを受けつけてます。ご質問などありましたら、お気軽にメッセージください。

どうぞよろしくお願いします。