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書くことで、自分の人生を取り戻せるとしたら

えいやっ!と一歩を踏み出したり
辛い事を乗り越えたりして
人生が変わったと感じる瞬間はいくつかある。

でも、この小さな1日には敵わない

それが、私がこの
説明するのが超難しい
「じぶせかノート」を伝える理由。

スランプになった


2017年にイラストレーターとして独立してから
ありがたいことに仕事が絶えなかった。

イラスト、デザイン、文章…
できることをなんでも組み合わせて
一人で冊子も作る。
気づけば一人編集部。
もはや、、一人社畜だった。

こうなってくると
絵が大好きすぎて仕事にした身としては
贅沢なことに
「好きなものを描く時間が欲しい問題」
が発生する。。。
(するよね?)

仕事が5年目に差し掛かった頃
受注の仕事をストップして
自分の描きたいものに集中しよう!と決めた。


それなのに、そこから始まったのは
何も生み出せないスランプの日々だった。


こういう日ない?正直未だにあるけど。


「バズる漫画を描かなきゃ」
「いいことを書かなきゃ」
「すごいものを作らなきゃ」
「描きたいものを描いて、誰もみてくれなかったらどうしよう…」

と、考えるほど、どんどん描けなくなっていった。
駄作を生み出してはゴミ箱に捨てて、家事と育児に時間が溶けていく日々。

そんな日々が数ヶ月続いた。
たった数ヶ月だったが、絵描きとしては地獄のような日々だった。



家族のために頑張る休日にも疲れたある日。

「今日はやりたいことをやる!」と決め
ずっと掃除したかったキッチンと仕事部屋をピカピカにしてやったのち
仕事部屋に篭った。

ピッカピカにしてやんよ


そのとき、ふとあるものに目がとまった


photo by 久保 優太

スケッチブックの老舗「マルマン」の
ミニチュアクロッキーブック。

お馴染みのクロッキーブックが
手のひらサイズになったもの。
100周年記念グッズとして発売されていたのを
一目惚れして大人買いしたものの
使い道は決めておらず
1年以上インテリアと化していた。


同時に、手描き講座の生徒さんから
「しゃおりさんって、自分ではシールを使わないんですか?」
と、聞かれたことを思い出した。

シールはええぞ…


生徒さんには

「絵が苦手だったら、シールを貼ったっていいんですよ!今は100均にも可愛いものがたくさんありますから」

とおすすめしてきたのに
自分は

「私はプロのイラストレーターなんだから、全部自分で描かないと」

と、使う発想すらなかった。

でも、私も別に使ってもいいよなと。
ちょっと使って遊んでみようかなーと。

ミニチュアクロッキーを開き
なぜか、手元撮影用にスマホのカメラをセットして
タイムラプス(早送り動画が取れるやつ)のスイッチを入れて。
何も考えずに、1枚のシールを貼る。

そして、なんてことのない言葉と
小さなイラストを描いて
できた一枚がこれ。

えっ!楽しい!可愛い!

そこからはオタクの性です
沼、一直線。

ただただ描くのが楽しくて、生活の何気ないこと
本当に、Twitterに呟くよりも短いことをひとつずつ
インスタに記録していった。

あの日からずっと、レギンスもハンドケアも続けてる。

スランプに陥る前
「こんなこと書きたい!」と思っていたような
「いいこと」は書けなかった。
だって、この画面には30~50文字くらいしか書けないから。


写真を撮るならと、仕事部屋や道具をきれいに保つようになり、写真の撮り方の研究も始めた。
(ちなみに、写真の撮り方を教えてくれたのは、じぶせかノートを誰よりも大切にしてくれている友達、しょうこちゃん

仕事部屋に撮影スペースを作った
弱小インスタで初めて300いいねをもらった写真

そうして「楽しい」を発信することで
日々の忙しさや悩みで荒れていた生活を大切にすることができた。


ミニチュアクロッキー(ミニメモと呼んでいます)
と出会って週間ほど経った頃
さらなる変化が。

生活が整い、日々言いたいことを吐き出せている安心感からか

「もう少し、大きなものを描けるかもしれない」

と、B6サイズのスケッチブックに
暮らしや料理のイラストルポを描けるようになった。

そこから、マイペースに作品作りができるようになり、お仕事も再開できた。

ミニメモが1冊描き終わり、自分のことを描くのに満足した頃
「この体験を、みんなにも伝えたいし、体験してほしいな…」
と思って生まれたのが

「じぶんの世界を生きる ラクガキノートワークブック」だ。

実はこれも、本を作ろうと思って作ったのではなくて
沖縄でワークショップをさせてもらうことになったので
せっかく、北海道から沖縄まで行くなら、いつも教えていることを
冊子にして印刷してしまおう!と。
1週間の突貫で作り、入稿、2000部を印刷した。

SUNABACOコザで初WSやらせてもらったんです!ありがとうございました

スランプを抜けた経験があったからこそ
ただのイラストの描き方の冊子ではなくて

・小さく始めること
・とにかくハードルを下げること
・煮詰まった時の対処法
・遠慮せず外に発信すること
・人と比べないこと

などを伝える内容になった。

何かを成そうとすると、大きなもの、すごいもの、完璧なものを目指してしまうけれど

だからこそ人は動けなくなる。

最初の一筆がいちばん重い。

「小さな一筆が、人生を変える」

本気でそう思っている。


人生が変わり始めた

というのも、この冊子を作って販売し始めて、本当に人生が変わり始めた。
まず、この冊子を販売してすぐに

大好きな、私の人生を変えてくれたミニチュアクロッキーを作っている会社
マルマンの営業さん(偉い人…)が、この冊子を買ってくれた。
当時の私のTwitterもインスタも弱小で、フォロワーは200人くらいとか。
どこで見つけたんだろう…と思ったけど
「たまたまTwitterのタイムラインに流れたきた」らしい。。。
通販の申し込みに「株式会社マルマン」の文字があったときの衝撃は今でもわすれられない。
そこから、その営業さんと仲良くなり、札幌でフェアやイベントをやる時には、実演のお仕事をさせていただいている。

同じくまだインスタが本当に弱小のころ、出版社からも声がかかった。

人生にこんなことがあるのか、と思った。。

「自分には何かできるはず」と妄想ばかり膨らませて
何もできていなかった頃は、自分が誰かに見られているという実感がなかった。

でも、大きなことじゃなくても、楽しく、できることをコツコツやっていたら、ちゃんと届くんだなぁという自信がうまれた。

最初の一筆、をなんとしてでも書いてほしい


「意味のあるものを書かなくたっていい」
同時に
「意味なくなんてない」

と伝えるために、手を替え品を替え、ワークショップや講座を開催し続けている。

なんでこんなに伝えたいんだろう、と思う。
別に、一人で楽しんでてもいいじゃん、って。

でも、私がこの経験を経て
自分を取り戻せた
からだと思う。

確かに、人生が好転した。
目に見えるいいことがたくさんあった。

でも、それ以前に

「すごくない自分」
「大きなことをできない自分」
それでいいんだ、っていうことを認めることができて
ただただ描くことを楽しむ、という気持ちを
思い出すことができた。

これは、絵描きとしての自分を救ってくれたんだ。
一生描くこと、作ることを嫌いにならないでいられる
心の土台を作ることができた、と思っている。

今日は、久しぶりにSUNABACO江別(ここも、私が自分を取り戻せた場所です)でワークショップの出展をさせてもらった。
と言っても、ひっきりなしにお客さんが来てワークをして、という場ではなくて。

その時必要な人たちが集まって、自然体でおしゃべりする中で
その日に縁あってお話しさせていただく人たちと
じっくり
「なぜ書くのか」というお話をしたり、その人が今向き合っていることを伺ったりした。

本当にあったかく、みんなの心にある小さい火が燃え上がるいい場だった。
この場を作ってくださったことに感謝です。

https://sunabaco.com/

https://note.com/sunabaco_ono

もう、なんでこんなに説明が難しいもの作ったんだろうっていうくらい
一人ひとりと向き合って伝えていかないと、伝えられない。

でも、これからも、縁ある人たちに

「その小さな一筆が、絶対に人生を変えるから」
「あなたの人生、もっと楽しくなるから」

そう伝えていきたいと思う。


「じぶせかノート」は、こちらから購入することができます。
また、最近は社員研修や、団体(市民団体、ロータリークラブ等…)の研修にもお使いいただいています。講師もしゃおりが担当、オンライン、対面どちらでも対応いたします。
研修やワークショップ開催のご相談は、ホームページのお問い合わせフォームよりどうぞ。


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