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社会的評価を上げることで失ったもの


昔からよく「たまちゃんはいつも一生懸命だよね」って言われてきた。
みんながなるべくサボる教室掃除でさえ、時間いっぱい汚れを見つけた。
部活でも一番声出しをしていた。
社会人になってからも、先輩の話をよくきいてメモを取り、必要な勉強をした。

でも、同じくらいの歳や境遇なのに能力の高い人がたくさんいる。
わたしは不器用で緊張が高く、結果を出すまでに時間がかかる。
ただ、「たまちゃんは頑張ってる」というイメージが実力以上にわたしの評価を上げた。


わたしはどのように振る舞えば社会的評価が高くなるのかなんとなく心得ていた。
いつもニコニコしながら相手が欲しがってる相槌を探し、相手の話を真剣にきいてオーバーなくらいリアクションしたり、
人が嫌がることを率先してやったり、
挨拶をしっかり、
立場の弱い人の味方になり、
社会貢献に携わり・・・etc。


そう、全部評価のためだった。
高い評価があれば褒めてもらえるし、頼ってもらえるし、ものごとがスムーズに進んだ。
いわゆる承認欲求ってやつだね。
自分に実力がないことをわかっているからこそ、これらのスキルでカバーしていた。

そんなわたしに何が起きたかというと・・・

自分の意見がわからなくなった。
真っ先に考えるのは、相手が求めている返答、より承認されるための行動。
自分の意思よりも、相手が気持ち良くなることを優先した。

だから、気持ちや感情に鈍くなってしまった。

傷ついたり怒りにつながることを言われても、違和感を覚えるだけ。
なんとなくじんわりした気持ち悪さを抱えながら、お風呂に入ってシャンプーをしているあたりで

「あれ、なんであんなこと言われなきゃいけなかったんだ」
「なんでその場で言い返せなかったんだ」

と、ふつふつ負の感情や涙が湧き出てきたりして。


どうやってこの息苦しさから逃れようか。
答えは簡単で、素直になればいい。
自分の感情や気持ちに敏感になればいい。

ただ、これがなかなか難しいんじゃ…


今は訓練の真っ最中。
まだパッと反射的に自分の意見や感情を出すのは難しいけど、
なぜ投げかけられた言葉に違和感があったのか。
それをしっかり紐解く作業をすることで、いつか誰にでも素直に喜怒哀楽を見せられるようになれたらいいな。







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