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愛について1:3つの愛

愛は悩ましい

「今の恋人といるのは楽しいけれど、本当にこのまま付き合い続けて幸せになれるのか?」

「身体の相性はいいけど、結婚するのは違う。これは愛じゃないのかも?」

「一目惚れして真実の愛を見つけたと思ったのに、数ヶ月したら冷めてしまい、何が愛なのか分からない」

パートナーとの関係、恋愛、
広く「愛」について、
人の悩みは尽きません。

かくいうわたし自身も
「この人こそ運命の人」と思い付き合った人に、
あっさり振られてしまった経験があります。

そして、恋愛に対して臆病になり、
恋愛はしないと決めた時期がありました。

そんな時、改めて「愛」に関する
先人の考え方について学び直しました。

時代や場所が変わっても、
人間の悩みは変わらないものです。

その解決のために
知恵を絞って考えた先人がいます。


この記事では、
古代ギリシャ以来語られてきた、
3つの愛を紹介します。

「愛とは何か」について、
一概に結論することはできません。

しかし、
「愛にはこういう側面があるよね」
と考えてみることは有用です。

あなたの過去の経験、現在の状況を
分析する手段になります。

そして、愛の種類を知り、分析することは、
あなたの愛の悩みを解消することにつながります。

私自身、
愛について先人が伝える
複数の考え方を知ることで、
特定の愛の形にしがみつかなくなり、
心が楽になりました。


この記事を読むことで、
愛の代表的な考え方3つを理解することができ、
それを踏まえて
あなたの愛の考え方を整理することができます。

愛に関する様々な書籍を元に、
私なりにまとめたものとなっております。

愛について悩む方、
愛について悩んだ経験のある方、
ぜひお読み下さい。


1 エロース

ここからは、
哲学の源流である古代ギリシャから続く
愛の分類のうち、3つを紹介
します。

あなたが経験してきた愛はどれに近いか、
あなたが思う愛の正体に近いものはどれか、
考えながら読んでみて下さい。

まずは、「エロース」という愛です。

エロースとは、一言で言うと「求める愛」です。

たとえば、「あの人はカッコいいから、自分の恋人にしたい」といった欲求のことです。

この愛は、相手の美しさやかっこよさ、魅力に反応して生まれます。

そして、相手に何かを与えるよりも、相手に何かを求める欲望という意味合いが強いです。

元々は性的な情熱という意味での愛でしたが、哲学者によっては肉体だけではなく魂の美しさに魅かれることも強調されます。

しかし、ここで難しいのは、相手そのものというよりも、相手の魅力、素晴らしさに魅かれているため、相手「」求めるだけでなく、相手「」求めてしまうことがある点です。

たとえば次の例です。

一目惚れで付き合った。見た目も声も性格もタイプで、毎日が楽しかった。でも、ある日、相手が店員さんに粗暴な態度をしていた。思っていた人と違い、なんだか冷めてしまって、結局別れた。

この場合、相手の(性的なものも含めた)魅力にひかれて付き合ったはいいが、自分の中に相手の「理想像」ができたため、それを相手「」求めているのです。

したがって、エロースはしばしば「自己中心的」「利己的」な愛、とされます。

愛がエロースであるとすると、愛とは「求めるもの」なのです。

2 アガペー

次に紹介するのは、「アガペー」という愛です。

アガペーというのは、一言で言うと「与える愛」です。

たとえば、「パートナーのためにできることは何でもしたい」といった心のことです。

この愛は相手の美しさやかっこよさに関係がありません。

相手のことを第一に考え、自己犠牲も厭わない精神です。

見返りを求めない献身的な愛です。

この愛は、なかなか日常に現れることはないかもしれません。

しいて言えば、アイドルやアニメキャラなどへの「推し」が近いです。

アイドルやアニメキャラは、自分個人に対して何か見返りをくれるわけではありません。

もちろんファンがライブや作品を見ることで感動を受け取ることはできますが、それは自分が何かしたことへの見返りとは異なります。

たとえライブがなくても、新しい作品がなくても、ファンはアイドルやアニメキャラを献身的に応援します。

そういう意味では、届かない存在に対して生まれやすい愛と言えるかもしれません。

以上から、アガペーは「他者中心的」「利他的」な愛とされます。

愛がアガペーであるとすると、愛とは「与えるもの」です。

3 フィリア

最後に紹介するのは「フィリア」です。

フィリアは、一言でいうと「対等な愛」です。

フィリアは、日本語で「友愛」と訳されることもある言葉です。

エロースのように性的な意味合いはあまりなく、仲間や同志との間に生まれるもので、友情よりもさらに深い連帯感のようなもの、それがフィリアです。

また、アガペーのように一方的に与えるようなものでもありません。

共通の目的や理想を実現したい仲間同士に生まれるもの、と言い換えてもよいです。

熟年夫婦をイメージしてみて下さい。長年連れ添う夫婦は、若い頃のように激しく互いを求め合う関係性ではありません。さらに、どちらかが一方に献身的に尽くす関係では長続きしないでしょう(稀にあるかもしれませんが)。

お互いを支え合うという、共通の目的を実現するために、互いを認め尊重するような関係性なのではないでしょうか。

長い時間連れ添ったパートナーとの関係は、「求める」ものでも、「与える」ものでもなく、お互いに「対等な」、深い友情に近い愛と言えます。

フィリアの意味する範囲は広く、夫婦だけではなく、友人、国家に対してなど、幅広く使われる言葉でもあります。

愛がフィリアだとするなら、愛とは「対等なもの」です。

まとめと次のステップ

ここまで、愛の3つの種類を見てきました。


  1. エロース
    愛とは「求めるもの」である

  2. アガペー
    愛とは「与えるもの」である

  3. フィリア
    愛とは「対等なもの」である。


以上の3つです。

この3つはどれがよいというものでもありません。

お互いに求め合う関係、お互いに与え合う関係というのもあるはずです。

あなたが思う「愛」に近いものはありましたか?

愛の種類を知ることで、あなたの経験が、少しクリアに見えてきたのではないでしょうか。

「ああ、あれはまさにエロースだったのか」
「あの憧れの夫婦はフィリアに近いな」
というように。


さて、愛について知識を得ることは、第一歩であり、自分の愛についての考え方を掘り下げることこそが次のステップです。

最後に、ぜひあなたなりの愛の定義を表現してみて下さい。

やることは簡単です。次の文に、自分が一番しっくりくる言葉を入れるだけ。

「愛とは、        である。」

思い浮かびましたか?

それこそが、愛についてのあなたなりの定義=「ジブン定義」です。

こうしたジブン定義を表現することが、あなたの自分なりの哲学=「ジブンテツガク」を見つける第一歩です。

ここで一つお願いがあります。

よろしければ、Twitterで「#ジブンテツガク」とつけて、感想や上の「ジブン定義」を呟いてみていただけませんか?

この記事では、私の記事とあなたとが対話していました。

ハッシュタグを通して、Twitterでさらに他の人々と対話する輪が広がると、とても素敵ですよね。

もしかしたら、他の人の定義を見て、あなたの考えが変わることもあるかもしれません。

変わっていいのです。

変化する中で、自分の根っこの考えが見えてきます。

そうした対話の中で見つかる、あなたの根っこの考えこそが、自分なりの哲学=「ジブンテツガク」です。

愛に限らず、広く自分の根っこの価値観を探すというジブンテツガクのプログラムは、近日中に公開予定です。お楽しみに!

情報をいち早くお知りになりたい方へ向けて、公式LINEも作成いたしました。

https://lin.ee/RZb7KFI

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最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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