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言葉のおみくじ

 言葉を選ぶ機会には大きく分けて2つあると考える。
 一つ目は、相手に対して発する言葉。
 二つ目は、相手から放たれる言葉。

相手に対して発する言葉

 相手に対して発する言葉とはつまり、会話をする上で相手の感情を予想し、自分の頭の中で言葉を選択することだと思う。自分の中で様々な感情が生まれるが、全てを言葉にすれば良いというわけではない。相手が傷つくのではないか、不安になるのではないか、驚くのではないか…
これだけに尽きないほど考えるこは沢山ある。だが、一瞬にしてその中から選び出し、言葉として口から発さなければならない。

対して…

相手から放たれる言葉

 相手から放たれる言葉は、受ける側は選ぶ事ができない。耳を塞いだり言葉を遮らない限り、求めていなくても耳から心へ入り込んで来る。時には、興味が無さすぎて耳から耳へどこかへ消えてしまう事もある。ただ、言われたくない事こそ心に響いてくるのだ。考えすぎる人へのアドバイスとして、耳をシャットダウンすれば良い、真に受けなくて良いと言われる事がある。しかしそれは考えすぎる人にとって不可能と言って良いほど困難なのである。スポーツや楽器の練習のように、繰り返し繰り返し聞き流す練習をしていかなければならない。なぜ私はこんなに頑張って会話をしなくてはならないのか疑問に思うこともある。

おみくじ

 上記では言葉を選ぶことへの難しさを述べてみたが、言葉はおみくじと同じではないかと思った。言葉を発する側でも受け取る側でも、その時引いた言葉のおみくじが、大吉、中吉、小吉…あるいは凶などであっただけなのではないか。運が良ければ嬉しい大吉のお言葉をいただいたり、運が悪いと傷つく凶の言葉を言われてしまったり。相手のことを全て理解できるわけでもないし、おみくじを引く側も開いて中を見るまでは内容は分からない。だからこそ、おみくじも会話も面白いし、大吉ばかり出る相手とは仲良くなれるのではないだろうか。会話の成立は、奇跡かもしれない。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!凶も良くなる一方なので悪くないですね!

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