愛せる人#2

 俺とニ回目のご飯を断った二人は、気がつけば別の子達とつるんでいて、俺は一人になっていた。まぁ、そんなことで落ち込む訳もなく持ち前のコミュニケーション力で新しい友達を作りに行った。俺と同じような明るくて元気な二人組に声を掛けた。太丸 筋(ふとまる きん)と細谷 拓(ほそや たく)
二人は優しく俺を仲間に入れてくれた。それから毎日彼らと授業を受けるようになり、ご飯にも行った。まぁ予想通りだと思うがまた一時間店員さんと話してメニュー確認を友達にする。だが今回仲良くなった二人は俺を面白いと笑ってくれた。俺の居場所を見つけたと思い、嬉しくなった。
 それからは、俺のアクセルは止まらなかった。旅行に行けば観光客に話しかけ、動物を見れば完全スルー。神社やお寺を見に行っても目線は人。神社やお寺は俺の背で隠れるほどに。さすがに限界を迎えた筋と拓は俺に向かって叫んだ。
「お前、良い加減にしろよ!今までは面白い奴だと思って流してきたけど、もう限界だよ。旅行ぐらい楽しませてくれよ」
俺は二人に迷惑をかけていたことに気が付かなかった。怒られて初めて、俺の行動が周りを苦しめていたとわかった。

つづく…


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